弁当日記

ADACHIの行動記録です。 
青年海外協力隊で2006年4月からバングラデシュに2年間住んでました。

バングラデシュのニュース(2013/05/28)

2013年05月29日 | バングラデシュのニュース
■見出し(2013年05月28日) No2013-31
〇バングラデシュ 劣悪な労働事情の実態
〇バングラデシュのIT人材「数学的思考に強い」
〇「デジタル・バングラ」IT立国への道
〇バングラデシュで縫製工場の事故相次ぐ 政府の対策は有効か?
〇バングラデシュの安全基準協定に参加せず=ファーストリテイリング
〇イベント:輝けアジア、羽ばたけアジア  ”Shine & Fly , Asia !” 
〇イベント:藤岡みなみら、学生にバングラデシュのリアル伝える
〇イベント:世界を変えるタネの物語-See-D Contest適正技術展示会関連セミナーVol.3-
〇TV放送:テレビ朝日「世界の車窓から」

■バングラデシュ 劣悪な労働事情の実態
 http://www.nhk.or.jp/worldwave/marugoto/2013/05/0513m.html
 (NHKワールド 2013年5月13日)

※テレビ放送の内容を文字化したものです。

「ファストファッション」と呼ばれる衣料品チェーンが、世界で市場を拡大しています。

魅力はデザイン性。
そして何よりも価格の安さです。
今、製品の生産拠点に変化が起きています。
賃金が上昇を続ける中国から、中国以外の新興国へ工場進出が加速しています。

中でも、バングラデシュは、「ファストファッション」のメーカーが、安い労働力を求
めて続々と進出。
「世界のアパレル工場」とも呼ばれるようになりました。
しかし、縫製工場では火災や事故が相次いでいます。
先月(4月)には、工場などが入ったビルが崩落し、1,000人以上が死亡しました。

同時に明らかになったのは、劣悪な労働環境。
労働者らが安全の確保を求めて、激しい抗議活動を行いました。
目覚ましい経済成長の裏で、何が起きているのか。
バングラデシュの現状と行方に迫ります。

野田
「バングラデシュのビル崩壊事故で明るみになった劣悪な労働環境。
その責任は、危険と知りながら、工場で働かせた工場長だけにあるのでしょうか?
利益を追い求める発注側の企業、さらには漫然と安い商品を購入する私たち消費者にも
責任があるのではないか。
国際的に議論を呼んでいます。
ゲストをご紹介します。
バングラデシュに詳しい恵泉女学園大学の大橋正明(おおはし・まさあき)教授です。

宜しくお願い致します。
大橋先生、長年バングラデシュを見てこられたということですけれども、この国の変化、
どのように感じられていますか?」

恵泉女学園大学 大橋正明教授
「急速にすごい変化をしていると思います。
私は1978年にNGOの仕事でバングラデシュに初めて行きました。
その時にはダッカの街の中を走っている車は本当に数えられたんですね。
本当に緑の多い小さな街でした。
そのときは、ほとんどビルなんてのはなかったんですが、今はもう高層ビルや低いビル
が建ち並んでいて、人口も、私が訪れた頃は大体全部で300万人ぐらいだったのが、
今は1,500万人ぐらいって言われています。
すごい大きなスラムが広がってますし、ビルが乱立をしています。
交通渋滞が日常茶飯事になっているというような状態です。」

野田
「大橋さんに詳しくお話を伺う前に、簡単にバングラデシュについて、徳住さんから説
明してもらいます。」

徳住
「バングラデシュの場所なんですが、こちら。
インド北東部とミャンマーの間に位置しています。
1971年にパキスタンから独立しました。
国土は14万4,000平方キロメートル。
ちょうど、北海道と東北6県を合わせたぐらいの大きさです。
そこに暮らす国民は、日本よりも2,000万人多い、およそ1億5,000万人で、人
口密度は日本の3倍です。
国民の8割が、1日の収入2ドル以下という貧困層で占められています。
また、国民のおよそ90%が穏健なイスラム教徒です。
独立後、日本から積極的な支援を受けたことなどから、世界一の親日国とも言われてい
ます。

一方、経済面を見てみますと、この5年間のGDPの成長率は、6%以上で推移してま
す。
GDPの20%近くを占める農業は低迷しているんですが、輸出の80%を占める縫製
業が原動力になっています。」

<経済成長の原動力 アパレル産業>

野田
「高い経済成長率を支えているのが、アパレル産業ということですけれども、バングラ
デシュのこのアパレル産業というのは、歴史的に古くからあるものなんですか?」

恵泉女学園大学 大橋正明教授
「バングラデシュは元インドの一部ですけれども、18世紀にイギリスによって植民地
化されるころ、ちょうどそのころ『ダッカモスリン』という有名なブランド名がありま
して、非常に細い糸で織った、すごい手間暇のかかった布地がありまして、いわゆるシ
ースルーみたいな感じなんですね。
それは世界で『最高級の織物』だっていうふうに珍重、ヨーロッパなんかでされてたと
いう記録が残っています。
ただそのころ、イギリスで産業革命が起こりましたので、イギリスでの綿製品というの
が大量に作られて、イギリスの植民地だったインドはそれのマーケットになるというこ
とで、地元の産業を潰されたという悲しい歴史はあるんですけれども、1971年にバ
ングラデシュが独立して、しばらくは混乱が続いていましたけれども、80年ぐらいか
ら欧米を市場にした、こういう衣料品の産業というのが徐々に徐々に増えてきた。
そうした工場の中には、韓国とか台湾といったところの資本とか技術者の方も結構増え
てきたんですね。
だから私たちは顔がよく似てますから、韓国人とよく呼ばれてきてました。」

