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宝塚花組公演 『オーシャンズ11』を観て感じたこと

2013年03月11日 | 宝塚
観劇の感想は驚き!の一言です。
トップコンビ、まあ変われば変わるものですねぇ。(笑)

もともとこの公演は、私たち夫婦にとってはファントム・ショック(笑)が続いていて、いくらオーシャンズでもパスしようと決めていました。

でもヨメさんのリハビリのため「宝塚は原則どの公演も一度は観る(さすがに「仮面の男」はパス!)」としてきた手前(笑)、星のような出来は望むべくもなくても、小池センセーなら観られるようにしているだろう程度の気持ちでチケットをゲット、3月9日11時公演の観劇となりました。

参考までに星バージョンのポスターです↓


幸いこの日も道は空いていて往復とも一部の渋滞以外は順調に走行、10時には大劇場に到着しました。トイレをすませ、お菓子売り場で「フィナンシェ」と「天下もち」(初めてです!)を買ったり昼食用の弁当などをゲットしてから、劇場入り口に並びました。

劇場ロビーはさすがにベルバラのような活気はないものの、チケット売り場前には当日券を求める長蛇の列。1階席はほぼ満席でした。私たちの席は9列20番台センター寄りの通路側という最近まれな良席での観劇でした。

↓これは初演と同じですね


さて、舞台が始まってすぐ気づいたのがトップコンビのびっくりの変わりよう
まず蘭寿とむ。歌がうまくなっていますね!! これまでとは別人といえるほど声が出ているし、尻すぼみにならず最後まで伸びています。
人間、やればできるものですね。最近コンサートをやったりしていますが、そんな特訓の成果でしょうか。
スカステニュース千秋楽のデジカメ撮影映像です


↓ついパンフレットも買ってしまいました ^_^;


これまで私は、「歌や演技力はいくら頑張っても変わらない・変われない」と思っていたのですが、間違っていましたね。
さすがに絶品とまではいえませんが、これまでみたいに話の進行が中断されずに(笑)、舞台に入り込んだままでいられる歌になっていました。ヨメさんも幕間の第一声で「えらいうまくなったねー」と感心しきり。


役作りも、礼音の「ジョージ・クルーニー風」ダニーと違って、蘭寿とむオリジナルの自然な演技のダニーで、星バージョンとは異なる魅力の舞台になっていました。ただ、私が抱くこの人の役のイメージには「生真面目」さが強くて、刑務所に入っていたといっても「それは冤罪じゃないか」と思ったりしてしまいます。(笑)
もうすこし洒脱な遊び人の風情が出ればもっとよくなると思いました。
同じく千秋楽のニュース画像


相方の蘭乃はなも、歌も演技も本当によくなっていて、これまで私が抱いていたイメージは一掃されました。
歌は高い声まできれいに伸びて、劇中「こんなにうまかったかな」と思いながらの観劇でした。
スカステニュース千秋楽のデジカメ映像です


演技も表情が豊か。喜怒哀楽が自然な演技でよく表現されていて、見違えるようでした。
夢咲ねねの若干「水商売が体に馴染んだ」(笑)テスとは違って、いかにもエコな感じがしっくり合っていました。痩せすぎてないのも私的には好感度大幅アップの要素になっていましたね。(笑)

同じく


この作品で、蘭乃はなは少し遅咲きですが娘役トップにふさわしい力を示したと思いました。

公演のフィナーレでトップ二人が踊る場面が、この芝居の出来を象徴していました。二人の息がぴったり合って見ごたえがありました。
とくに私が出色の出来と思ったのは蘭乃はなのダンスです。久々に観る優雅でしかもキレのあるダンスで、蒼乃夕妃の再来かと思える見事なものでした。これだけでも価値がありました。もっと観ていたいと思いました。
同じく千秋楽のニュース画像


私たちが期待していたのは贔屓の北翔海莉のラスティー・ライアン。星の涼紫央の薄い(笑)芝居との対比が楽しみでした。スカイステージの「ミュージックパレット」で歌ウマを改めて痛感していたので、演技も楽しみにしていました(最新の同番組にゲスト出演してうまさを再認識の春風弥里の歌も)。

