燧ヶ岳 標高 2356m 尾瀬沼 1660m 福島県
2017年8月27日(日) 晴れ
メンバー 山の神と私
コースタイム 9:00七入駐車場9:15--10:21休憩10:33--11:17抱坂の滝--11:31休憩11:37--12:10頃 沼山峠(昼食)13:03--14:09長蔵小屋売店14:30--三平下(往復)--15:30尾瀬沼ヒュッテ(泊)
天候不順な今年の8月。ロングコースを歩くには雨が気になる。近場でどこか行こうかと山を物色していたところ、山の神はまだ燧ヶ岳に行ったことがないと主張。日曜・月曜は晴れという天気予報を信じて1泊2日の燧ヶ岳山行に決めた。
前回尾瀬を訪れたときには、御池(みいけ)に車を停めたけれど、何時に着いたのだろうとチェックしてみると、出発4:30くらいで到着は9:15だった。ということは遅くとも9:30までには桧枝岐に着くかと、その時間を起点に計画を立てた。わざわざ過去の記録を参考にしたのは、Googleでルート検索してみたら、予想外に長く時間がかかると表示されたためだ。そういえば、会津に入ると、桧枝岐まで信号がほとんどないんだっけ。そのおかげで実際には早く着くのだ。
左:七入駐車場(キャンプ場側)。トイレは道路はさんだ反対側にある 右:林道を進む
早朝4:40山の神とともに自宅を出発した。東北道に入ると、比較的交通量はあるものの、順調に流れている。大谷PAで朝食をとり、西那須野塩原ICで高速を下りた。塩原に入る直前の交差点にあるセブンイレブンで昼食や行動食の買出し。そこから渓谷を抜け、会津をサクサク進んで、七入(なないり)に到着したのは、まだ9:00だった。ただ9:00とはいえ、駐車場は昨日から停められていると思われる車でびっしりと埋めつくされていて、キャンパーたちでにぎわっていた。支度をして、9:15山の神と七入山荘横の林道を歩き始めた。
左:沢を何度も渡る 右:登山道横には、ブナの巨木も
すぐに沢を渡ることになる。そして沢の左岸を歩いたり、右岸を歩いたりを繰り返す。ブナの美林が続き、気持ちのいい道だ。事前に仕入れた情報どおり人も少なく静かな山歩きを楽しめる。当初山の神は前回同様、御池に車を停めて、沼山峠までシャトルバスで入ろうと提案したのだが、それでは初日の歩行時間が短すぎるし、ブナ林歩きをカットすることになるからつまらない、しっかりと七入から歩こうとしたのは正解だった。
抱坂の滝
10:30頃倒木のところで休憩をとり、さらに進んでいくと、本日初めての登山者に出会った。3頭もの犬を連れて下山してくる3人パーティ。その後同じように犬を連れた登山者たちの団体とすれ違ったが、もともと同じパーティだったのか。みなさん、ツヤツヤの毛並みをした高そうな洋犬をはべらせ、上品そうな方々だった。
道が急になってきた頃、抱坂(だきさか)の滝への分岐が現れた。右へ下って行くと、水量はそれほどでもないが、どーんと目の前に滝が登場した(11:17)。山の神はもっと小さな滝と思っていたようだが、それなりのスケール感で圧倒された。滝を見ながら休憩と思ったら、とてもそんなスペースはなかった。やむなく引き返して、分岐から少し登ったところで2度目の休憩をとった。
左:沼山峠休憩所。パラソルの下で昼食をとった 右:沼山峠からの階段を越えると、木道に
ちょっと急登をよじり、平坦地を進むと、木の間から建物が見えた。あそこだ、あそこだと、山の神と歩みを速め、階段を上がって12:10頃沼山峠に到着した。休憩所のテラスには、バスを待つハイカーたちや、昼食をとっている登山者が数名腰を下ろしていた。ここまで来れば、もう着いたようなものだとしゃべりながら、山の神と私も昼食にしようと、パラソルの一画を陣取り、ザックを下ろした。
そのうち団体の下山組がやって来て、にぎやかになるが、すぐにシャトルバスに吸い込まれて元通りの静寂に包まれた。13:00すぎようやく山の神と私は重い腰を上げ、峠を後にした。
大江湿原から至仏山を望む
しっかり整備された木道を上がり、ピークとなる展望台から今度は下っていくと、目の前がパッと開けて大江湿原。1本道が尾瀬沼へ向かってすっと伸びている。その先には至仏山が小さく三角形の姿を現していた。
右手に燧ヶ岳を見ながら進む
右手には、明日登る燧ヶ岳がくっきりとその稜線を描いていた。
左:サワギキョウ 右:ヤナギラン
大江湿原には、8月末とはいえ、まだまだ花があって、マルバダケブキ、シャジン、サワギキョウ、そして大きなオゼヌマアザミが咲き誇っていた。
左:長蔵小屋の売店。店の前にはウッドデッキ&ベンチが 右:長蔵小屋の窓から顔を出していたクマさん
14:09大江湿原を縦断し、登山者でにぎわう長蔵小屋売店に着いた。さっそく店内を覗いて、私はレモンの輪切りが入ったシャーベットアイス、山の神は冷たい飲み物を購入し、売店前のウッドデッキでクールダウンした。
三平下へ向かう途次、燧ヶ岳を望む
比較的まだ時間があるので、予定どおり三平下まで足を延ばすことにし、14:30長蔵小屋売店を後にした。ぬかるみの道を歩いていると、前からひとり若者が来て、興奮気味に話しかけてきた。「熊がすぐそこにいましたよ。子連れの熊。尾瀬沼とこの道の中間くらいの草むらです」。山の神がえっえ~とひるむものの、木道にいたわけじゃないから、人が行けば逃げるはずと、私は構わずそのまま前進した。山の神は仕方なく私の後ろをついてくる。すぐ後ろを歩いていたパーティは、固まっていたが、私がどんどん行くものだから、だいじょうぶだろうと背後にぴったりくっついて歩き出していた。あまりにも近いので、先に行きますか?と声をかけると、いやあ、どうぞどうぞと遠慮して、先頭を切って進むつもりはない。結局、残念ながらというべきか、幸運というべきか、熊の姿を見かけることはなかった。
三平下で尾瀬沼湖畔に出ると真正面に燧ヶ岳
三平下では、眺望を楽しめると思っていたのだが、樹林帯の中だった。なあんだ戻るかと思いきや、湖畔に出られる道を発見。山の神と小さなボート2艘が置かれた、猫の額ほどの湖畔に出た。満々と水を湛えた尾瀬沼の向こうに存在感たっぷりの燧ヶ岳を仰ぎ見る。ふと足元を見ると、なんの魚かはわからないが、メダカほどの大きさの魚がきびきびと泳ぎ回っていた。魚がいるんだね、尾瀬沼は。
来た道を戻り、15:30本日のお宿、尾瀬沼ヒュッテに到着。さっそく熱い風呂に浸かって疲れをとった。