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LEVORG ボクサーサウンド

2014-08-28 22:56:37 | LEVORG

8月中はがんばろう。 あと3日

ちょっと古いスバルの車、3代目までのレガシィだと、
独自の排気音「ドコドコドコ」と言う音が特徴的で、
自分が歩いていて後ろからこの音が聞こえると「あっ、レガシィ」と無意識に反応していました。 
巷では、この音の事をエンジン名にかぶせて「ボクサーサウンド」などと呼んでいました。

ところが、最近のスバル車はこの独特の排気音はしません。(それが残念だと考える人もいます。)

この独自の排気音は何が原因だったのでしょうか。

それは、エンジンから伸びているエキゾーストマニホールドと呼ばれる排気管の形状・取り回しが原因であり、
その結果として排気干渉を起こしていたことがあの音を生んでいたのです。


では、なぜ排気干渉が起こっていたのでしょうか。
スバルの水平対向エンジンのレイアウトを分かり易いように図にしてみました。


エンジンの気筒は運転席側に1番と3番、助手席側が2番と4番があります。
エンジンの点火順序は、1→3→2→4となります。
そして先ほどの排気管は1番と3番、2番と4番をそれぞれ一本にまとめ、
この2本をさらに1本にまとめて後方に排気する仕組みです。
ターボの排気タービンの位置(左右どちらかに設置される)や、
排気タイミングも片側が連続して行われ管の長さも左右で違うために、あの音が生まれていたのです。
排気干渉が起きると(若干のメリットもあるようなのですが)一般的にはエンジンの効率が落ちるという事につながります。
結果として燃費が悪くなったり、出力が出ないという事があるらしいのです。


スバルはこのデメリットを解決するために、
エキゾーストマニホールドの「等長・等爆」化という技術を投入します。
等長・等爆の考え方は昔からあったのですが、スバルの独自の水平対向エンジンの形状がその実現を難しくしていたのです。
水平対向エンジンの排気管はエンジン下部に延びそこにはオイルパンがあるので場所を奪い合ってしまって、
なかなか実現できなかったということです。
(折角、低重心なエンジンであるのに下に配管をウネウネとしたら、メリットをスポイルしてしまいます。)

そこで、気筒のまとめ方を変えたのです。
1番と2番、3番と4番をそれぞれ1本にまとめて、その後2本を1本にして後ろに排気する。
更に、最後の2本が1本になるまでの、気筒から伸びている配管の長さを同じにしたのです。
排気タイミングも左右にわかれ、配管の長さが一緒ですので爆発のタイミングが一定であれば、
排気も整えられるということになり排気干渉は起きません。

排気ガスが通過した後に生じる負圧で次のシリンダーから排出された排気ガスが引っ張らることで、
抜けが良くなります。(エジェクター効果、アスピレーター効果と言われます。)

これが、等長・等爆のエキゾースト・システムと言われます。
スバルは、これを2003年に実現するのに、38年間も掛かったのです。
(エンジニアの執念と努力の賜物ですね。)

レヴォーグにも当然、この仕組みは取り入れられています。
ボクサーサウンドはしませんが、自分の車の稀有な水平対向エンジンがこのように動いていることを考えながら乗ると楽しいですよね。ね。ロマンを感じませんか。(えっ、楽しくない 笑)


でも、スバルらしく不思議なこともやっています。笑
私が乗っていた、IMPREZA WRX STI A-Lineは2.5Lシングルスクロールターボ(EJ25エンジン)でした。
なんと、この車は2010年に乗り換えたにも関わらず、等長・等爆ではありませんでした。
ですから、エンジンがあったまって来て、高回転を回すと、「ゴロゴロ」とボクサーサウンドまではいきませんが、あの独特な脈動のような息吹を感じることができたのでした。
どうしてなのか、当時の営業担当者にも聞いてみましたが、明快な解答は得られませんでした。
ただ、「スバルなので考えてそれがベストであるという事では。」という結論に達したのを思い出します。


参考図書
「スバル・メカニズム」中部 博 著 三樹書房
「スバル水平対向エンジン40年の歴史」 矢吹 明紀著 山海堂 
ほか


レヴォーグ、愛着を持って乗りましょう!

だんだん、スバルの中の人みたくなってきた・・・・笑 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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いまだに乗っています。 (metabow)
2016-12-28 20:29:50
いまだに乗っています。EJ25ターボ、A-line
。いい車です。
返信する
良いクルマですよね (ak)
2016-12-28 21:03:47
metabowさん
こんばんは。
こんな古い記事にコメントありがとうございます。
A-Line EJ25 本当に楽しいクルマでした。
2.5Lあるので低速のトルクもあり扱いやすかったです。それでいて思い切り踏むと、あっという間に速度が上がっているのに驚かされました。
今でも、走っているのを見かけると、そんなことを思い出します。
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