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訃報:野村義一さん死去 アイヌ新法制定に尽力(毎日新聞)

2008-12-29 00:29:00 | 訃報
訃報:野村義一さん死去 アイヌ新法制定に尽力

92年12月、国連本部で開かれた国際先住民年の開幕式典で演説する野村義一さん=国連広報センター提供 

アイヌ民族差別の根源とされた北海道旧土人保護法の廃止と先住民族の権利確立に尽力した北海道ウタリ協会元理事長、野村義一(のむら・ぎいち)さんが28日、肺炎のため登別市の病院で死去した。94歳。通夜は30日午後6時、葬儀は31日午前9時、胆振管内白老町石山1の8の白老斎場。自宅は同町高砂町1の1。喪主は妻美子(よしこ)さん。

 白老町議を28年務めた後、64年に道ウタリ協会理事長に就任、在任期間は32年に及んだ。1899(明治32)年に制定された北海道旧土人保護法の廃止とそれに代わるアイヌ新法の制定要求を82年に同協会として決議し、道や国への要請活動を粘り強く続けた。

 92年12月にニューヨークの国連本部で開かれた国際先住民年(93年)の開幕式典に世界の先住民族代表の1人として招かれ、「アイヌ民族は日本政府の目には決して存在してはならない民族でした。しかし、私は幽霊ではありません。皆さんの前で今しっかり立っています」と演説。日本にも先住民族が存在することを世界にアピールした。

 こうした運動が実り、97年に北海道旧土人保護法の廃止とアイヌ文化振興法(アイヌ新法)の制定が実現した。しかし、アイヌ民族が悲願としてきた先住民族認定を政府が見送ったため、08年6月に衆参両院でアイヌを先住民族と認定するよう求める決議が行われ、政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」で議論が続けられている。

 北海道アイヌ古式舞踊連合保存会長なども務め、94年に道開発功労賞を受賞した。【千々部一好】

北海道ウタリ協会理事長、加藤忠さん(69)

 子供のころから家族ぐるみで付き合いがあった。アイヌのことは野村さん抜きには語れない。優しさと厳しさを備えた人で、面倒見が良く、貧しい人の会費を立て替えてまで協会員を増やしてくれた。最後に会ったのは今年の夏ごろ。6月の(アイヌを先住民族と認めるよう求める)国会決議の後、入院先の病院に新聞記事の切り抜きを見せに行った。寝たきりだったけど、記事を見てうなずいてくれた。これからアイヌのことがどうなるのか楽しみにしていたと思う。最後まで見届けてほしかった。これからのことが報告できなくて残念です。

毎日新聞 2008年12月29日 0時29分


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