野田
「私もベトナムに駐在していたときに、このチャイナ+1の動きを取材したんですけれ
ども、中国から生産拠点をさらにベトナムに、そしてその先といった場合にやっぱりバ
ングラデシュとかカンボジア、ラオス、ミャンマーあたりの名前が挙がってくるような
んですけれども、バングラデシュの生産拠点としての特徴というのはどんなものがある
んでしょうか?」


恵泉女学園大学 大橋正明教授
「バングラデシュの衣料品製造輸出協会というところが図を作ってくれてるんですけれ
ども、90年代から急速に衣料品の工場が増加をしています。
この他にニット工場はまた別にあるんですけれども、最近ではバングラデシュの輸出の
80%をこういった衣料品やニット製品が占めていて、さきほどもありましたが、中国
に次ぐ世界の製造工場になっています。
この一番大きな特徴というのは、女性が働く場所を作った、提供したということで、4
00万人ぐらいの人たちの雇用を生んでるんだと思います。
主な輸出先は伝統的には欧米、今でもそうです。
日本の企業は、他国と比べると少し出遅れた感じはしますが、それでも数年前から数社
が進出していて、現地企業に注文を出してるというかたちで日本に送られています。
バングラデシュの対日輸出の大半が今は衣料製品となっています。
日本での安い製品というのは、冒頭にありましたけども、これを提供してるんだという
ふうに考えています。
さらに、中国での情勢というのが、いろんな意味で好ましくなくなってきていますので、
そこで今おっしゃったように、今後の移動先としてミャンマーもあるでしょうし、バン
グラデシュというのも注目されています。
実際この衣料品工場で働いている女性たちの給料って4,000円ぐらいなんですね。
本当に慎ましい生活をして。
(月額?)はい、そうです。
それで何人も一緒に狭い部屋で生活して、慎ましい生活をしています。
だから、そういう意味では飛びぬけて安いし、しかも真面目によく働く人たちというこ
とで注目をされていると思います。」

野田
「バングラデシュの工場で事故が相次いでいますけれども、その裏には何があるのか。

それを探るべくイギリスBBCが潜入取材しました。
そのリポートをご覧下さい。」

<バングラデシュ 縫製工場の実態>
首都ダッカには、安全面や労働条件が劣悪な工場がひしめいています。
コスト削減の為に、多くの工場が下請けに出しているのは公然の秘密ですが、確認は困
難です。
しかし、我々はダッカで多くの下請け工場の実態を突き止めました。
中にはイギリスと取り引きをしている工場もあります。
取材するには、隠しカメラでの撮影しかありません。
その為、地元のビジネスマンを装ったスタッフを派遣しました。
非常口は1つしかありません。
消火器具はバケツに入れた砂だけです。
作業場では、子供たちが違法に働かされていました。


小さな事務所で、労働条件の向上と労働者の権利の為に活動するアクタさん。
これは危険な仕事です。
去年(2012年)メンバーの1人が殺されましたが、犯人は捕まっていません。
アクタさんは、工場の実態に目をつむる西側の企業も共犯者だと言います。

人権活動家 ナズマ・アクタさん
「西側の企業は寝たふりをしていますが、決して寝てはいません。
知らないふりをしているだけで、そうさせない事が重要です。
彼らは常に発注額を下げて、有利に取り引きをしようとしています。」


工場側にも改善する点はあります。
政府の防火設備の点検に同行しました。
ここでもイギリス向けの製品が作られています。
火災報知機の点検です。
作動しません。
事もあろうに、中の電池が、まだ包装されたままでした。
線路脇にも人が溢れるほど、人口が多いバングラデシュには、アパレル業界がもたらす
仕事が欠かせません。
政府は、労働環境の向上と劣悪な工場閉鎖を約束。
そして西側企業には、過剰な圧力をかけないよう求めています。


バングラデシュ カデル商業相
「もし企業が人権を守りたいと考えるのなら、まず尊重して欲しいのは、労働者の生活
や生き延びる権利です。
そして労働に見あった賃金です。」



しかし、受注額の増えた分が、最も必要な人たちに届くかどうか分かりません。

<相次ぐ工場の事故 その背景とは?>

野田
「今のリポートの工場は先月の事故とは別の工場なんですけれども、縫製工場での事故
ですとか、児童労働などの違法行為というのは、現地で見られていて感じることという
のはありますか?」

