5匹の仔猫

2010-04-29 02:44:12 | ペット

 大きな公園に5匹の仔猫を連れた1歳位のノラ猫のお母さん猫

がいました、とても利口で用心深く、仔猫の躾けもよく出来ていて、

触ることはもちろん、捕まえることはとてもできる状態ではありま

せん。けれども何とか捕まえて避妊手術をしなければこの仔達の

居場所がなくなります。手で捕まえるのは無理なので、大きな網

を作りました、しかし網を見ただけでどの猫も逃げてしまいます。

そのことよりも頭を悩ませたのは、どの仔が雄猫なのか雌猫なの

か分からないうえに、兄弟の模様が似ているので仔猫の区別が

つかない事でした。写真を撮りました、写真ではわかりますが、

その場では仔猫達は動きまわりますのでよくわかりません。

動物病院の獣医さんに相談しました、「絵を描いてみたらいいよ、

身体の模様は身体の伸び縮みで正確には分からないけど、顔の

模様は変わらないからと。」絵の描き方まで教えて下さいました。

絵を描くためによーく見ると違いがある事がわかりました、鼻の下

の右側に小さく茶色の模様のある仔、同じく鼻の下の左側に模様

のある仔、模様の無い仔、鼻の上が茶色の仔、黒と白色の仔、そ

して名前をつけました、「右ちゃん、左ちゃん、なかちゃん、はな

ちゃん、クシちゃん」です。なんとも手抜きな名前ですが猫の数が

多いうえ、性別さえ分からないので見た目でつけるしかありません

。けれども呼びやすく名前を間違えることはありません。

 それから忙しい日々が始まりました、1匹捕まえると動物病院

へ走りました、「先生、雌猫だったら避妊手術お願いします。雄猫

だったら手術したくないので連絡下さい。」動物病院の先生は私の

気持ちを分かって下さって、忙しいのに手間暇かかるのに、協力

をして下さいました。捕まえるのも大変でしたが困った時に助けて

下さる方が現れる、それが不思議なことでした。

 3匹が雄猫で2匹が雌猫でした。

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1代目ボス

2010-04-26 01:27:12 | ペット

 大きな公園には沢山な猫達とボス猫がいました。

4匹の捨てられた仔猫の内の1匹が雄猫で、ボス猫となっていた

のです。捨てられた仔猫やノラ猫から産まれた仔猫が成長する

と成長した雄猫や雌猫に縄張りを主張しはじめます。けれども、

その仔猫達はまだ中猫でただただ怖がるばかりでした、公園

から移動しようとした猫が何匹も車に轢かれました。

 思いあまってボス猫を去勢手術しました、するとボス猫はとて

も臆病になってしまいました。ノラ猫に去勢手術をすると、闘争心

が無くなり怖がりになると初めてわかりました。餌さえまともに食

べられなくなったのです、そして居なくなりました。

 本当に心配しました、責任を感じました。

それから3~4カ月後の暑い夏の日、公園に散歩にみえた一人の

女性と話す機会がありました、公園の近所の方らしく公園の事に

詳しく猫の話になりました。「ボス猫は桜の木のある家にいますよ。

行ったら会えますよ。」と教えて下さったのです、翌日桜の木のあ

る家を探しに行きました、大きな桜の木がありました、居ました。

とても太って、でも確かにあのボス猫でした、嬉しくてホットしま

した。そのお宅の方にお願いするしかないと思い声をかけました、

出てみえた年配のご主人が「この猫はよく知ってます、ほかにも

2匹猫がいますから餌はやっていきますから心配いりませんよ。」

と指をさされた先には大きな納屋がありました、安心しました。

公園で話した女性は息子さんのお嫁さんでやはり猫が好きな方で

、ボス猫の話しをして下さったことに何か不思議なものを感じました

、それまで一度も会った事も無いしそれ以後もお会いする事もあり

ません。

 いつも桜の季節になるとボス猫を思いだしていました、桜の木か

ら連想してしまうのです、3年位しておもいきって桜の季節に伺って

みました。

 とても残念なことにボス猫は半年前に亡くなっていました、大きな

”さばとら”の模様の猫でした。

   散っている桜の花びらが目にしみました。


かぶきちゃん

2010-04-20 01:46:10 | ペット

 大きな公園で最初に出会ったのが、かぶきちゃんでした。毛色は

サビ色で顔の鼻の部分が薄い茶色で、まるで歌舞伎のくま取りの

様に模様が入っていたので”かぶきちゃん”と名付けました。毛色

がサビ色と言うのは鉄錆のように、黒、茶、白、濃茶、薄茶などの

色が入り混じり、猫の毛色としてはあまり人気のない色目なのです。

けれども、性格はとてもおとなしく頭の良い子が多いようにあります、

臆病な面も有り、慎重派ですがほとんどが雌猫なので子育てのた

めにはとても向いていると思います。

 かぶきちゃんもサビ色だったので誰にも貰われずに捨てられたの

かも知れません、他に兄弟は見当たりませんでした。たった1匹で

とても心細かったはずです、捨てられてまだ日が浅い時に私と出会

ったのだと思います、足にミャーミャーとまとわりつき離れません。

 いつも早い時間から待っていて私が帰るのを見送っていました、

だからいつも後ろ髪引かれる思いで帰らなければなりませんでした。

「連れて帰って。」声が聞こえるようにありました。

我が家の沢山の犬、猫や家庭の事情がなければ連れて帰りたかっ

たです。

 かぶきちゃんが雌猫だと分かっている以上、避妊手術をしなけれ

