まいにちはなたば

キレイな花、枯れた花、トゲだらけの花。
毎日いろんなことがあるけど、遠くから見れば、やっぱりきれいな花束だと思うよ?

当たり前?

2009-11-19 14:29:47 | 想い

突然ですが

「美味しいものを全く食べられない生活」って、想像つきます
私は食いしん坊なので、考えられません

風邪なんかで食欲がなくなったあと、回復してきて、
好きなものを食べられたりしたら‥
あ~~好きなものを「美味しいっ」って食べられるのって、
なんて幸せなんだろう~
っとか思います


‥何で、いきなりこんなこと書いてるかと言いますと

先日から何回かお話しているタちゃんは、
今まで、食事というものを摂ったことがないのです
小学2年のタちゃんは、
「お茶とかは飲めるんだけど、何回やってみても、
 食べ物は飲み込めなかったんだ~」と言っていました。
‥それ以上は、本人にも、お母さんにも、詳しい事情をきいたことはありません。

恐らく、筋力の問題で嚥下(飲み込むこと)に問題があるんでしょうね。

出会ったときのタちゃんは、
胃までのびている鼻孔から外へ出してあるチューブを
『食事』の時以外は邪魔にならないよう、
おでこにいつもテープでくるくると止めている‥
それが、タちゃんの『トレードマーク』でした。

その後、その経管(兼経口)栄養剤を
少しずつ自分の力で口から「飲んで」摂取するようになったので、
『トレードマーク』だったチューブはなくなったんですけどね

でもやっぱり
タちゃんは「食事をしないひと」な訳で。
皆が集まる時には、
それぞれが「自分たちだけ食べたり飲んだりして悪いね。」と
何となく、タちゃんに気遣いを見せます

でもこれは。
タちゃんの気持ちを詳しく聞いたこともないんですけど。
私たちが単に「可哀想」と片付ける話じゃないと思うんです。

生まれてこのかた、一度も歩いたことのない彼らに
「一回くらい思い切り走ってみたいでしょう?」なんて
言葉をかけるのは、歩くこと走ることが「普通」な者の奢りでしかない
‥そんな気がします
それと同じように、簡単にタちゃんのことを「可哀想」と言ってしまうのも、
何だか違う気がするのです

それでもやっぱり!!

今まで、どんな気持ちで周りのひとの食事の風景を眺めてきたのかな‥
と考えると。
とにかく、想像するのもおこがましい気がして
頭が下がる思いにしかなりません。


ホントに、タちゃんは、よく頑張ってきた。
今も、休まず頑張り続けていて、本当にエラいよ!!!

(ここで、念のために言っておきますが
 記事にはしてないけど、同じように頑張っている、
 それぞれに、それぞれの「弱点」「障害」などを持っている、
 Tくんとか、Cちゃんとか、Sちゃんとか、Mちゃんとか‥
 いっぱい、いっぱいいて、タちゃんは「その中の一人」なのです)
 

そう思うと
去年の私の誕生日にタちゃんがくれた

『人間がこの世に生を受けた日を記念日にして、皆で祝い慶ぶ‥。
 ちょっとしたことですが、意外と重くていい日なんですよね。』

この、メールでの一言。(詳しくは、コチラをどうぞ)

タちゃんが『最近なんだかしみじみ思います(笑)』
と、そんなことを想っているという、そのあたりが‥。
ものすごく、心に沁みいってきます


あぁ
この間も書いたように、養護学校の子どもたちは、皆、それぞれに
究極の個性(障害とも言う)の持ち主なので
こんなに具体的なことを書くと、
あのタちゃん以外の、誰の話でもありえなくなってきてるんですけど

この記事を読んだ誰かの、
『自分の場所で、自分自身の道を歩き続けるための力』
になるんやないかと思って、書いちゃいました

私たちが思っている『普通』は、全然当たり前なものじゃないっ!!

そう感じ、
今、自分が与えられているものに、
感謝の気持ちを豊かに持つことができるひとが、
一人でも増えていくことを願いつつ‥

タちゃんの順調な回復を祈りたいと思います