恵泉女学園大学 大橋正明教授
「火災は特にここ何年間か話題になっています。
縫製工場は、見てもおわかりの通り、燃えやすいものがたくさんありますので、一旦火
がつくと火の回りが早いし、有毒ガスも出たりします。
しかも、セキュリティの関係で入口が狭かったり、閉じられたりするので、簡単に労働
者の人たちが逃げられないということで火災対策がすごく大きな課題になってます。
昨年12月にもある工場で120人が死傷するということで、大変大きな問題になった
と思います。
政府も指示は出してるんですけれども、なかなかそれが守られないということが一番大
きな問題です。
建物を見て回っても、すごく小さな細い柱と薄い床のところにそういう工場が入ってい
る。
私は建築の素人ですけど、こんなところで本当に大丈夫なのかなというところにいろん
な大きな機械が入っていて、今回の崩落事故にもつながったし、火災にもそういうふう
に備えられていないというふうに思っています。」

野田
「政府が言っても守られないというのは、どういう背景があるんですか?」


恵泉女学園大学 大橋正明教授
「今回の事故もきちっと建築許可を取ってなかったというふうに報道が出ています。
しかも、この建物の所有者というのは政治的な有力者であるが故に、多分、行政の担当
者をいろんなかたちで巻き込んで誤魔化してったんだろうというふうに思います。
こうした政治家や行政の担当者がまだきちっと仕事ができていない、自分たちの責任を
理解してないことが一番大きな問題だと思っています。」


野田
「そういうのが背景にあってということなんでしょうけれども、政治といいますと、先
日50万人の大規模デモがバングラデシュでは起きています。
政治もかなり不安定になってきているという印象ですが、いかがでしょうか?」

恵泉女学園大学 大橋正明教授
「背景にはいろいろあるんですけれども、来年(2014年)の1月ごろに予定されて
る総選挙のためにですね、ここしばらくは政治的に不安定な状況が続くだろうと。
そういう意味ではなかなか政治にすごく期待することはできないところがあるんじゃな
いかなと思っています。」

<問われる企業の責任と対策>
野田
「最後に、バングラデシュ側だけではなくて、西側の発注している企業の責任、さらに
は消費者の責任もあるんじゃないかという声も出てきていますけれども、この点につい
て大橋先生、どのように考えられますか?」


恵泉女学園大学 大橋正明教授
「今回の事故の直接の責任者は、とにかく法令を無視したビルの所有者や工場の経営者
だろうというふうに思っています。
彼らがやっぱりそういうことを無視して、大きな所得を得て贅沢な生活を送っています。

政府はやっぱりきちっとしたチェックを行うべきであります。
経営者は自分たちの取り分を減らしてですね、それでそういうチェックに十分に応えれ
るような労働者の安全を守る設備投資とか労働基準を守ったかたちにすべきだろうとい
うふうに思っています。
私たちが買う企業ですね、日本の企業とか西側の企業っていうのは、やっぱりそういう
ことをちゃんとチェックしてるっていうことをチェックしないといけない。
私が知ってるスポーツメーカーはやっぱり、そういうことをきちっと守ってですね、サ
プライチェーンの末端まできちっとチェックして、そういう問題をなくしたっていう例
を知っていますので、やれなくはない、ただ大変な仕事ですけど。
それをやっぱり後押しするのは、私たち、消費者だと思ってます。
チェックが行われてるかどうかっていうことを、ちゃんとわかるようなかたちで見て、
そういうものの商品を買う。
そうでなくて、ただバングラデシュの買うのを控えてしまうと、バングラデシュの労働
者はますます苦しんでしまうと思っています。」



■バングラデシュのIT人材「数学的思考に強い」
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130510/476053/?top_tl1
 (日経ITPro 2013年05月24日)

 バングラデシュには五つの国立工科大学がある。その中の一つが、2003年創立のダッ
カ工科大学だ。同校のコンピュータサイエンス&エンジニアリング学部で責任者を務め
るナシム・アクター学部長は、「バングラデシュIT人材の能力はインドに負けない。一
方で性格はいたって真面目だ」と話す。バングラデシュのIT教育施策や人材の特徴など
について話を聞いた。(聞き手は岡部一詩=日経コンピュータ)

◆バングラデシュのIT教育事情を教えてほしい。

 バングラデシュには、五つの有名な国立工科大学がある。ダッカ工科大学(写真1)の
ほか、バングラデシュ工科大、クルナ工科大学、チッタゴン工科大、ラジシャヒ工科大
だ。これらの国立大学の学費は無償、学生に宿泊施設なども提供している。

 その分、競争は激しい。当校のコンピュータサイエンス&エンジニアリング学部の定
員は60名だが、3000人の応募がある状態。昨今は私立の工科系大学も増えているが、富
裕層に限られてしまうという課題がある。当校は政府に対して、定員を120名に増やした
いという要望を出しているところだ。

◆学生はどういった技術を学ぶのか。

基本的な技術として、C言語やC++、Javaなどのプログラミング言語、ネットワーク関係
ではTCP/IPなどの基礎を教えている。ただしこれだけでは、実践的な業務にはあたれな
い。

 そこでアドバンスドコースというものを設け、PHPやAndroidといったWebやスマホ向け
のプログラミング言語やCisco、Oracleなど企業でよく使われている技術を、2週間から
2カ月で教えている。

◆卒業生の主な就職先は。

 60人の卒業生のうち、2~3人が米国企業に就職する。そのほかは、国内のITベンダー
や金融・通信関連企業が半分、中東などの企業に就職する学生が残りの半分といった具
合だ。最近では、米グーグルがリクルーティングに来た。