ばなりません。この公園にいる沢山の猫達のためにどうしてもこれ

以上殖やすことはできませんでした、この仔達の居場所を守りたか

ったのです。

 動物病院の獣医さんは生後6カ月過ぎてからの手術が良いと言わ

れました、ですが何時が生後6カ月なのか分かりませんし、時期を

間違えるとお腹に子供がはいってしまいます、生後6カ月では間に

合わない場合もあります。そんな時「アメリカでは生後2カ月で避妊

手術をしているから大丈夫だよ。その後の成長に何の支障もないと

言うデーターがあるから。」と教えてくれたのがKちゃんでした。

 避妊手術をして抜糸まで動物病院で預かってもらい、公園にかえ

しました。毎日会うのが楽しみでした。

 それから1年位して”かぶきちゃん”が姿を消しました、自分から

どこかへ行ったとはとても考えられません、とても人に馴れていた

ので猫好きな人が拾ってくれたのだと思います。

 いいえ そう自分に言い聞かせています。

 思いだすだけで胸が痛くなります、助けてあげられなかった。

 又 ひとつ 思いを背負ってしまいました。

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どうして捨てるのでしょう!

2010-04-17 02:40:03 | ペット

 大きな公園に居る20数匹のノラ猫達をよく観察すると、捨てら

れて間もない仔猫が何匹かいました。人をそれほど怖がらずに

お腹が空いているのでしょう鳴きながら近づいて来ます、捕まえ

ようと思えばすぐに捕まえる事ができます、けれどもその頃は

譲渡会もなく、預かって下さる人もなく、勿論貰って下さる人を

見つける事も、方法もまだ模索中でどうすることも出来ませんで

した。私に出来る事は餌をやることと、時期がきたらこれ以上

殖やさないために避妊手術をすること位でした。

 成猫で捨てられた猫も何匹もいました、どうしてここまで大きく

育てた、家族の一員であったはずの猫を捨てるのでしょう、理解

に苦しみます。1歳になってるのかなと思う若い猫から10歳位か

なと思う年をとった猫まで、猫にとってみれば、ある日突然知らな

い所に放り出され、昨日まであった温かい寝床も美味しいご飯も

そして信頼していた家族であったはずの保護者も居ない所に置か

れ、どうしてよいのか分からない状態になっています。やがて人に

追われ1カ月も経つと人を怖がり人を警戒してノラ猫への道をたど

ることとなります。

 また、親子で捨てられた猫もいました、母猫は仔猫を安全な所に

隠し、公園を訪れる人に餌をねだっていました。なぜ親子で捨てる

のでしょうか?

 捨てられた猫達がなんとか生き延び人間不信になり人間は敵と

思いはじめるのにそれほどの時間はかかりません、そうしてその

猫達から産まれた仔猫は立派なノラ猫となります、何代か続いた

ノラ猫の仔猫を人に馴れさせるのはとても大変な努力を必要としま

す。沢山のノラ猫とその仔猫がいました。

 大変だからと立ち止まってはいられませんでした、出来る事から

始めました。

 今だったらああしたのに、今だったらこうするのにと、悔やまれる

事が多すぎて考えだすと眠れなくなり今でも自己嫌悪におちいりま

す。

  そして、あれから数年経ちますが未だに成猫や仔猫が捨てら

  れてます。

  どうして捨てるのでしょう?

 


捨てられノラ猫と呼ばれるようになった猫達

2010-04-13 01:06:59 | ペット

 「あの公園は散歩に行くと、ここにも猫がいる、そこにも猫がい

る、あそこにも猫がいると言うくらい多く何匹いるか分からない。」

 「あの公園はミャーミャーと仔猫が鳴いていたので食べ物をやる

と次々に猫が寄って来て、どうしようもなかった。」

 「人に寄って来てスリスリするし仔猫だし捨てられたのだと思う、

しかもお腹を空かせている、食べ物が無いのだと思う。」

 そんな話しを聞いてとても気になり行ってみました、それが私と

沢山のノラ猫達との出会いでした。誰もが多すぎる猫達に恐れを

なし関わりたくないと思ったのは仕方のないことだと思いました。

 けれども、誰がこんな状態にしたのでしょう?

 小さな仔猫が何匹もいます、飼い猫の仔猫です。

 ここは公園で仔猫が食べていただろうカリカリや猫缶は落ちて

 いませんし自生もしていません。

 ノラ猫といわれている成猫も捨てられた猫から産まれ、人間不信

 になった猫達ばかりです。

 誰がこんな状態にしたのでしょう?

一人対20数匹 それは思った以上に長い時間と強い意志と深い

悩みと自己嫌悪を必要としました。

先ずは餌をやり私を覚えてもらうために、名前を付け呼び掛けまし

た、次は雄猫か雌猫かの判別を急ぎました、これ以上この仔達から

殖やしたくなかったのです、あまりにも多いので問題になりこの仔達

の居場所が無くなることだけは避けたかったのです。

長く孤独でした、後押しをして下さる方は何人もいましたが現場は

一人でした、奇異な目で見る人、訝しげに見る人、迷惑そうに見る

人、警察の方から声をかけられたこともありました。

 けれども手を引くことは出来ませんでした。

 どの仔も可愛くて可愛くて、懐いた仔、懐かない仔それぞれに

 可愛いいのです。

 用事があって時間がずれても、かならず待っていました。

 自分だけご飯を食べて寝ることはできませんでした。

 あの仔達が待っていると思うと、どうしても行けない時は知人に頼んで

 お願いしました。

 毎日毎日が泣き笑いの日でした。