goo blog サービス終了のお知らせ 

Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

宇治・茶の湯フリーク

2011年05月14日 07時19分04秒 | 泊りがけの旅行
GWが明けた5月9日(月)に宇治へ抹茶を探訪するフリークへ行きました。(以下、報告。とても長いです

まず、今や『綾鷹』で有名になった上林春松本店から。

宇治駅からだと平等院とは逆の方向へ徒歩10分、工場に到着。(←事前予約が必要)
※抹茶の工場見学は数年前、同じく宇治にある丸久小山園でさせていただいたことがあるけど、改めて。
上林さんの方は規模は小さかったけれど、駅から徒歩圏内だし、1名から受け付けてくれる

担当の方に案内され、数十台の石臼がグルグル回るところを見学しつつ、碾茶を見せてもらって製造工程の説明を受ける。
見学の目的を「茶道文化検定を受けるので」と言ったので、主に昔と比べてどこか機械化されたのかとか、
テキストで読んだ作業工程でわからなかった点について、納得がいくまで解説していただいた。

どうもね、煎茶の製造工程とごっちゃ混ぜに覚えてたのが理解できなかった理由の一つだと気がつく。
(「抹茶は茶葉を揉まない。だから、ここには粗揉機はない」とかね)
焙炉とか茶撰りとか、だんだんわかってきた。
(30分くらい説明を受けていた)

見学を終えて「これから何処へ?」と聞かれたので、「上林記念館へ行きます」と言ったら、
「ちょうど自分も戻るから車で」 お店のワンボックスに便乗させてもらった。
車を待っている間、抹茶と京番茶(←湿し灰に使うため)を購入。
工場ということで、注文を受けてから缶に詰めるということで、しばし待つ。(出来立てを缶に~

徒歩と車では当然ルートも違い、地図的には昔、七名園と七名水の辺りも通ったわけで、
石碑もあるらしいと聞いていたが、全くわからず
長閑な茶畑や湧き水があったとは信じられないくらいに普通の住宅密集地になっている。

記念館でも引き続いて説明を受けることができた

昔の製造に使った道具が丸ごとあった。
「これが焙炉かぁ(←書けなかった」と思ったし、他にもお茶を選別した撰り板と作業風景の写真。
選別する対象について、詳しく説明していただいたので、よっく解った。

2階に上がると上林家の歴史。
上林竹庵の坐像を見て、「戦死にだまされて間違えちゃったんですよねぇ
お茶壺道中、夏の間の保存場所、それと採茶使。これも2級で間違えた

帰宅してテキスト読み返してみると、どれも記述された内容ではあるけれど、字面を追うだけでは理解できない。
(というか、解った人が書いていて、わからない人が理解できるように書いてないような。。。
 と、自分のお頭の弱さを棚に上げてますが
とにかく、実際に見学できたことは、今後の対策学習の一助となりそうだ。

満足して記念館を後にし、平等院へ向かう。
記念館のある宇治橋通り商店街から表参道に曲がる辺りはお茶屋がいっぱい。
「お茶、どうですか~」と声かけられ、見ると「かんばやし」。
「今、行ってきましたけど」「あ、それは違う上林。ウチは平仮名の『かんばやし』です」

確かに「多い」とテキストに書いてあったけど、ようやく実感できた

さて、平等院。
当初は通過するつもりであったが、訪問する3日前に藤棚情報をキャッチし、「見たいな

圧巻です。(重いと木に負担がかかるので、時期を見て切り落とすらしい)

たしか、過去3回訪れている。だけど、鳳凰堂の内部に入れたっけ?
と思いつつ、珍しいから別途料金払って入った。(阿弥陀様、近くで見ると迫力ありました)

考えてみれば、前回来たのって、20年近く前。
宝物を保存する鳳翔館も出来ていて、見応えはあった。

そういえば、平等院の中には法華水と阿弥陀水があったらしいのだが、どれだろ?