◆バングラデシュのIT人材の強みは。

プログラミングスキルには、数学的な能力が欠かせない。我々はインド人の中でも特に
数学的思考に強いとされるベンガル人と同じ民族。バングラデシュの人材は数学に強く、
ITに関しても高い能力を持っている。

 英語も使いこなせる。話し言葉ではインドやフィリピンには適わないが、理解力に関
しては見劣りしない。失業率が高いという点も有利に作用する。人材を獲得しやすいか
らだ。

◆昨今、注目を集めているミャンマーと比較するとどうか。

 政治の面で違いがある。バングラデシュは以前から民主主義を採っており、契約関係
の法律も整備されている。取引先として信頼できるはずだ。海外で活躍するIT人材も多
い。ミャンマーに比べて、アウトソーシング先としての環境が整っている。

◆バングラデシュ企業へのアウトソーシングや人材活用で注意すべき点は。

 大学で教えるのはベーシックなスキルまで。バングラデシュ国内の企業が手掛ける開
発プロジェクトも、小規模なものしかない。海外の大型開発案件にあたるには、それな
りの経験が必要になることは注意しなければならない。例えば大規模案件では、1人の技
術者が担当するのは一部の工程のみ。他の工程とのインターフェースを整合させる必要
があるが、国内のIT人材はこのようなプロジェクトの進め方を経験している者が少ない。

 ただし基礎的な内容に関してはしっかりと勉強しており、レベルも高い。6カ月も実務
経験を積めば、十分に海外向けのプロジェクトもこなすことができると考える。

 バングラデシュのIT人材は、要求に対して非常に真摯に対応する。性格も真面目だ。
日本企業とも、良好な関係を築けるはずだ。



■「デジタル・バングラ」IT立国への道
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130510/476052/
 (日経ITPro 2013年05月23日)

バングラデシュはアジア最貧国の一つとされる(写真1)。だが経済は好調だ。2009年度
は5.7%、2010年度は6.7%と安定的な経済成長率を維持しており、BRICsに次ぐ「ネクス
ト11」の一つにも数えられている。現政権は「ビジョン2021」政策を掲げ、独立50周年
にあたる2021年までに中所得国となることを目指す。
 好調な経済を支えるのは、輸出の8割を占める衣料品。ただし、ビジョン2021の達成に
向けた成長エンジンの主役はITだ。「デジタル・バングラデシュ」の号令の下、国内の
ICT基盤を整備すると共に、IT産業を縫製業に次ぐ輸出産業に育て上げ、IT立国を目指し
ている。

◆政府施策を支えるPPPモデル

 デジタル・バングラデシュには、大きく三つの目標がある。「行政サービスの電子化」
、「ICTインフラの整備」、「IT集積地の建設」である。これらの施策は政府が旗振り役
として進めるものの、政府に十分な予算はない。そこでカギとなるのが、民間企業の参
加を前提としたPPP(官民連携)モデルだ。

 PPPモデルの典型が、首都ダッカの北に位置するカリアクールのハイテクパーク建設で
ある。232エーカーの広大な土地に、ハードウエア関連工場やエレクトロニクス、医療、
IT分野のハイテク企業を誘致する。2015年までの完成をめざし、マレーシアの企業と国
内3社がデベロッパーとして開発計画を立案中だ。米国、日本、韓国などの企業から100
億円以上の投資を見込む。

 ところが同ハイテクパークの建設にあたって、政府は費用を負担しない。海外企業誘
致のための土地の提供と、税制優遇施策の立案を担当する。一方、民間企業はデベロッ
パーとして、政府が提供する土地を競売で落札する。そのうえで工場やビルを建設し、
海外企業にリースするわけだ。政府は1円の支出もすることなく、海外企業を呼び込み、
経済成長の促進につなげられる。

 ICTインフラの整備についても同様だ。政府は4500あるユニオン(行政区域の単位で、
平均約25キロ平方メートル)の全てに、インターネット環境を導入する計画を立てる。
既存の役所や新設する出張所にパソコンなどを設置し、近隣の住民が利用できるように
する。ただし全てを政府施策として進めるのではなく、各地域の地主にビジネスとして
同施策に参加してもらう構想もあるという。

 もちろん全ての施策で、政府支出がないわけではない。例えばクルナ管区ジョショー
ルで進めるITパークの建設については、4億8000万円の政府予算がついている。チッタゴ
ンにおける同様の案件でも1億円の支出を見込んでいる。とはいえ、政府が予算を確保す
るのは簡単ではない上、時間がかかる。デジタル・バングラデシュ構想を効率的かつ早
急に実現するために、PPPモデルは欠かせない手段だ。

◆盛り上がり見せる民間IT

 バングラデシュのIT産業は、2008年からの2年間で50%近く成長した。300以上のIT企
業が加盟する、同国のIT業界団体であるBASISのファヒム・マシュロアプレジデントは、
「5年後には10億ドル規模を目指す」と意気込む(写真2)。

 民間レベルでもIT産業は、盛り上がりの機運を見せている。同国では、繊維産業やそ
の他の産業で蓄えた資金を使ってIT事業を始めるケースが多いという。その好例が同国
の大手建設会社である「ミル」だ。

