Strawberry Sunday♪

楽しいこと、嬉しいこと、悲しいこと、日々徒然・・・。

子どもの見方、親の見方

2005-02-22 04:14:19 | 保育 教育 
毎朝お母さんと登園してくるYちゃん。
イトコと二人で入園してきて2ヶ月になる。
ガラッと戸を開けてトコトコ元気に登園。なんと手にはひなあられの袋を持っている。
あぁ・・・節分も終わったし、おひなさまの時期かぁ・・・って違うんだよっ。
思わず絶句。どうするんだそれ。
親は全然悪気はない。朝食べてたからそのまま持たせてるのだろう。部屋に入っても、それを取り上げる気配もなし。そのままノートと、コップとエプロンが入った袋を所定の場所に置くとさっさと帰っていってしまった。

当然お菓子を持ったYちゃんの周りに他の子が群がる。
その場に座るYちゃん。
どうするだろうと見ていたら、周りの子が「ちょうだい」って出した手の上にひなあられをひとつずつ配ってあげたのだ。
ひとつずつだから口に入れたら終わりだ。すぐ食べちゃうので次から次へと「ちょうだい」って手がでる。
けれどYちゃんはそんなお友達の手の上にやっぱり一つずつ置いてあげていた。
合間隙間に自分の口にも入れながら(笑)。
保育園にお菓子を持ってくるってのはやめてほしい事だけど、Yちゃんの別の面が見られたからまぁいいか・・・と内心苦笑しながらみていたのだった。

お友達に分けてあげるっていう行為はなかなか難しい。だって目の前にあるものは全て私物化してしまうのがこの年齢。
人が持ってるものが欲しい。それを根気強く「これは○○ちゃんのだからね」と教えていく。ひたすら言い続けることによって次第に、年齢と共に理解していく。
もちろんそういう子が全てじゃない。Yちゃんのようにすんなりお友達に分けてあげることができる子だっているのだ。それは常日頃、親が「はい、これは○○ちゃんにもあげようね」とか、「ママにもちょうだいね」とかそうやって普段から分けることが当たり前って生活習慣だからなのかもしれない。それは大きい。

とにかく、Yちゃんは普段でも2つ物があれば、必ず1つイトコにあげるという行為を普通にする、やさしい子なのだ。
実はYちゃんとそのイトコは、この園に来る前、別のところに通っていた。
そこの園長先生曰く、すっごく問題のあるお子さんだったらしい。(一歳児で何の問題があるんだ・・・)また親もちょっとした事ですぐに苦情を言いに来るようなやっかいな親。
そういうお墨付きで、いわば熨斗をつけて送り出されたわけだ。
そんな話を聞いてたから、まぁ心配ではあったのだ。「いったいどういう子でどういう親なんだろ」って確かに思ってた。

でも、フタをあけてみると・・・・。
「お友達を叩いたり、噛みついたりします」・・・それって、Yちゃんだけじゃないし。一歳児は日常茶飯事だ。それにそこまで言うほどひどくはない。むしろ明るいし、楽しそうに遊ぶし、活発だ。いいとこばっかじゃないかっ。
「親も文句言ってきます」・・・最初はお友達のタオルが間違えて入ってたりするとノートに「こういうことがないよう気を付けてください。洗濯しようかと思いましたがしないで返します」とか切り口上で書いてあった。けれど新しい所で不安だろうし、ピリピリしてるのかもと思い極力話しかけるようにし、ノートにもYちゃんの良いところばかりを見つけて書いたりしてたら、ある日また間違い事件が起こったとき。
「お友達のタオル、入ってました。洗濯しています」
文句も言わず、洗濯までしてくれてるよっ。ありがとうっw

すべては関わり方なのだと思った。
見方なのだと思った。

前の園の先生、どういう関わり方をしたのかわからないけど、Yちゃんの良いところを見ていたのだろうか。探していたのだろうか。
Yちゃんの、みんなにお菓子を分けてあげるような優しいところに気づいていたのだろうか。
また、若い若いお母さんの不安や心配をわかろうとしていたのだろうか。

今ではお母さんも(タメ口だが・・・汗)どんどん話しかけてくるようになった。
入園当初「ええ~ぬいぐるみとかいるの??」と嫌そうにしていたけれど「キットを買ってぬいぐるみ、頑張ります」とノートに書いてきた。

子どもだけじゃないんだよね。親もどうかしたら子どもみたいに感じることもある。
「我が子だけを見て欲しい、我が子だけに関わってほしい」
世の中の親はまあ、みんなだいたいそうなのだろうけど。私も含めて。
でもその気持ちが強く、思い余って攻撃的になるお母さん。そういう人は自分が注目されたいのだ。自分が関わってもらいたいのだ。
子どもと同化してしまってて自分の子がちょっとでもケガをすると、まるで自分がされたかのように心がキツイのだ。
早い話が愛情不足。
「こどもを愛して」と言いながら「私を愛して」と訴えている。

さみしい親が多い。
さみしい子どもが多い。

それを「文句をいってくるやっかいな親」「わがままな子ども」と切ってしまうのは簡単だけどそれじゃ永遠に信頼関係は生まれないよね。
視点を変えて考えてみるって大事なことだ。

子どもとともに親も育てる・・・それが保育士の役目の1つなのだろう。
難しいことだけど。
でもともに育っていきたいと思う。保育士も一緒に。