ある学校の卒業式に参会する機会がありました。壇上、学校代表者を前に、合唱団員と吹奏楽団員が左右に並び、式は吹奏楽団による前奏曲で開幕。卒業生一人ひとりの名前が呼ばれて順に起立、代表が壇上で証書を受理。表彰が終わった後での祝辞と答辞、最後は吹奏楽団と合唱部員の歌声に合わせて全員が蛍の光を歌い、卒業生を拍手で送り出すというものでした。
大規模校ではないのですが、歴史を感じさせる重みと暖かみのあるものでした。在校生代表の送辞は、どこかの教本に出ているような決まり文言でしたが、言葉の主の温かさの伝わるものでした。長々とした来賓挨拶がないのも好感がもてました。
会場は、地域の大規模施設を使って行われ、卒業生の父兄や家族の方たちも多く出席されていたようです。一つ気になったのは、式に遅れてくる卒業生の姿。数人はいたように思います。式に欠席の学生がいるというのは、さほど珍しいことではなく、私が勤める学校でもいます。返事がないので欠席かと思っていると、単に返事が聞こえないだけということもあります。しかし、式典のハイライト、証書の授与に遅れて入場し、会場に進み出てから自分の席を探すという光景は初めてでした。
女子学生が着物姿に華やかな髪飾りを付ける中、少々奇抜な衣装で観客の目を楽しませてくれる男子学生がいました。4月からは皆、社会人としての一歩を踏み出すか大学で研究を続けるかの道が決まっているはず。
「終わりよければすべてよし!」
必ずしもそうと言えないこともありますが、時間の余裕はほしいもの!
これは、長年時間に追われてきた自分への言葉でもあります。