 同社は2010年にIT子会社を設立した。技術者は約20人、開発受託や自社アプリの製作
を手掛ける。開発受託では、国内最大手の通信事業者である「グラミーフォン」やモバ
イル金融サービスの「bKash」を顧客に持つ。自社製アプリの領域では、スマホ向けアプ
リを99セントの価格で3本リリースし、合計で2万ダウンロードを達成するなど好調だと
いう。
 IT子会社の売上高は現在は数千万円程度だが、5年後には2~3億円まで増やし、技術者
も200人規模に拡大する目標を掲げる。「10年後には、私はITだけに専念したい」と、ミ
ルのシャマイ・ザイールCOO(最高執行責任者)は笑みを浮かべる(写真3)

動き出す海外勢

 バングラデシュにおけるIT分野の成長を見込み、既に動き出している国もある。例え
ばオランダ政府はBASISに働きかけ、バングラデシュのIT企業とのマッチメイキングのイ
ベントを開催した。海外からは、オランダをはじめとして英国やデンマークなど13社が
参加したという。

 韓国も積極的だ。韓国国際協力団(KOICA)は、バングラデシュでトップの技術系大学
である、「バングラデシュ工科大学」に、ハードウエアやITに関するトレーニングコー
スを提供している。民間レベルでも、サムスン電子がバングラデシュの大学で100人以上
のプログラマーを雇用したという。

 日本も指をくわえて見ているわけではない。国際協力機構(JICA)は、バングラデシュ
にスキル標準の導入プロジェクトを進めている。バングラデシュ国内で日本のスキル標
準が普及すれば、日系企業は技術者のスキルレベルを判断しやすくなる。

 BASISのマシュロアプレジデントによると、オフショア開発の相手先として日本は現在
4番手、全体に占める割合は5%程度だという。マシュロアプレジデントは、「5年後には
日本との取引額を全体の10%程度に増やしたい」と語る。

 バングラデシュがIT立国としての地位を確立すれば、海外勢からのラブコールはさら
に増すだろう。その際に日本が有利な立場を構築できているかは、今にかかっている。



■バングラデシュで縫製工場の事故相次ぐ 政府の対策は有効か?
 http://news.mynavi.jp/c_cobs/news/newsphere/2013/05/post-416.html
 (マイナビニュース 2013年05月11日)

「世界第二の縫製工場」バングラデシュで、政府が18の縫製工場に対し、安全対策に違
反していることを理由として、一時的な閉鎖を命じた。政府は、国内の縫製工場5000箇
所、すべてを改めて査察する、「皮切り」であると意気込み、工場の持ち主に対し、工
場で働く労働者に、閉鎖している期間中の賃金を払い続けるよう命じたという。

 こうした動きは、先月24日、バングラデシュの首都ダッカ近郊で、縫製工場が入る8階
建ての建物が崩落した事故により、海外の小売業者や国内の労働団体からの抗議が噴出
したためと見られている。崩落事故による死者数はついに1000人を超え、同国史上最悪
の産業事故となった。

 さらに9日未明にも、最新の縫製工場で火災が起き、8人が犠牲となった。ただしこの
火災は、問題となっている建築上の安全基準違反があったわけではなく、アクリル製品
の燃焼によるガスの発生が窒息原因となった不幸な事故だと伝えられている。とはいえ、
同国の縫製業へのさらなる打撃となったのは間違いないという。

【悪者は誰だ-政府か、業者か、海外企業か?】
 バングラデシュでは、この種の事故が起こるたびに、対策の必要性が叫ばれてきた。
安全対策を怠る工場主はもちろんのこと、規制を厳格化しない政府への怒りもきこえる。

 さらに、工場主がきちんと対策が取れるように、海外の小売企業に対して正当な卸値
の支払いを求める声も大きいという。加えて、海外小売企業が、そもそも危険な操業状
態にある工場に発注することも、しばしば非難されてきた。

【大手企業の工場も閉鎖】
 バングラデシュ政府は、18の工場閉鎖についての詳細は明かさなかった。ただしウォ
ール・ストリート・ジャーナル紙が労働省の文書を閲覧したところ、18中15の工場は中
小企業の所有だったが、残る3工場は、同国ナッサ・グループ所属だと明記されていたと
報じられた。
 ナッサ・グループは衣料メーカー最大手であるだけではなく、金融、建設、農業の各
分野にも進出しているバングラデシュ最大級の企業。同グループのナズルル・イスラム
・マズムデル会長は、数多くの役職に就いており、バングラデシュ銀行協会の会長も務
めている。
 しかも、労働省の査察担当者は、同グループ所有の3工場が閉鎖された理由を、「明ら
かな亀裂があるため」としており、「修復不可能で移転すべきだ」と述べているという。
なお、ナッサ・グループのコメントは得られていない。

 同グループは、ウォルマート、シアーズなど、米大手小売業者に製品を納入していた。
ウォルマートは同グループの工場閉鎖についてはコメントせず、シアーズは構造上の問
題があったことを知らなかったと述べているという。
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、このような大手企業が所有する工場ですら
閉鎖を免れないことが、同国縫製業界の問題の根の深さを物語っており、取引を望む海
外の企業にとっての難しさであることを示唆している。

