旅する小林亜星

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二石

2009-02-26 19:03:09 | 青春生き残りゲーム
農場での仕事は明日がとうとう、
とうとう最終日だ。

ということで同僚の仏蘭西人とお別れパーティをすることにした。

フランス人の家にはチリ人女子2人とドイツ人女子2人がいて

さらにあたしが招待した包菜のサモア人と

サモア人Lの友達の、
ドイツ人とサモア人のハーフの父とクック諸島人の母を持つ、
サモア人の外見なニュージーランド人Dと

大御所マレーシア人女子と
人種ごった煮。

何か日本料理をと言われたので
オーソドックスに豚汁と肉じゃが。

「I'm too stoned.」と一度だけ言ってみたかったので

サモア人Lにマリファナを吸わせてもらうことにした。

サモア人L以外にマリファナをおねだりできる友達はいないし
商売人だった、青い眼をした、かわいいかわいいカレシは

親友がドラッグで亡くなってから
一切のドラッグをやめたひとなので

彼には頼めるはずがないし

万が一に備えて
尿検査では吸引後数週間は陽性反応が出るとネットにあったので

入出国の付近は避けたいと思い

これが最後のチャンスだと覚悟した。

マリファナを仄めかすのも
サモア人Lが鋏でちょきちょきとマリファナを刻んでるときも

いざ先っぽに火をつけるときも

いざいざ、あたしの番になって吸うときにも

あたしはとてもとても緊張していて
まるで人生ではじめてセックスするときのよな硬直を抱いていた。

日本では、あまりにもたくさんのひとが人生を台無しにしてるマリファナを

興味本位の日本人が海外で開放感に絆されて試してみちゃうマリファナを

どんなにひとの本能を弄ぶ気持ちいいものなのだろうと、
長い間想像していたけれど

あたしはなぜか人生のどこかで
それを体験しなくちゃあいけないと信じていた。

ひと吸い目、
口の中に酸っぱい煙が乱入してきた。

ふた吸い目、
肺の中までいれなくちゃという指示のもと

煙をごくごくと飲み干す。

途端に咳。
そして咳、咳、咳、咳、咳。

なみだ目。

何かのスパイスのよな清涼感と喉の違和感。

二巡目を待って
さん吸い目。

やはり咳。

どのくらい煙を吸えば
どのくらい時間が経てば

「Too stoned」になるのだろうと思っていたが

待てど暮らせど
何もやってこない。

そろそろ午前1時だったので
ニュージーランド人Dに

フランス人の家から車で1分くらいの、
あたしのうちまで送ってほしいとお願いすると

フランス人Cがおっかない顔をして泊まってけと言う。
ニュージーランド人Dは相当酔っ払ってるからまずいと。

あたしは酔っ払って、もう判断力がなくなっていたのか
1分だから大丈夫、家に帰りたいの、と粘る。

いや、もっと完璧に理性的だった。

フランス人宅の居間のソファでサモア人Lといっしょに寝ることになったら
あたしがセックスしたくならないはずがない。

青い眼をした、かわいいかわいいカレシを裏切るわけにはいかない。

結局、もう一台の車で迎えにきたニュージーランド人Dのいとこが
送ってくれることになった。

家にやっとたどり着いて

身体は疲れてるのに
なんだか頭がすっきりしてて

なかなか眠りに入れない。

あー、これがマリファナか。

「Too stoned」からは程遠く

もう二度と経験したいと思わない、
あたしの水揚げはこうして幕を閉じた。
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2 コメント

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Unknown (99)
2009-07-14 22:46:01
残念!
決まったときは楽しいのだけどね。
Unknown (アキ男。)
2009-07-15 23:02:43
ん、経験者は語る???

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