Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

秋の京都・茶の湯どっぷりツアー三泊三日( 中日〔なかび〕は着物で京都の月釜へ)

2011年10月14日 00時55分29秒 | 泊りがけの旅行
(初日に戻る)


町家の宿に泊まって、日曜の朝を迎える。
今回は玄関脇の八畳間に宿泊。
町家の構造的には「店の間」と呼ばれるお部屋。
文字通り、通りに面したオープンスペースだった空間。

ここで商品広げて来客と商談とかしたのでしょう。

ちなみに、この部屋に泊まる事で男性ドミトリー以外は全室(宿泊)制覇

「店の間」は今でこそガラス戸と簾で外からは室内がわからないようになっているとはいえ、
一階で北向きだから、日当たり悪く、暗い。
また回りは人の出入りがあるので、話し声も聞こえるし、移動の際の家屋が軋む音も聞こえる。

だけど、今回あえて選んだのは、着付けのため。
キャリーバックを2階に運ぶのは大変だし、着物で急な階段の昇降もハード。
それに、着付け特訓合宿(?)だから、話し声も出るしね
前の晩の練習中には当然、「そこ押さえて」とか「そーそー、いい感じ~
といった会話が飛び交っていて、走り庭を挟んだ受付の女将さんには丸聞こえ

でも、片泊まりのよさで他の宿泊客は帰りが遅かったから、騒音の迷惑はかけなかったようだ。
こちらも疲れて爆睡しちゃったため、午前様で帰ってきた団体客の気配もあまり感じなかったし。

で、朝
6時のアラームで起床。
寝床を隅に寄せ、顔とか洗ってゴソゴソと準備。
先に後輩ちゃんが着るのを見守り、帯のとこをヘルブ。
6:30から着始めて7:00には完成。
スッキリきれいに着られていて、安心した
続いて、自分も着る。
京小紋は型押しじゃなくて、全面手描の京友禅。


8時に朝食をいただき(満室だというのに、食事頼んだ人は少なかったみたい)
予定通り、8時半にお宿を出る。(入り口では撮影会も
金魚家さんの裏手に出て、石畳の通りをまっすぐ南下、今出川通に出れば、そこはバス停
錦林車庫前行きのバスに乗って、終点へ。
女性で美人の運転手さんに道を聞いたら、とても詳しく解りやすく教えてくださった。
教えられた通り、真如堂を目指す。
ワタシ自身は5年前に一度訪れたことはあるのだけど、タクシーだったから道順がよくわからなくて
ちょっとした山登りもあったけど、無事に到着。


鈴声会の月釜に臨時参会させていただいた。
会費は1,200円。毎月第2日曜日に懸けられるのだが、来月は11月6日(日)に変更になるそうです。
ちょうど席が始まったばかりのようで、待合には他にお客様はなく、ゆっくり会記を拝見させていただいた。

ほどなく、お客様がパラパラとおいでになった。席が始まる頃には30名ほどいらっしゃっただろうか。
年齢層もさまざま(お子さんはいらっしゃっらないけど)、少ないけど男性も。
お洋服も着物も。
着物のドレスコードが気になるので、ついチラチラと見てしまう。
ワタシは手描友禅の京小紋に無地の袋帯、後輩ちゃんは薄いピンクの色無地に白染め帯。
まぁまぁ、その場に馴染むチョイスだったと思う
そんなことを考えているうちに20分ほど経って、茶席に通された。
枯山水の「涅槃の庭」が美しい。
 

席主さんは京都の北部からいらした方で、鈴声会のお席持ちは初めてとのこと。
「田舎の秋を持って参りました~」とのお言葉通り、実りの秋の趣向による道具組。
待合は井口海仙さんの画賛、本席は大宗匠の一行物、香合は「柿」、花入は竹「稲束」。
主茶碗は九代の大樋さん、替は細川護煕さん…
後輩ちゃん「1つか2つ、印象に残ったものを覚えておけばいいんですよね