 過去10年間、バングラデシュでは、何十件もの工場火災などの事故が起こり、何千人
もの死傷者が出ている。しかし、裁判所で有罪となった工場所有者は1人もいない。政府
の取り組みが、こうした悲惨な事故に歯止めをかけるきっかけになりうるのかが注目さ
れる。



■バングラデシュの安全基準協定に参加せず=ファーストリテイリング
 http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323625804578509940063150504.html
 (ウォール・ストリート・ジャーナル 2013年05月28日)

【東京】バングラデシュのダッカ郊外で4月に衣料工場が入居したビルが倒壊し多数の犠
牲者を出した事故を受けて、途上国にある国際衣料メーカーの提携先工場での労働慣行
に批判的な目が注がれている。

 そうした中で、「ユニクロ」ブランドを展開するカジュアル衣料大手ファーストリテ
イリング は、バングラデシュで策定が進められている法的拘束力のある労働環境安全協
定に当面参加せず、独自に自社提携先工場の災害訓練や建物検査を強化する方針を示し
た。

 ただ、同社は、協定の実施計画がまとめられれば参加する可能性を残している。ファ
ーストリテイリングは、売上高ベースでアジア最大、世界では第4位の衣料小売業者で、
2020年までにカジュアル衣料ブランド首位になることを目指している。

 アジア各地の衣料工場では事故が増加しており、これらの工場に生産を委託する西側
の衣料メーカーの対応が非政府機関(NGO)や人権保護団体から問題視にされるようにな
っている。

 特にダッカ郊外のビル倒壊事故を受けて、途上国の低コスト労働者に対する安全基準
を改善するよう、衣料ブランド各社に求める声が強まっている。このため、ファースト
リテイリングのライバルであるスウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)や
スペインのインディテックスは5月に入り、法的拘束力を持った火災や建物の安全協定に
署名する意向を表明した。同協定には、欧州の小売業者を中心に30社超が支持を明らか
にしている。

 一方ファーストリテイリングは米小売り大手のウォルマートやシアーズ・ホールティ
ングス、JCペニー などとともに協定に参加しない方針を示すなど、世界の小売業界の
対応は二分されている。米衣料大手ギャップも現在のところ参加しない意向で、その代
わり法的拘束力をなくし安全協定を順守しなかった企業を除名する修正案を提示してい
る。

 ファーストリテイリングは、火災・災害訓練の強化など独自の安全改善計画を策定す
る方針を明らかにした。社会的責任(CSR)グループを統括する新田幸弘グループ執行役
員は、ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、同社がまず、自分たち
が今できることに集中したい意向だと述べ、日本企業に依頼してバングラデシュの提携
先工場の建物検査を強化する計画を示した。

 その一方で新田氏は、H&Mなど協定署名各社が目標達成の方法で合意し、各種措置に
実効性があると判断されれば、協定に参加する可能性があるとも述べた。

 これに対し、人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」アジア部門のフィル・ロバー
トソン副部長は「ユニクロが協定に参加しないのは極めて近視眼的だ。途上国の労働問
題は組織的に解決する必要があり、1企業やそのサプライチェーンの問題ではない」と述
べ、ファーストリテイリングの対応を批判した。



■イベント:輝けアジア、羽ばたけアジア  ”Shine & Fly , Asia !” 
 http://www.psj.or.jp/gekkan/schedule/kikaku2013-2.html
 (公益社団法人 日本写真協会 2013年5月17日~)

 東京写真月間では2004年より近隣アジアと写真を通じた国際親善と文化交流を目的に
「アジアの写真家たち」シリーズを創設し、現在に至るまでの9年間9カ国の約170名の写
真家が参加して、日本国内ではもとより、海外でも素晴らしい写真フェスティバルとし
ての実績をあげることが出来ました。
写真展に参加した国は初年度がバングラデシュ、以後、翌年からウズベキスタン(2005年)
、ベトナム(2006年)、インド(2007年)、シンガポール(2008年)、マレーシア(2009年)、
タイ(2010年)、インドネシア(2011年)、及びフィリピン(2012)の9カ国を代表する写真
家の写真を展示し、写真を通じた交流に大きく貢献して来ました。
「アジアの写真家たち」は今年で創設以来、10周年の節目の年を迎えることから、「ア
ジアの写真家たち10周年記念特別展-輝けアジア、羽ばたけアジア」を開催します。参
加する国は過去参加したバングラデシュ、ベトナム、インド、マレーシア、4カ国で、合
計31名の写真家によるグループ展を都内4か所のギャラリーで開催します。
参加する写真家は世界的にも著名な写真家が勢ぞろいしました。
展示される写真はその国の社会スナップフォトを含むドキュメンタリーフォト、ピクト
リアズムの印象が強いランドスケープフォトや独得のアートフォト等 個性豊かな写真
展ご期待ください。