同じく


でも、ちょっとがっかりでした。前回観た勝海舟と同様、頑張りすぎな感じがします。
ご存知のようにこの人、実に多芸多才で、何をやっても水準が高いのですが、逆にそれらが役になりきるのを阻んでいるのか、いつも一度頭で描いてから役柄を演じているような違和感がありますね。
今回もトップコンビをはじめみんな自然な芝居をしているのに、彼女だけ一人浮いている感じが強かったです。気持ちが自然に台詞になる感じがしないのが残念でした。

ただ、西郷ドンの医者は大ウケでした
開き直ったコメディエンヌぶりをいかんなく発揮して、爆笑を誘っていました。あまりに客席(団体客が多かったのに客席のノリのいいのが不思議でしたが)がウケるので、舞台の共演者も吹き出し、つられて最後は彼女自身も吹いていました。(笑)
この路線で行くのがいいのかも(笑)と思ったぐらいハマっていましたね。

千秋楽のバージョンです


でもさすがに歌は大したものでした。この歌と演技のギャップで専科配属となったのでしょうか。

今回の花バージョンと星との違いを一番感じたのはテリー・ベネディクトですね。

紅ゆずると違って、今回の望海風斗はいかにもマフィアかギャングとつるんでいそうな濃い悪党ぶり(褒めています)で、はまり役でした。エコを売り物にしてあくどく儲ける腹黒い悪党と、商売上手な辣腕実業家という二面がよく出ていました。歌もうまく、聞かせてくれました。
同じく千秋楽のニュース画像


テスへの愛情は本物ですね。
千秋楽のデジカメ撮影映像です

このまま二番手定着となるのでしょうか。

オーシャンズの面々もよくやっていましたが、華形ひかるのヨーヨーは内心ハラハラしました。(笑)

最近顔を覚えたばかりの春風弥里は、いい演技で中堅の演技派になれそうな予感。ただ楽しみにしていた歌が少なく、物足りなかったですね。キャパでは大活躍だったので期待していたのですが。

歌劇団が売り出しに躍起なのがミエミエ(笑)の芹香斗亜のライナス・コールドウェル、目立つ容貌ですが、歌はよく聞いていなかったので(殴)、実力はわかりませんでした。帰途の車中でヨメさんに聞くと「?」な返事でした。
同じく千秋楽のニュース画像

ただ、この役どころ、星でも思ったのですが、こんな大きなヤマなのに、嫌がる初心者の若者を無理に引き込んで大丈夫かと心配してしまいます。観劇しながら前回も不安に思いました。(笑)

娘役で私が気に入った人は花野じゅりあのポーラさん。美人でスタイルがよく北翔海莉が羨ましい。出て来るたびについオペラで追ってしまいました。

印象に残った場面の一つが雑技団の練習風景。一輪車やジャグリングのパフォーマンスは大したもので、特に一輪車は抜群の安定感。これで食べていけそうです。(笑)
いつものことですが、宝塚の生徒たちはいろんなことを器用にやれるものですね。

舞台装置も基本的には前回を踏襲していますが、イリュージョンは「あれ前これあったかな」と思うような装置で、よくできていました。レーザービームでのセキュリティシステムなども前回よりリアルになった感じがしますが、同じものでしょうか。
同じく千秋楽のニュース画像

マルチディスプレイの監視装置もプロジェクタでうまく表現していました。
金庫室に降りるのにワイヤーを使うところでは、実際の昇降に合わせて背景のプロジェクタ画面を同期させて動かし、実際以上の移動距離に見せるところがよくできていました。

今回私たちが観たのが楽近くなのでリラックスしているのか、アドリブも多くて楽しい芝居でした。台本がいいので生徒のノリも違いますね。

チケットを買ったのが遅かったのでココを利用しましたが、運よくリーズナブルな価格でいい席をゆずってもらえてよかったです。おかげで客席降りでは至近距離でトップコンビが駆け抜けるのを見られて幸運でした。

大劇場ではチケットの売れ行きが伸びず心配しましたが、出来栄えは上々、星とはまた違った味わいのある舞台になっていて満足の観劇となりました。なによりトップコンビの長足の進歩が見られたのが収穫でした。

東京公演ではぜひたくさんの方に観劇いただきたいと思います。トップコンビの進化も堪能できておすすめです。




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