そうでした
確かに、ワタシがそうアドバイスしました、、、ワ。

まず印象に残ったのは花入。会記を見て「稲束 宗春造」とあり、陶器なのか竹なのかが判断つかず。
節が狭い間隔で幾つもついた竹花入だった。
薄く拭き漆を塗ったか、煤竹なのか、それはわからないけれど、確かに稲を束ねたように見える

次は棗。
「薄器 菊蒔絵」と会記にあったので、中継か雪吹を想像していたら棗。
蒔絵の感じからして古そう。
御自宅だったか、ご親戚の御宅だったかにあったものだとか。
宗哲の花押があったので、先代の宗哲さんに鑑定に出したところ、「これは五代のもの」とのこと。
その書付を箱に添えて保管していらっしゃるとのこと。

他は菓子器。会記には「時代」とのみ書いてある。
家にもともとあったので、どこで焼かれたものかも不明だが、古伊万里ではないかとのこと。
実物が拝見に回ってきたので、触れて裏を返してみたが、なんか中国っぽい気もするなぁ。

蓋置は黄交趾。ふくら雀が描かれている。(稲をついばみにきた雀といったところか)
(中村)翠嵐さんの指導で焼かれたものだとか。(席主さんが? ちゃんと聞いてなかった
お茶が一服のみだったのは少し残念だったけど、和気藹々とした中での一服は京都の月釜ならではの醍醐味。
帰りに待合の脇を通ったら、とても混んでいた。

建物を出た後は本堂の前を横切って、オトナリの金戒光明寺の墓地を通り抜けて丸太町通方面へ。
幕末には会津藩が本陣を置いていたため、その関係のお墓もあった。
30分ほどかけて平安神宮の神苑に到着。
「在釜」の札が掛かっているのを確認した上で、600円払って中に入る。
広い苑内を秋の和花を愛でつつ歩いて、茶室「澄心亭(ちょうしんてい)」に到着。

で第2日曜に懸けられている月釜。(←旅行の直前に偶然見つけた
受付で茶券700円を払って、待合になっている小間に案内される。
 
こちらは様々な流派が交替で席持ちをされているようで、今月は織部流扶桑派。
ん?たしか、3年前にテレビで見たゾこちら
あれから、サイトも出来たようで。
武家茶道だ。

畳の上に菓子器以外は道具を直接におかない配慮がされていて、茶碗も低い台に載せられて出される。
お点前も同様。薄器と茶杓もお盆の上に載せて運び出され~。

と、その前に後炭手前を拝見できた。
茶事以外で炭手前をされる茶会も珍しい、、というか皆無に等しい。
その上、他流派の手前を拝見できるなんて 超ラッキーだった
武家茶道だから帛紗も右側についているし、帛紗捌きも全然違う。
続いての薄茶点前も興味深い。
帛紗もリバーシブ?になっていて、茶杓は裏表両方で清めていた。

道具組は床の掛け物は清水寺の森清範貫主の一行物、
主茶碗が祥平(杉田祥平。清閑字窯)の紫色に金で秋草が描かれたきれいな京焼、
薄茶器は表完(川瀬表完。清水寺道にお店あり)で、薄茶は辻利。
と、「清水寺」を中心にした取り合わせていた。
菓子器がイギリス製で金物の上に漆をグラデーションに施していた高杯。
なんとも不思議で味わいがあった。
お菓子の光琳菊の薯蕷饅頭も美味しかった。(小腹が空いていたのを抑えてくれた)

席中はほぼ流派の方々で占められていたようで、“内輪”の会話も興味深かった。
京都の上京区にある流派だそう。
しっかりお稽古されていて、さすが京都。見習わなくちゃ、と思った。

茶室を出た後はぐるっと神苑を散策。

平安神宮を出たのが12時45分くらい。
お昼時だったけど、なんとなく食べる気がしなくって
東大路通に出てバスに乗り、知恩院前で下車し花見小路へ。

祇園界隈、よくテレビのロケに登場する辺りを散歩。

四条通の祇園バス停から西へ向かうバスに乗って、西洞院で下車し、新町通に沿って北上。
和雑貨「くろちく」、おばんざいの百足屋は昔行きたくても辿り着けなかったところ。
少し懐かしいなぁと思った。
そうしているうちに、風情のある町家のお屋敷が
そこは紫織庵