◆“Shine & Fly, Asia!-”Section 1”
 Swapan Nayak (INDIA) / Hoang Nhiem (VIETNAM) / Alex Moh (MALAYSIA)
 Shahidul Alam (BANGLADESH) / Mohammand Anisul Hoque (BANGLADESH)
 オープンギャラリー(キヤノンSタワー2F) / 港区港南2-16-6 キヤノンSタ
ワー
 2013年5月17日(金)~6月13日(木)  10:00~17:30 日・祝日休館

◆“Shine & Fly, Asia! -Section 2”
 Amit Mehera (INDIA) / Lim Thian Leong (MALAYSIA)
 Sarker Protick (BANGLADESH) / Huynh Van Nam (VIETNAM)
 銀座ニコンサロン / 中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA1F
 2013年5月22日(水)~6月4日(火)  10:30~18:30(最終日15:00まで)

◆“Shine & Fly, Asia! -Section 3”
 Suvendu Chatterjee (INDIA) / Soumitra Datta (INDIA)
 Munem Wasif (BANGLADESH)  / Ba Han (VIETNAM)
 ギャラリーコスモス / 目黒区下目黒3-1-22谷本ヒ゛ル2F
 2013年5月28日(火)~6月9日(日)  11:00~18:30 (最終日16:30まで) 月・休

 6月1日(16:00~)ギャラリートーク含む交流会開催

◆“Shine & Fly, Asia! -Section 4”
 Nguyen Phu Binh (VIETNAM)  / Ali Bin Shamsul Bahar (MALAYSIA)
 Club: Hai Au (VIETNAM) / Jonathan Tai (MALAYSIA)
 日本アセアンセンター・アセアンホール / 港区新橋6-17-19 新御成門ビル1F
 2013年5月28日(火)~6月6日(木)  9:30~17:30 土・日・祝日は休館



■イベント:藤岡みなみら、学生にバングラデシュのリアル伝える
 http://alternas.jp/study/global/39443
 (オルタナS 2013年5月24日)

タレント・藤岡みなみさんとNPO法人2025Projectプロデューサーの福井崇人さん、国際
協力NGOシャプラニール事務局長の筒井哲朗さんのトークセッションが31日、早稲田大学
で開催される。

テーマは、「プロボノとしてシャプラニールを旅する」だ。3人は今年はじめ、バング
ラデシュとネパールを旅した。プロボノとして、社会に何ができるのか考えたという。


登壇するのは、なんとかしなきゃ!プロジェクト ニコ生企画 藤岡みなみの「I don’
t know africa 発見アフリカ54の国」に出演中の藤岡みなみさん、宮崎あおいと兄・将
がインドを旅した記録集『たりないピース』(小学館)やミスキャンパスpresents『世
界を変える仕事44』(ディスカバー21)などをプロボノとして手掛けた電通ソーシャ
・デザイン・エンジン代表の福井崇人さん、2008年からシェプラニ―ルの事務局長を務
める筒井哲朗さん。

会場は、早稲田大学の早稲田キャンパス。事前申し込みの必要はなく、参加費は無料。
(オルタナS副編集長=池田真隆)

【日時】5月31日(金)14時45分~16時15分
【会場】早稲田大学 早稲田キャンパス 15号館203号室
http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html



□早稲田大学公開授業のお知らせ(5/31)
 http://www.shaplaneer.org/news/2013/05/531-1.html
 (シャプラニール )

今、当会と40周年記念書籍を作っているサンミュージックプロダクション所属のタレン
ト・藤岡みなみさんと2025Projectプロデューサーの福井崇人さん、当会の事務局長・筒
井が早稲田大学で公開授業を行います。どなたでもご参加いただけます。ぜひご参加く
ださい。

ボランティア論-入門と基礎理論-

【日時】5月31日(金)14時45分~16時15分、
【会場】早稲田大学 早稲田キャンパス 15号館203号室
http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html

【タイトル】
シャプラニールを旅する

【登壇者】
●藤岡みなみさん(サンミュージックプロダクション・タレント)
●福井崇人さん(2025Project 代表理事/(株)電通ソーシャル・デザイン・エンジン代
表)
●筒井哲朗(シャプラニール=市民による海外協力の会 事務局長)



■イベント:世界を変えるタネの物語
 -See-D Contest適正技術展示会関連セミナーVol.3-
 http://www.jica.go.jp/hiroba/event/201306.html#a01-061-01
 (JICA地球ひろば 2013年6月1日(土曜日)13時30分から15時)

日時:2013年6月1日(土曜日)13時30分から15時
会場:JICA市ヶ谷ビル 1階 市民のひろば(体験ゾーン内)【会場地図】
主催:JICA地球ひろば

See-D Contestは、途上国の環境、文化にあった「適正技術」のアイディアを競う日本で
唯一のプロダクト&ビジネスコンテストです。

JICA地球ひろばでは、3月15日(金曜日)から7月15日(月曜日)まで、過去2回のコンテ
ストに参加した数チームの製品やアイディアを、1か月2チームのペースで、2階展示スペ
ースにて展示します。また、展示期間中、関連セミナーを開催し開発の経緯や製品の魅
力などを語っていただきます。

現地の課題を解決し、途上国の環境や文化に合ったものづくりとはどのようなものなの
でしょうか?過去のコンテストを見逃した方や、各製品について詳しく聞いてみたい方
は、ぜひお越しください。

