本音を言ってみろよ！

心が渦巻き波立っている。
封印したはずの気持ちがこぼれそうで、必死で防波堤を築こうとしている。


昨日県教育委員会人事部から電話が入る。
来年度の非常勤講師の依頼だった。
以前務めたことがある一番思い入れもあるT高校。週１４時間の美術の授業担当という、私にとっては絶好の条件である。
この話、受けたい！　心からそう思う。
もう一度美術教室へ戻りたい。生徒達と関わりたい。授業をしたい。
本音は迷いがなく、そう思っていた。

でも電話でのお返事は・・・・「すみません。」お断りした。

なぜ。夫の勤務が県外の為。
子ども達が家を離れてからは再び夫の勤務地へついて行くと決めた以上、迷わないはずだった。昨年、養護学校を途中で辞め迷惑をかけた時点で教職は諦めたというのに・・・
揺れてしまった自分。

こんなこと、夫には言えない。
言えば彼は自分に責任を感じるだろうから。
彼が転勤の度に積み重ねるキャリアの一方で、私は積んでは崩し、又０からのスタートを何度となく繰り返してきた。それを悲観しているわけでもない。むしろ変化のある人生だと楽しんできたつもりだ。他の選択肢はあったのだろうか？
あったとしても、今までの生活を後悔してはいない。
なのに、心の波が消えてなくならないのはなぜ。
本音が邪魔している。解ってる。

今日はCafeのバイトが、これまでの２～３時間から６時間任されることになった月曜日。モーニング・ランチメニューを料理して運んで、下げて洗って仕込みして片付けて・・・・座る暇ナシの６時間。
そんな自分を客観視している自分がいる。何やってるんだ？自分。
心の片隅の同じ場所を、波が渦巻いていた。
グルグル、グルグル・・・
ロンドのように。