何も問わない【1】

目にとまる

雷鳥

2017-06-18 17:38:23 | 日記
 国の特別天然記念物で絶滅危惧種「ニホンライチョウ」の人工繁殖に取り組む富山市ファミリーパークは18日、2羽のひながふ化したと発表した。環境省などが進める人工繁殖事業で、成鳥まで育てたつがいの卵から、ひなが誕生するのは初めて。先月20日に初めて産卵を確認、これまで19個が産まれていた。

 同パークによると、1羽目が17日午後11時15分に、2羽目が41分にふ化した。体重は1羽目が17.1グラム、2羽目が15.6グラムで、体長はいずれも約6.5センチ。2羽とも18日朝には顔を上げて「ピィピィ」と鳴くなど元気な様子だという。

 今後、性別を判定し、3~4カ月後に1羽ずつ分けて育てる。飼育を優先するため公開の予定はないとしている。

 ニホンライチョウは北アルプスなどの高山帯に生息する日本の固有種。環境の変化による外敵の増加などから、生息数が減少したのを受け、環境省などが2012年に「ライチョウ保護増殖事業計画」を策定した。

 15年と16年に北アルプスの乗鞍岳(長野、岐阜両県)で野生の卵を採集し、同パークと上野動物園(東京都)、大町山岳博物館(長野県大町市)で成鳥まで育てた。今年初めて3施設で雌雄がそろい、人工繁殖に取り組んでいた。

 今回誕生したひなも成鳥まで育て、来春以降にペアリングを経て繁殖に参加させる予定。

 記者会見した石原祐司園長(57)は「無事に生まれてきてくれてありがとうと言いたい」と喜びを語った。〔共同〕日本経済新聞web版より