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登別にノーベル文学賞のクレジオが06年に知里森舎訪問(室蘭民報)

2008-10-11 00:00:00 | アイヌ民族関連
■ 登別にノーベル文学賞のクレジオが06年に知里森舎訪問
【2008年10月11日(土)朝刊】

 フランス人作家、ル・クレジオ氏の2008年ノーベル文学賞受賞が決定したが、同氏は2006年1月に登別市のNPO法人「知里森舎」(横山むつみ理事長)を訪問、知里幸恵の墓にも訪れていた。横山理事長は「クレジオさんは幸恵さんのことでわざわざお目見えになった。記念館に―と色紙や本もいただいたが、受賞の知らせはうれしい限り。おめでとうございます、と言いたい」と祝福を送っている。




 当時クレジオ氏と作家の津島佑子氏が横山宅などを訪れたが、2人の共通のテーマにアイヌがあり、津島氏は「アイヌ神謡集」のフランス語訳を出し、知里幸恵フォーラムの講師としても登別で講演している。

 クレジオ氏は札幌、東京で開かれるシンポジウムの講師として参加するため約40年ぶりに来日。津島氏とともに1月26日登別温泉に1泊し、翌日、知里幸恵の記念館づくりに奔走する北大大学院の小野有五教授とともに富浦町にある幸恵の墓を訪れ献花、冥福を祈った。その後、横山さん宅を訪れ、懇談。アイヌの食材をアレンジしたシト(だんご)などに舌鼓を打っている。

 幸恵の記念館は横山さん宅の敷地内に建設されるが、建設場所を見たクレジオ氏は「彼女のスピリットが満ちている、とても美しい所」と感激の面持ちで語り、「登別のことを心に残しておきます。記念館でまた会いましょう」との言葉を残している。

 横山さんは「風格があって、もの静かな感じ」と当時の印象を語りながら、「クレジオさんが津島さんに勧め、フランス語訳ができあがった。幸恵さんを通してでないと会えない人が知里森舎の庭を訪れる。幸恵さんには人を引き付ける力があるようで、記念館が完成した暁に、また来てくれるとうれしいのですが」と再会を願っていた。
(野崎己代治)

【写真=津島さんとともに横山さん宅を訪れ懇談するクレジオ氏=2006年1月(上)、クレジオ氏が寄贈した直筆の色紙(下)】


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