↑たぶん、これじゃないと思うけど、“それ”っぽいものを撮影

そんなんで思いのほか時間を消費し、平等院を出た時には1時を回っていた。
しかも北門から出たため、県神社の前を通りがかる。参拝して、地図を見直してから宇治川べりに戻る。
どこぞで昼食を~と思ったが、店の数少なく満席だったり、逆に店員さん引っ込んでたりと、食いっぱぐれ
表参道に戻るのも時間のロスなので、これも今回はパスするつもりだった対鳳庵へ。
 
宇治市営のお茶室でお点前を見せてもらって呈茶してくださる。(茶券500円)
今は京都でも福寿園さんとかやってくれる処があったけど、平成の始め(←前回訪れた頃)はまだ珍しかった。
(新聞で読んで「ぜひ行きたい」とお茶の先生と一緒にドライブしてきたっけ。
 当時はマンツーマン稽古だったので、他人様の点前を見学できる機会が少なかったので

でも、あれ? 席が違うような? 前来たときは四畳半で躙口から入った気がするんだけど~。
と、お点前さんに伺ったところ、「17年に建て替えられたんですよ」とのこと。
(四畳半はまだ残っているけど、普段のお点前は広間に入れているらしい)
うわっ。時間の経過を感じちゃったぁ。

そうそう。たまたま茶室に一緒に入られた方がいた。
30歳前後の日に焼けた精悍な男子。ちょうどワタシは案内を待っていたら、珍しそうに門の辺りから見ているから、
「茶券なら、そこの観光センターで売ってますよ」と教えてあげたら、すぐ買いに行ってた。
茶席に入ってからも興味深そうにしているから、(茶道は)素人だろーと思ったら、そうでもない。
出されたお菓子を食べることなく、そのままにしているワタシを不審げにみて、「あの、点て出しですよね?」
「いえ、これからお点前がありますヨ」と答えたら、驚いていた。(←点前が見られるとは思わなかったらしい」

ワタシの方も「ナニモノ?」的な視線を投げたらしく、「ボク、今回は茶庭見学の旅なんです」。
中部地方の、国宝のお城と国宝の茶室を擁する某市で庭師をやっているとか。
前の日は鷹ケ峯の光悦寺や楽美術館を巡ったのとのこと。
今日庵へも行ってきたというので、「よく、中へ入れましたねぇ」と聞いたら、「いえ、兜門だけです」
お点前も含め、3人とも同じ流派だったので、しばし露地の話が弾んだ。

点前後、点前座と隣接する立礼席を見せてもらった。(←お点前は見なくてもいい、という方は立礼席で点てだし)
 
もう長くやっているのに、未だに知名度が低いみたい?
いいところなので、宇治へお越しの際は是非お立ち寄りください

お腹が少し落ち着いたので、中州を渡って対岸へ。
朝日焼は月曜休で中へ入れず(朝日の茶園も一緒に管理しているので、こちらも見れず残念)
興聖寺へ足を延ばす。
落ち着いた雰囲気で、いかにも「修行するお寺」。伏見城の遺構もあった。

宇治神社、そして世界文化遺産の宇治上神社へ。(←この2つの神社の立地と関係、ややこし

唯一残る七名水の「桐原水」を見学。
 
(ま、こんなもんか。ですが

表参道に戻って、宇治茶資料室へ。
午前中、上林記念館を見たので、さしたる珍しさはなし。

そうなんだよな、茶畑見たいんだよなぁ。
(茶摘みしているところ見たい、というのはゼータクなので、そこまでは望まないけど)

この資料室は上林三入のお店の2階。
抹茶は買ったので、お土産菓子(京都宇治抹茶キャラメル)を購入。
続いて隣の宇治茶・伊藤久右衛門でKitkutを購入。


またお腹が空いてきたので、上林三入へ戻り、茶房で蕨餅と抹茶のセットをいただく。
御用茶師の店だけあって、確かに抹茶は美味でした。
目の前に宇治の観光イラストマップがあったので、蕨餅いただきながら考える。
まだ3時前ダ。
こんな街中になってしまった宇治市の中心部で「茶畑を見たい」と思う方が無茶なのかもしれない。
そういえば、京都からので、六地蔵を過ぎたあたりで車窓から黒い覆いをした畑がチラホラと見えた。
あれが抹茶の茶畑なのだろう。
それでよしとしようか。いやいや、せっかくこの時期に訪れたのだから、せめて写真が撮れるくらいにゆっくり眺めたい。

で、宇治駅前まで戻り、観光案内所で問い合わせてみる。
バスに乗って茶業センターに行けなくもないが、本数が少なく時間が合わない。
「あの、この奥の山は?」と聞くと、「あ、ここも大丈夫です」。
とのことなので、詳しい手描きの地図のコピーをもらって目指す。
(外国人が「茶畑見たい」と聞きにくるのが多いということで、英語の書き込みが入ってる)

