
コート横の「黒フワちゃん」は真っ黒で長毛の見た目が誰もが『可愛い』と思わず言ってしまう程の可愛いい仔でした。
南家で生まれたのでしたが、南家は食べるものが何もなく木の枝や葉っぱを食べて空腹をしのぐような状態の所でしたので
仔猫のうちにほとんどの仔が餓死をしていました。
「黒フワちゃん」は考えたのでしょうか移動をしてコート横へ来たのです。
コート横はご飯を下さる方がいたので命をつないだのだと二年前に知りました。
人にとても慣れていてとても良い仔でした。
長毛なので一年に一度毛玉を切ってあげるのが私の楽しみで、
毛玉はお腹や首の下に出来ますので『じっとしていて』と声掛けをして気をそらせながら、
ケガをさせないように一度か二度で切っていました、長い毛玉や2ヶ所の毛玉や探すのが楽しかったです。
持って帰った毛玉が我が家にはまだあります。
見ると涙が出ますがまだ処分する気になれません。
四年前に目の上と鼻に怪我をして鼻の方は直ぐによくなったのですが、目の上の怪我がなかなか治らなくて
行くたびに細菌が入らないようにと抗生剤を飲ませ、目の上の傷には目薬を塗っていました。
目薬なので目に入っても痛くないし抗生剤も入っているので正解でした。
けれどもなかなか良くならず見るたびに私は焦っていました、二か月以上たった頃傷の色が赤からオレンジ色に
変わっていました、次に行ったときには傷はふさがり黒く毛が生えてきていました。
嬉しかったです。

去年の冬の頃から痩せはじめて、長毛なので見た目ではふんわりふっくら見えますので気づきませんでした。
毛玉を探すのもいつも春になってからですので安心していたのです。
そう云えば一年前に公園の工事の材料にブルーシートが掛けてあった時ご飯の後に潜り込んでいたのをみました。
この仔たちには暖かい寝床はありません、風よけもありません今まで何処で寝ていたのかと思うと
胸が締め付けられました。
けれども私は助けてやることが出来ません、『ごめんね。ごめんね。ご飯だけは運ぶから。』
それしか出来ません。この仔だけではないからです、あの仔もこの仔も同じく可愛い仔です、
『助けてあげられなくてごめんなさい。』。
春が来た頃やがてご飯を食べなくなりそれでも顔だけは見せに来てくれていました。
最初の写真は具合が悪くなってから撮影したものです、元気がなく目に力が無くなっていました。
2025年4月11日
その日姿を見せないので呼び続けました、諦めて帰ろうとしていた時いつもと違う方向から来ました、
私があまりにも呼ぶので無理して辛い体で来てくれたのだと思います。
優しい仔です、挨拶に来てくれたのでしょう、それが最後の姿でした。
6歳6ヶ月位の人生だったと思います。 覚悟はしていても泣けてきます寂しいです・・・・。