こばやしあきこの 京便り・キモノあそび (ブログはアメブロにて毎日更新中)

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弥生 ○三月○

2008-03-16 | Weblog
寒の戻りや春の嵐もようやくおさまり、いよいよ春ですね。 随分とご無沙汰してしまいました。 舞台や初高座、映画ロケを終え久々にゆっくり帰京しています。 8日は観音さんの日、釈迦堂へいってきました。お釈迦さまがお生まれになった8日には、毎月釈迦堂・嵯峨「清凉寺」で八日会と称して法要が営まれます。こちらのお釈迦さんは986年にこの地に祀られたという国宝。体内には絹で作られた世界最古の五臓六腑の内臓模型が納められたはります。 (昭和28年に発見され、今は曾祖父が金箔で書いた写経とともに胎内にまたおさめられてます) このお釈迦さんなんとも優しく、仏百選にも選ばれたはる癒し顔。日本三如来の一つといわれたはります。何かの祭礼以外は「八日会」の時だけご開帳されご尊顔を拝することができます。 釈迦堂は母校のすぐ前やったんで、境内は通学路の一部やし、鬼ごっこやかくれんぼなどよく遊んだ場所でした。でも、小学生の私には、正式名称が清凉寺やということすら、そのころわかってへんかったような(^_^;) 鞍馬の火祭り、
3月15日に行われる嵯峨釈迦堂のお松明式は、五山送り火とともに京都の三大火祭りの一つと言われ、この辺りで最も盛大なお祭りやったので、朝からワクワクしていました。(当時の目的は縁日でしたが。。。)  
毎年『涅槃会(ねはんえ)』に厳修され、この夜は本堂で涅槃会の法要を営まれた後、僧侶らが境内を巡り、逆三角すい状の高さ約6-7メートルの大松明を取り囲みます。大文字送り火・鞍馬の火祭と並んで京都三大火祭として受け継がれ、嵯峨野の歴史と共に住民の心の中に生き続けてきた郷土の伝統行事。 夜八時三十分一斉に火種が同時に放り込まれ点火します。

ぱちぱちと音を立てながら火が燃え広がり、やがて勢いよく火柱を上げました。辺りはたちまち真っ赤に照らされます。それはもう圧巻。実は元来、この行事はお釈迦さんを荼毘(だび)にしたことがはじまりで、境内に立てられた三基の大松明(二・一丈、二丈、一・九丈)が燃える炎の勢いにより、その年の稲作の豊凶を占い、又、同時に本堂前に並んだ十三本の高張り提灯の高低によって江戸時代には米相場を、近世では株価の趨勢を判じるなど庶民の幸せと諸々の願いを託しているんやとか。ちゃんと意味を知ったのは通学路ではなくなってからでした。昨日は境内に、その松明の準備でぎょうさん松が積んであり、懐かしくなりました。 この「お松明」で私がさらに印象に残っているのは「涅槃会」です。ちょうど、3月15日に公開されていて、お参りの際に目にしていました。ここの涅槃会には、意外な動物も描かれています。それは、、、猫。お釈迦さまが亡くなるきっかけをつくったとしてお釈迦さまを偲んで泣いている動物のなかにはあまり猫は描かれていません。でも、ここでは、そんな猫も悔いているような悲しい目をして座っています。毎年必ずこの話を聞かされ、幼心に「後悔」という言葉をきくとあの猫を思い出すことがありました。

夜空を焦がす大松明が、今年も嵯峨野に春を告げ、いよいよ桜がほころびはじめます。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2009-06-11 04:57:36
勉強になりました。
日本らしくていいですね。
幻想的ですね (江戸の人)
2009-06-12 19:29:59
火柱が凄いです。東京では広いところがあまり無い為かこの様に迫力のある行事は知りません。
歴史ある古都は違いますね。