小さなナチュラルローズガーデン

木々の緑の中に、バラたちと草花をミックスさせた小さなイングリッシュガーデン風の庭。訪れた庭園や史跡巡りの記事もあります!

オープンガーデン最終日、そして薔薇は美しく散る・・・

2019年06月15日 | ガーデニング

ハレルヤ。2019年5月18日、オープンガーデン最終日の我が家の庭の様子です。先週の初日の頃はまだ薔薇の咲き始めの感がありましたが、一週間を経ていよいよ満開となりました。今週も晴天に恵まれお庭の入口では、山吹色の爽やかなグラハムトーマスがたくさんのお客様をお出迎えしました。


木陰の中に咲いたイングリッシュローズ「アブラハム・ダービー」。ピンク、アプリコット、イエローの混じり合った特徴的な花色のディープカップ咲きが魅力です。また匂いを嗅ぐならフルーティな濃厚な香りがします。

 

オールドローズの「マダム・ピエール・オジェ」。淡いピンクのベースの上に、まるで透き通るようなライラックピンクのぼかしが彩るカップ咲きの花姿は二つとない美しさです。

 

我が家の庭の二代目「ピエール・ドゥ・ロンサール」。やや緑がかった白地に淡いピンクのグラデーションの豊満な大輪を咲かせた様はえも言われぬ美しさ。つる薔薇の女王とも言われるに相応しい薔薇です。

 

向かって左のディープピンクのつる薔薇はイングリッシュローズの「ガートルード・ジェキル」。右はお隣さんの白いアーチに絡まるランブラー系ローズの「ブルーマジェンタ」。今年はお隣さんのお庭とともに夢の競演を果たせました。

 

こちらは昔、裏のお屋敷の奥方であるマダム・Hさんから頂戴したフロリバンダローズ「フラワーガール」。ソフトピンクの半八重咲きのお花は、名前の通りフラワーガールの持つブーケのようで可愛らしい。

 

向かって左、ロゼット咲きローズピンクの大輪は「イブ・ピアッチエ」。右の淡いピンクの房咲きは「夢香」。背後にブルーのラークスパー(千鳥草)も見事にコラボしました。

 

こちらはピンクのイングリッシュローズ「ガートルード・ジェキル」と、ブルーのミヤコワスレのコラボレーション。

 

名前の通り光輝くようなイエローの花色とロゼット咲きがロマンティックな、メイアン社作出、ロマンティカシリーズの傑作「サンライト・ロマンティカ」。今年はたくさんの花を咲かせお庭の中でもとても目立ち、鉢植えながらお庭の主役を果たしているようでした。

 

明るいピンクの大輪カップ咲きから、開ききるとロゼット咲きに変化してゆくフレンチローズの「フラゴナール」。名前の由来は18世紀フランスロココ時代の最後を飾った画家、ジャン・オノレ・フラゴナールからか? 或いは南仏香水の町グラース発祥の老舗香水ブランド名からなのか? 私自身、まだわかっていません。

 

お庭の中央の花壇では左奥から右手前にかけて、真紅の薔薇「ルージュ・ロワイヤル」、ピンクの「ウィリアム・モーリス」、「ビアンヴニュ」、「ローズ・ポンパドゥール」が咲き揃いました。これらのお花はいずれもロゼット咲きでクラシカルな美しい容姿をしてます。我が家のお庭の薔薇は咲き方としては、ロゼット咲きやカップ咲きといったクラシカルな花形のもの。なるべく香りの強いもの。樹形がシュラブ(半つる性)でナチュラルなもの。つまり現代バラであっても、どこかオールドローズの古典的で優雅な風情を漂わせた薔薇たちを集めているのが特徴です。あえてブランド名で言うなら「イングリッシュローズ」「フレンチローズ」京成バラ園芸の「アンティークタッチのバラ」などです。ローズガーデンの色の組み合わせは、ピンクとホワイトを中心としたロマンティックガーデンを目指してきました。

コレクションしてきた古典的ムードを漂わせた薔薇たちと、色彩的にはロマンティックガーデンを目指したお庭作り・・・何故そうなのか?と一度考えてみましたが、いにしえのヨーロッパ文化、芸術、歴史への傾倒、池田理代子先生の「ベルサイユのばら」に描かれたような18~19世紀貴族階級の人々の織りなす夢物語への憧れ・・・結局は私自身の趣味でした。

ベルサイユ宮殿のマリー・アントワネットは薔薇の花と香りのためだけに生き莫大な浪費を費やし、革命後は儚くギロチンの露と消え、しかし薔薇の本格的な品種改良や栽培が始まるのは19世紀初頭になってからで、フランス皇帝ナポレオン3世の皇妃ジョゼフィーヌの時代です。薔薇のパトロン、ジョゼフィィーヌは世界中からコレクションした薔薇をマルメゾン宮殿の広大なバラ園で栽培し、専門の園芸家には交配育種を行わせました。それがいわゆる「オールドローズ」のルーツでした

 

これもロマンティックで私好み。アンティークタッチのバラ「ステファニー・グッテンベルク」。アイボリーホワイトの中心がソフトピンクに染まり、ふんわりと咲くとても愛らしいお花。名前の由来はドイツで子供たちの権利保護を支援するチャーミングな慈善活動家、ステファニー・ツー・グッテンベルク男爵夫人だそうです。2011年ドイツ、タンタウ社作出。

 

美しく咲き乱れる純白のつる薔薇「シティー・オブ・ヨーク」。蕾の頃はクリーム色~開くと純白の半八重カップ咲き、イエローの雄しべがアクセントの比類無い美しさで、お庭を訪れるお客様からは名前をよく聞かれます。1945年のこちらもドイツ、タンタウ社の作出。

 

妻がガラス作家、浜口義則さん作の花瓶に生けてくれました。フラゴナール、シティー・オブ・ヨーク、フラワーガールなど、ため息が出るほどに美しくロマンティックな薔薇たち・・・。