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◆札医大にアイヌ民族遺骨 江戸以前の291体 道ウタリ協、慰霊祭など要請【北海道新聞】

2005-05-12 00:00:00 | アイヌ民族関連
◆札医大にアイヌ民族遺骨 江戸以前の291体 道ウタリ協、慰霊祭など要請 2005年5月12日【北海道新聞】 
 人類学の研究資料として、江戸時代以前のアイヌ民族の遺骨二百九十一体が札医大(札幌市中央区)に保管されていることが、十一日までに分かった。道内では、北大が約千体のアイヌ民族の遺骨を構内の納骨堂に安置し、道ウタリ協会が毎年「イチャルパ」(慰霊祭)を開いていることから、同協会は同日、札医大に対し、遺骨保管室の整備やイチャルパの開催について要請した。
 札医大によると、保管されているのは道内全域から出土した十六-十八世紀のアイヌ民族の頭部や胴体の遺骨。同大医学部が一九六○年代から、アイヌ民族の起源などを調査研究する目的で収集を始めた。道路工事などで出土した「行政発掘」によるものが大半で、各自治体の教育委員会から譲り受けるケースが多いという。
 道ウタリ協会は昨年十月、札医大に対し、アイヌ民族の遺骨数や収集目的、保管状況について照会。同大は今年四月、遺骨保管室に二百九十一体の遺骨があり、一体ずつ白木の木箱に入れて保管し、研究目的にのみ利用していると回答した。
 ただ、遺骨保管室にはアイヌ民族のほか、「縄文人」二百七体、「続縄文人」八十九体など四百体を超える遺骨があり、さらに毎年、行政発掘で出土する遺骨を受け入れており、室内が手狭になりつつあるという。
 このため、同協会と同大は十一日午後、事務レベルの協議を行い、保管室を整備していく方針を確認。また、イチャルパを札医大でも開催する方向で協議を進めていくこととした。
 道ウタリ協会の阿部ユポ副理事長は「アイヌ民族の伝統から言えば、本来は埋葬するのが望ましいが、現時点でできる最善の供養を検討したい」と話す。札医大医学部解剖学第二講座の松村博文講師は「管理体制の充実はもちろん、研究成果をアイヌ民族に還元するために講演会なども開きたい」としている。
 北大では、盗掘などによって収集されたアイヌ民族の遺骨約千体が、標本のように陳列されていたずさんな管理実態が発覚したため、八三年に構内に「アイヌ納骨堂」を設置。毎年百人を超すアイヌ民族が集まり、イチャルパを開催している。

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