昼過ぎに通った県神社の前を再び通りがかって、角を山の方へ。
長閑な里山っぽくなってきた~。あ、茶畑だぁ。抹茶の茶畑だぁ。
 

そして、さらに坂道を登ったところに七名園の一つ「奥の山園」があった。
 
黒シートの下から覗き込んで、写真を撮ろうとしていたら、子どもの安全監視のボランティアさんが「中入ったら?」
なので、脇から少しだけ入られてもらって

ボランティアさんによれば、今年は春先の低温と少雨で例年よりも生育が2週間ほど遅れているらしい。
知らなかった
自分ではベストと思って設定した日程だったけど、マトモな年ならば覆いは取られた後だったんね
(ちょっと得した気分)
さらには「堀さんちの七名園」だと知る。→こちら
確かに、さっき前を通ったし、こっちの説明で納得できる。
けど、それだけにテキストにもっともらしく書かれているのが理不尽に感じる

茶園も見て満足して宇治駅へ戻り、1つだけ乗って、黄檗で途中下車。
駒蹄影園碑を見物。

これも、昨年の1級で間違った
でも、明恵上人が茶の実を持ち帰る以前の平安時代から茶栽培は粛々と続いていたと講義で聞いたこともあり、
この伝承そのものが納得できひんのだけど
 
茶道を知る上で歴史を知ることも大事だけど、残っている一部や真偽定かでないものをことさら強調して問題にするって、どーなの
って、思うだんよねぇ。

振り向けば、普茶料理で有名な黄檗山万福寺

ここも以前来たことがあるので、パス。
脇の萬松閣の売店で胡麻豆腐だけ買った。帰宅して食べたら、濃厚でけっこー美味しかった。
地方発送もしてるようで。

そんなこんなで日中時間をたっぷり使った宇治の抹茶探訪。
去年は10点の配点中、たったの2点しか取れなかった茶道文化検定の茶業。
今年は満点目指すぞっ

長らくお付き合いくださり、ありがとうございました。
ランキングも投票ヨロシク致しマス
にほんブログ村 その他趣味ブログ 茶の湯・茶道へ
にほんブログ村
 blogram投票ボタン 人気ブログランキングへ人気ブログランキングへ

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 堺・茶の湯フリーク | トップ | 久々に社中稽古 »
最新の画像もっと見る

6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
対鳳庵 (ふくろう)
2011-05-17 18:17:26
随分むかしに対鳳庵に行きました。その時のお点前に使われていた茶杓が「市長の削った茶杓です」って言われ、さすが市営のお茶室に市長の手作り茶杓と関心した事を思い出しました。
15日の葵祭りにあわせ京都を訪ねました。Akatukiさんのブログをみて、ぜひ金魚屋さんにも泊ってみたくて行ってきました。3~4日前に生後5ヶ月のチンチラが住人(?)に加わったそうで、可愛かった。
朝食美味しかったです、お米も自家製なんですってね。高台寺の傘亭・時雨亭は東日本大震災のチャリテイ呈茶として、傘亭の中で頂けて超ラッキー
返信する
情報ありがとうございます (Akatsuki)
2011-05-18 21:19:27
ふくろうさん
葵祭に行かれたのですね
金魚家にも泊まられたそうで
チンチラ、先週ワタシが泊まった時はまだいなかったなぁ。
次が楽しみです。
傘亭情報も有難うございます。
返信する
ご無沙汰です (レイチェル)
2011-05-19 14:39:16
久しぶりのコメントです。
全く検定の勉強をしておらず、焦っている私ですが、拝見しただけで勉強したみたい…
こんな状態なので受けるかどうか悩んでいるのですが、読んで「あ~やっぱり勉強したいし、受けたいなぁ」と思いました。
震災の影響で週2日休業しなくてならず、時間はあるはずなんですが、なぜか時間に追われてます。どうなるのかなぁ検定…他人事になってる…
返信する
お久しぶりです (Akatsuki)
2011-05-19 22:58:14
レイチェルさん
お久しぶりです。
震災の影響があるのですかぁ。
まぁ、検定の勉強って、時間の有無とは関係ないですよねぇ。
応募の時期になれば、また受ける気になるハズ?
頑張りましょー。
返信する
上林 (時流庵)
2011-08-07 21:50:23
宗旦さんの茶杓がガラスケースの中で 干からびて中で蠅が飛んでいてびっくりしましたが・・・・・

ツバメが門の梁のところに巣を作っていましたが、今もつくっているのでしょうか?
返信する
茶杓 (Akatsuki)
2011-08-07 22:12:18
時流庵さん
宗旦の茶杓はよく覚えてませんが、燕の巣はあったような?
まだ、燕が飛んでくる季節でもなかったので。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

泊りがけの旅行」カテゴリの最新記事