入ってみることにする。
受付で拝観料を払おうとしたら、「着物パスポートをお持ちですか?」
知っていたけど、持ってない
と思っていたら、「ここでも発行できますヨ
それで、500円が300円になった
茶室や蔵もあって、広いお座敷に縁側の大正時代のガラス戸。ステキだった。


紫織庵から大西清右衛門美術館はすぐ近所。☆感想は後日。

さらに丸久小山園の茶房へ。

ちょっと一服~と思いきや、満席に3組もの待ち行列
諦めて、抹茶だけ買う。(そういえば、祇園でも鍵善良房の葛切りを諦めたのだった)

一等賞の「天授」を買いたかったけど、20gで4,200円はねぇ
(でも、6年前に工場見学した時に少し安かったから、社中へのお土産に買ったんだヨ

ちなみに、工場でも見た機械の茶臼がココにも

茶房の抹茶はコレで挽いているとのこと。

堀川通からまたバスに乗って、中立売で下車して楽美術館へ。

ちょうどお茶会の日だった~ でも、展覧会も興味深い企画で堪能
3時半前に入ったのに閉館ぎりぎりの4時半近くまで堪能した。 ☆感想は後日。

一条戻り橋を渡りつつ、「ココに利休さんの像が晒されたんだヨ」。
バスに乗ってもよかったけど、清明神社の前に寄って「ここに利休屋敷があったんだヨ」
と解説して、プラプラ~と西陣の町並みを散策しながら宿に戻った。

後輩ちゃんは自分で着物を着て、歩くのは初めての体験だったそうな。
「着崩れもしなくて、感動しました~」と喜んでいた。

あ、そうか。
4年前から一緒にお茶会へ行く機会は何度かあったけど、言われてみれば洋服だった。
着物は持参して社中の初釜や稽古で着ていたので、和服姿も見慣れていたし。
だから、着物でお茶会巡ることに全く違和感なかったのだけど、お初だったのねぇ
しかも、京都でそれをやっているのだから、確かにすごい

着物を脱いで、宿の風呂で汗を流してサッパリしてから夕食へ。
前の晩は簡単に済ませたから、2日目は京料理をバシッと、、、ネ
そう計画して、早い段階で予約を入れておいた「旬菜 咲や」さん。

今年1月にも来たけど、やっぱり2人でいただく方がより楽しめた
(ちょっとした打ち上げ?)

中日(なかび)も長くなっちゃったねぇ

最終日へ続く


☆旅アーカイブへ

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 秋の京都・茶の湯どっぷりツ... | トップ | 秋の京都・茶の湯どっぷりツ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
店の間 (ふくろう)
2011-10-14 17:54:55
「店の間」って言うのですね。
5月に金魚屋さんに泊まった時このお部屋でした。戸を開ければスグ外に出られそうと試してみたものの、やっぱり開くわけがないですよね。
お湯を沸かそうとコンセントを探してもなかなか見つからず・・女将さんに教えて貰いました。押入れの中じゃなかったかな?(記憶が曖昧)
京都に11月に行くので、いろいろな情報嬉しいです。今回宿泊は「楽座」です。ふくろうなのに祇園のネオン恋しくて
返信する
店の間 (Akatsuki)
2011-10-15 20:13:46
ふくろうさんへ
同じお部屋に泊まったのですねぇ。
今はセキュリティとプライバシーのため、鍵がかかっていますが、昔は夏場は風を通していたのだと思います。
(だから涼しい)
仕方ないとはいえ、残念ですねぇ。
コンセント、確かに押入れの中でした。
ケータイの充電にしか使わなかったので、不自由には感じなかったけど、確かに「あれ?」でしたよねぇ
一人で泊まるにしたら、手元の照明がないので、次に泊まる時はカンテラ持参かなぁと思ってます。
次は楽座ですかぁ。
それも楽しみですね。
ワタシもそろそろ他の宿も~とも思うのですが、臆病なのでなかなか踏み出せません
でも、夏場は他にしようかなと思ってます
返信する

コメントを投稿

泊りがけの旅行」カテゴリの最新記事