目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

熊さんの楽園、森吉山

2017-10-15 | 山行~東北

標高 1454.2m 秋田県

2017年9月21日(木) くもりのちはれ 

メンバー 山の神と私

コースタイム 6:45一ノ腰コース登山口(こめつが山荘前)駐車場7:03--(旧ゲレンデははずして歩く)--8:13勘助道分岐8:20--一ノ腰--雲嶺峠--森吉避難小屋(トイレ休)--9:35阿仁避難小屋のベンチ9:45--10:15森吉山(向岳)山頂10:20--10:47阿仁避難小屋10:57--11:20森吉避難小屋(昼食)12:12--松倉コース--林道--14:50一ノ腰コース登山口

前泊は、テレマーク山荘 森吉山。5:15頃山の神と起きだし、宿の朝食をとる。ありがたいことに5:00台でも朝食を用意してくれるのだ。しかも事前に頼んでおけば昼用のお弁当までOK。でもせっかく早く用意してくれた割には、もたもたして、出発は6:30を回っていた。

 
左:一ノ腰コース登山口(こめつが山荘前)駐車場 右:スキー場跡を横切り森の中へ

6:45こめつが山荘下の一ノ腰コース登山口駐車場に到着。一番乗りだ。この山域は、熊の生息域で早朝と夕方はよく出没するというから、さっそく鈴を出して盛大に鳴らす。すぐ上にある山荘の真っ暗なトイレに入ってから、結局歩き始めたのは、7:03になっていた。先ほどまで晴れ間が見えていたというのに、一転にわかに掻き曇り、あたりは真っ白になっていた。

 
左:朝方までの雨で登山道は沢と化していた 右:六合目。秋到来!

旧森吉・千畑スキー場(2007年閉鎖。国有地のため原状に戻すのが原則で植林されている)のゲレンデを横切り、ガスっていて幽霊が出そうなくらい薄暗い樹林帯を進む。直登コースに入ると、昨日の雨の影響で沢のように水が流れている。

 
2点とも:ブナの巨木が登山道の真ん中や左右にそびえ立っていた

きれいなブナの巨木地帯に入ると、風が出てきて、葉にたまった雨滴を容赦なく吹き飛ばし、山の神と私の頭上に降り注がせる。これはたまらぬと、とりあえずザックカバーだけは付けた。

 
左:晴れ間が覗いた一ノ腰 右:紅葉している樹木もちらほら

しばらく単調な道を歩いて、勘助道分岐でそろそろ休憩にしようと山の神とザックを下した(8:13)。天気が悪いと、気分も今いち盛り上がらない。回復の兆しすらないのは腹立たしい。そろそろ晴れてこないのかとぶつくさいいながら、一ノ腰のピークへと向かう。登り詰めると展望もない地味な場所だった。しかし青空が覗き、晴れてくる予感! 紅葉している樹木もちらほら出てきて秋の気配も。

 
左:真っ青なコケ 右:少し草紅葉になってきた池塘

しかし晴れ間は、束の間で再び太陽は隠れ、なあんだとため息ばかりだ。まったくのぬか喜び。雲嶺峠を越えてまもなく、バイオトイレのある森吉避難小屋に着いた。山の神が小屋に入っている間、冠岩や隣に建てられている森吉神社を見て回る。驚かされたのは神社の扉。何か強い力で歪められていて、開けようとしてもびくともしない。熊の仕業かと、思わずきょろきょろあたりを見回してしまった。

  
左:稚児平 右2点:森吉山山頂。完全にガスに包まれてしまった

阿仁避難小屋横のベンチで休憩をとり、最後のひと登りに入る。私は登山口からずっとTシャツ1枚で登ってきたが、さすがに冷えて鳥肌状態。ここで1枚はおる。やがて、稚児平近辺で前方から単独行の年配者が来た。本日初めて会う登山者だ。

