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働き方改革は、何故必要なのか

2018年02月04日 06時29分36秒 | キャリアコンサルタント

「働き方改革」のひとつの取り組みとして、生産性向上を進めるためのさまざまな企業が取り組んでいる。しかし、どこから手をつけたらいいのだろうか。後戻りできない課題でもある。その取り組みを支援するため行われた説明会で生産性向上支援訓練についてお話した。しかし、現状への認識がまだ深まっていないように感じた。更に現状認識を高めるため、人口オーナス(重荷・負担)について考えてみたい。

以下は、ワーク・ライフ・バランスの小室社長のお話から引用させていただいた文章を紹介します。

ハーバード大学のデービット・ブルームによると人口ボーナス期は「若者の比率が高く、高齢者の比率が非常に少ない人口構造の状態」を指します。この人口比率にある国は、安い労働力があふれることで、早く・安く・大量に仕事をこなして世界の市場を凌駕する事が出来ます。かつ一方では、社会保障費が極めて低く、国として儲かったお金は全てインフラ投資へ回すことができるので、爆発的な経済発展が実現できます。

人口オーナス期は「若者の比率が低く、高齢者の比率が非常に高い人口構造の状態」を指します。オーナスとは「重荷・負荷」の意味です。人口の構造が、その国の経済に対して重荷に働く時期ということです。人口ボーナス期における経済発展の結果、富裕層が子どもに教育投資を初めて高学歴化し人件費が上昇し、世界中からの仕事が集まらなくなります。高学歴化により男女ともに結婚・出産年齢が後ろ倒しとなり、少子化になります。また、経済成長により医療や年金システムが充実すると寿命が伸び、高齢者率が増加し、社会保障費が増大するので一人当たりGDPが横ばいになります。人口オーナス期の典型的な問題は、労働力人口の減少・働く世代が引退世代を支える社会保障制度の維持困難です、と記載されていた。

著名なシンクタンクによると、日本はすでに、主要国で最も早く1990年代から人口オーナス期に突入しており、課題として労働人口の減少が挙げられる。これにより、更なる経済成長を実現しづらく、所得が増えにくい状況になることが予測され、次に、日本全体の金融資産が減少することが挙げられる。増加する高齢者が貯蓄を取り崩して生活するため、貿易赤字や経常収支赤字への圧力が増す。加えて、少子高齢化が進むため、社会保障制度の破綻にもつながるといわれている。

日本だけでなく、中国も人口オーナス期に突入している一方で、新興国の人口増加は著しく、インドは2020年代前半に中国の人口を上回り、2050年には世界の人口上位10ヵ国のうち3ヵ国をアフリカが占めると予測されている。

「働き方改革」は、日本社会の構造的な問題であり、早急に取り組むべき課題であり、避けて通れない問題。私達支援者としても、本腰を入れて取り組まなければならないと考えている。