理解できんこの世の中

平和な日本、安全な日本。でも不満がいっぱい。理解しがたいことを考えます。

BSE-米国産牛肉輸入再開は大丈夫?!-米国の実態は?

2005年03月16日 22時48分27秒 | BSE関連
最近、アメリカからの牛肉再開に対する圧力が強まっている。BSE発生から輸入禁止措置になり、検査体制の見直し、SRMの除去、肉骨粉を含んだ飼料給与の禁止を通じて輸入再開に向けた協議にいたっている。
今後、食品安全委員会で”あくまでも”科学的に米国産牛肉の安全性について検証することとなっている。
国内の全頭検査の基準緩和は、やはり納得できないのであるが、これは米国産牛肉輸入再開へ向けた序章でしかない。
アメリカへ目を向けると、
★BSE検査は
「日本の全頭検査や欧州の一定月齢以上の牛全部を対象としたようなBSE検査は実施されておらず、抜き取り検査であるサーベイランスが行われているだけです。2000年以前は累計1万2千頭、2001年に5千頭、2002年以降は年2万頭が検査されていますが、2万頭でも出荷頭数全体の0.06%にすぎません。」
http://www.co-op.or.jp/jccu/Press_Release/Press_040114_01.htm#4
日本の輸入禁止措置が長引き、日本と同様の検査体制を求めると、米国の民間業者はいったん全頭検査を自主検査に行うとした。しかし
「全頭検査など国産牛と同じ基準の適用を求める日本に対し、米農務省はいったん民間業者の自主的全頭検査を認める方向で検討を開始したが、まもなく承認しない立場に転換。逆に日本に検査態勢の見直しを迫っている。しかし、米国内では「民間の努力を政府が妨害するのはおかしい」との大論争に発展しつつある。」
http://www.asyura2.com/0403/gm10/msg/198.html

なんともヾ(*´∀`*)ノ
逆に日本に検査態勢の見直しを迫っているとは、どっちが買い物してるやら。

★SRM除去は
「米国では基本的には特定危険部位の規制はありませんでした。米国農務省は今後以下の部位の食用を禁止するとしています。「先進的食肉回収システム(AMR)」(参照)についても、30ヵ月齢以上の牛の頭蓋骨や脊柱の使用を禁止するということです。これらの対策では30ヵ月齢未満の牛の背根神経節などの危険部位が食品に混入するおそれがあり、好ましくありません。」
しかし、
「危険部位の除去は、30カ月齢以上の牛だけで、その月齢判別は、牛の歯の生え方によるといったもの。30カ月齢未満の牛は、扁桃と、回腸遠位部の除去がされるだけです。ですから、30カ月齢未満の牛の危険部位は、食品への使用も可能となっています。除去された危険部位は、焼却されることはなく、牛以外の豚や鶏などへの飼料向け肉骨粉の材料とされています。
 飼料工場では、牛と豚鶏向けの飼料製造ラインは、区分されておらず、牛向け飼料に危険部位を含む肉骨粉が混入することも可能性として否定できません。
 米国では死亡牛のBSE検査も行われていません。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-03-02/12_01faq.html

更に
ペインター議長の告発文書から
懸念される現場検査官からの報告
1、食肉加工場では、従業員は、すべての動物の頭数と30カ月以上の動物の死体について正確に識別をおこなっていない。その結果、その先の工程では、従業員や政府の担当官は、多数の部位がSRMとして取り除かれるべきことを知ることができない。そして高度に危険な物資が食品供給に入りこんでいる。
2、検査官は、輸出に必要な要件を満たしていない製品を出荷しようとしていることを目撃しても、(止める)行動がとれない。
米政府職員連合労組傘下の食品検査支部全国評議会のペインター議長が米農務省にいわば内部告発しているのである。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-02-18/01_01.html

★給与される飼料については
1997年に牛の肉骨粉を牛に与えることを法律に基づいて禁じたが
「豚や鶏などに牛の肉骨粉を与えることは合法だ。飼料工場や運搬、農家の段階で飼料が混じる可能性があるほか、現在は認められている鶏の食べ残しの牛への給与を通じて「肉骨粉の規制が尻抜けになる」と全米消費者連盟の食品安全専門家、マイケル・ハンセン博士が警告している。
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/special/sp_01/02.html

そして、今日のニュースでは
米会計検査院がこう指摘した。
「牛海綿状脳症(BSE)の発生防止で重要な牛の飼料の検査に「十分な体制を取っていない」と指摘する報告書をまとめていた。FDAは飼料工場など約1万4800施設を検査したものの、いったん検査を受けた施設の2割(約2800施設)は少なくとも5年間、再検査を受けていなかった。GAOは「このうち数百の施設は、潜在的にBSE感染の高いリスクがある」と指摘している。
 さらに、ある飼料工場では、製造工程のミスで約1年にわたり肉骨粉が飼料に混入し、流通していた。工場はFDAの指摘を受け、自主回収したが、FDAは米農務省に事実関係を報告していなかった。
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20050315k0000e010088000c.html

こうした状況の中、日本国内では輸入再開に向け「ここまでなら大丈夫かな」という20カ月齢以下の検査規制撤廃をほぼ決め、米国産牛肉の安全性の検討に入ろうとしている。
もうこれは明らかに輪入解禁に向けた茶番と化しているように思えるのだが。
ところで輸入再開の署名を集めているところがあります。
http://kaikin.jp/
ここでは、「最も重要な安全対策は、SRM(特定危険部位)の除去です」とした上で、米国産牛肉は安全であるとしております。
また、「アメリカ産牛肉を使用したメニューが消えた!」とし、「あのおいしい牛タンを食べるためにもご署名を」ですと。
仮に、現在のシナリオどおり輸入が再開されたしとても、牛タンが輸入再開になるはずありません。
もし、牛タンが輸入再開となった場合は明らかにおかしいんです。
それは、米国産輸入再開の条件は「20カ月齢以下であること」ですが、この判定のためには「肉質検査しかない」のです。「肉質検査」を行うには、牛から皮を剥ぎ、内臓などを取り除いて、骨と肉だけの「枝肉」という状態にしなければなりません。このため、「枝肉」は肉質判定で月齢を判断したということになるのですが(うそみたいな現実)この段階ではもう、どのタンがどの牛のものだったか区別できなくなっているのです。もし、取り除かれた内臓やタンが「この牛のです」と言って来たら明らかに詐欺です。タンや内臓に全部番号を付けて管理するなんて無理だからです。

みなさんの判断はどうですか?
輸入再開の署名運動をしている方々に答えていただきたいですね。
検査体制、SRMの除去、給与飼料。三種の仁義のどれをとっても不十分。どれか実際に現地で確認した方がいるのでしょうか?もしいるなら公的に報告下さい。ことは人に生き死にに関することですから。