さてまたNHKの
チコちゃんの話題ですが、5月31日に放送された回の中で「日本で一番小さい都道府県は?」という質問がありました(働き方改革のコーナーでですが)
答は「香川県」ですが、ある時までは二番目で、一番小さい都道府県は大阪府だったということでした(子供のころ、大阪府が一番小さいと習ったような記憶がかすかにありますね)
で、大阪府に抜かれて香川県が最下位になった理由について、番組では
・大阪湾岸の埋立てによる大阪府の面積の増加
・香川県の面積の減少
を挙げ、香川県の面積が減少したのは、岡山県と香川県の境界線があやふやだったため、1988年に、それまでは香川県の土地とされていたおよそ14㎢の土地が香川県から削除され、1988年からは香川県が日本一小さい県となったという説明がありました
果たして、これが正解でしょうか
国土地理院のサイトから都道府県別面積というのを調べてみると、確かに1988年のデータでは、大阪府の面積は1881.42㎢、香川県の面積は1860.39㎢で、香川県の面積の方が小さいです
でも、ここに削除されたという14㎢(正確には直島町の面積なので14.22㎢)を加えると香川県の面積は1874.61㎢になりますが、やはり大阪府より小さいです
つまり「およそ14㎢の土地が香川県から削除」されなくても香川県が日本一小さい県ということになります
ではなぜ香川県が大阪府に抜かれたのか?
大阪府の面積が埋立てによって増加したことだけが理由ではなさそうです
国土地理院のサイトでは都道府県別の面積のデータは1988年以降のものしか載っていませんが、総務省統計局のサイトにはもっと古いデータがあります(残念ながら5年毎のデータしかないですが)
1985年のデータでは、大阪府の面積は1867.86㎢、香川県の面積は1882.11㎢で、香川県の方が大きいです
ところが1990年になると、大阪府の面積は1883.84㎢、香川県の面積は1874.86㎢となって、大阪府に逆転されています
ここで、1990年の香川県の面積が総務省統計局のデータでは1874.86㎢となっているのは、“一部境界未確定のため総務省統計局において推定”したもので、国土地理院のような技術屋さんの集団では“境界未確定だから削除”で通用するんでしょうけど(香川県はまだしも、岡山県なんか玉野市分のおよそ103㎢を全部削除ですから乱暴すぎると思いますが
)、さすがに総務省ではそういうわけにはいかないでしょうから、修正を加えてありますね
つまり総務省の方のデータでは境界未確定の部分も加味した面積になっているんですが、それでも香川県の面積は1985年から1990年でおよそ8㎢減っているわけです
これが香川県が大阪府に抜かれた主たる原因だと思います
で、およそ8㎢減った理由は、総務省のデータの元データも国土地理院のデータですけど、国土地理院が1988年に面積の調査方法を改めたからだと思います
「昭和63年 全国都道府県市区町村別面積調」における市区町村別面積値の全面改訂について(説明)
ということで、今回のチコちゃんは、こじつけのレベルを超えて間違いではないでしょうかねえ(一応国土地理院に確認した結果と放送では言ってますが、はたして?)