3回目となる今回は、5月15日(水曜日)から6月14日(金曜日)までの展示、絞りの機能
が付いた簡易洗濯機と、遊びの力を使って電気を起こすプロダクトを取り上げます。以
下、発表タイトルと開発者(団体)からのメッセージ、講師のご紹介です。

(1)Washqueezer-バングラデシュの家事革命-

“Washqueezer”は“Washer”(洗濯機)と“Squeezer”(絞り器)を組み合わせた造語
です。その名の通り、本製品は洗濯機の「洗う」機能と、モップ絞り器から着想を得た、
「絞る」機能を兼ね備えています。

「洗濯」はごく日常的な行為です。洗濯機に服を入れ、スイッチを押し、物干しに洗濯
物を掛けていく。このプロセスは40分程度で、非常に簡単なものです。何気なく行って
いるこの作業も、ひとたびバングラデシュの農村部に行くと、事情が変わってきます。
電気製品が利用できないそこでは、手洗いは当たり前。それにかかる時間と労力は、日
本のものとは比になりません。

私たちはバングラデシュ農村部における、非電化・低価格の洗濯機のニーズに着目し、
それらを満たす製品としてWashqueezerを開発しました。これは現地調達が可能な木材、
竹、ジュート(バングラデシュの特産品)の袋を使用しているため、現地生産が可能で
す。竹の棒の先端に取り付けた袋に衣類を入れ、内部に設置した洗濯板で汚れを擦り取
り、モップ絞り器の要領で脱水します。これにより、洗濯による女性の家事負担の身体
的、時間的な削減に大きく寄与することを可能にしました。

本セミナーにおいては、プロジェクトの活動や今後の展望だけではなく、バングラデシュ
におけるマクロな社会課題を織り交ぜつつ、その中での本プロジェクトの位置づけ、そ
してバングラデシュにおいて今後求められる活動についてもお話しできればと思います。


講師:中塚 裕亮氏(大阪大学法学部3年生、OUESTメンバー)
【チーム概要】バングラデシュにおける社会課題を適正技術で解決することを目指す大
阪大学の学生で構成される団体。文系の学部生から理系の院生まで様々な専攻・バック
グラウンドの学生から成るチームで、See-D Contest2012に出場後、今春バングラデシュ
に渡航して製品のニーズ調査を行った。

(2)LinkWattが生み出す遊力発電の可能性

“LinkWatt”が発電のために利用する「アソビ」の力とは、身の回りの生活で発生する
回転や振動といった身近な力であり、子どもたちが遊びまわるときに発するエネルギー
です。これらの力を利用し、LinkWattはいつでも、どこでも、簡単に、楽しく、安価で
クリーンなエネルギーを提供することができます。

また、LinkWattは、何か(What)と繋げる(Link)ことで電力(Watt)を作り出せる“
半完成品”です。簡単な構造であるため、現地でのメンテナンスにより長期的に使用で
き、さらに現地技術者の創意工夫によって新しいプロダクトを生み出すこともできます。
我々は、現地の技術者が、プロダクトを製造・販売することで新たな現金収入獲得の機
会を得られるとともに、努力し感謝されることを通じて仕事へのモチベーションを高め、
自立した生活を送れることを目指しています。

さらに、このコンセプトやプロダクトは途上国だけが必要としているものではなく、ス
マートフォンなどモバイル端末へのバッテリーの供給や災害への備えなど、先進国にお
ける「未電化地域」においても同様です。必要なだけの電力を自らの力で楽しく生み出
すことができる、そのような世界を実現することが我々のゴールです。

今回のセミナーでは、まず発電の難しさや楽しさに触れていただいた上で、途上国の電
力事情などを通じて世界の未電化地域についてご紹介します。最後に、遊力発電とLink
Wattのあゆみとこれからについてお話できればと思います。

講師:井上 やよい氏、飯田 佑理子氏(LinkWattメンバー)
【チーム概要】東ティモールで得た気付きをもとに、2010年8月に発足。「アソビ」の力
で世の中が明るく輝く、人々が自立した生活が送れることを願って、エンジニア、デザ
イナー、コンサルタントなど有志が集まり、土日祝日夜間の時間を使って日々検討を重
ねている。See-D Contest2011優秀賞受賞。

対象:ご興味のある方はどなたでも

定員:40名(先着順)

参加費:無料

参加方法:下記問合せ先まで、電話またはEメールにてお名前、ご連絡先をお知らせのう
え、お申込みいただくか、または下記の「お申込み」ボタンからお申込ください。

お問い合わせ:
JICA地球ひろば 地球案内デスク
電話番号:0120-767278
Eメール:chikyuhiroba@jica.go.jp



■TV放送:テレビ朝日「世界の車窓から」
 http://www.tv-asahi.co.jp/train/
 (テレビ朝日 2013年06月03日から)

「大河を越えてベンガルデルタをゆく バングラデシュ鉄道の旅」
 月曜日から金曜日 よる11時10分から11時15分
 
注意 6月3日の放送は 26時27分(6/4 2:27~)から

アクセス解析

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 肉味噌いため定食。 | トップ | 揚げ物弁当 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

バングラデシュのニュース」カテゴリの最新記事