 
左:山頂にあったお地蔵様 右:風が強く長居は無用。下山開始

10:15深いガスに包まれた森吉山山頂に着いた。何も見えないし、しかも風が吹き荒れていて、長居は無用だ。記念撮影して、早々に下山を開始した。

 
2点とも:ガスが急速に流れ出し、目の前の景色が一変する

下り始めると、登山者がけっこう上がってくる。平日なのにこれだけ人が来るのは、人気の山ということなのだろう。その後阿仁避難小屋まで戻り、水分補給。そこから再び下り始めると、単独行の登山者に声をかけられた。先刻一ノ腰でブナの実をバリバリ食べている熊2頭がいましたよ。無謀にも熊鈴もラジオもつけていない若い登山者だった。音を出さずに歩いていると、やはり熊さんに会ってしまうようだ。出会いがしらの遭遇には注意を!

やがてガスが流れ始め、薄日が差してきた。下界が見え始めるとともに、目の前の景色が一気に広がって、気分も晴れてくる。

 
左:冠岩と森吉避難小屋。小屋の後ろから突き出ているのは、森吉神社の屋根 右:避難小屋内で昼食

それでもまだ居座っているどんよりグレー雲はうとましい。「もう少し遅く出発すればよかったかもね」という私の発言に山の神は、即座に否定して、「下山が遅くなるでしょ」。

11:20森吉避難小屋まで戻った。比較的新しく清潔な小屋で、くつろぐにはもってこいだった。宿で作ってもらったお弁当を広げて山の神と昼食にした。


森吉山を振り返る

12:12昼食を終えて、森吉避難小屋を後にする。青空の面積は広がっているものの、まだ雲のほうが多い。森吉山を仰ぎ見ると、山頂に雲はかかっていない。いま山頂にいれば、大展望だったか。

 
左:松倉コースへの分岐 右:松倉コースは荒れ荒れだった

帰路は、上りに使った一ノ腰コースではなく、山の神の勧めで松倉コースをたどることにした。山地図の解説冊子に松倉コースのブナは見事と書かれていたと山の神はいっていたのだが、、、

このコースは、あまり人の手が入っておらず、荒れ放題だった。

 
左:先日の台風の影響か、登山道を塞ぐ倒木(2箇所) 右:下のほうには、ブナの美林

ひどかったのは、先の台風で倒れたのか、巨木が横倒しになっていて登山道を完全に塞ぎ、通せんぼしていたこと。幾重にも折り重なった幹や枝を乗り越えるのは大変だった。ようやく通過して安堵していると、またもや全く同じように倒木が横たわっていた。山の神は顔を歪めながら、だまされたとしきりに主張する。それでもだいぶ下ったころに、ブナの美林が出てきて、ちょっとだけ救われた気分になった。

 
左:林道崩落箇所 右:何げなしに広い左の道へ行って失敗。こめつが山荘は、右だった

砂利が敷かれた林道に出て横移動になると、単調で長く感じる。しばらく行くと崩落個所、さらに進むと通行止めの標示が出てきた。ふうん、このせいで松倉コース側に車を停めて登る人がいないわけか。

山の神と、何気なしにそのまま広い道を歩いて下りに入った。あれ、どんどん下っていくのはおかしいぞと、地図を見直して気づいた。このままでは妖精の森キャンプ場に行ってしまう。さっきの分岐を右に進むのが正解だったのだ。戻るしかないねと下ったところを登り返す。勢いで2時間半以上休みなしでぶっ通しで歩き続け、14:50ようやく駐車場にたどりついた。朝と同じ愛車エスクードがぽつんと1台。上で会った人はもう先に帰っていた。

下山は遅れ、しかも疲労困憊。予定していた、八幡平に移動してテント設営するのはきついなとなって、ビジネスホテル泊に決定した。検索を始めるも、八幡平近く鹿角のビジネスホテルは満室で、どうしようかとああでもない、こうでもないと議論百出。山中で検索スピードが遅くて、じれてきて、とりあえず下界に下りようと車を動かした。結局空いていた大館グリーンホテルに予約をとりチェックインした。

ブナの森と大湿原、八幡平へつづく

コメント
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