(ガラスの内部は楽園という名の外部空間)
黒川紀章氏が亡くなった
73歳だったそうだが
惜しい人をなくした
まだまだ元気で政界や建築界
あるいは芸能界でも活躍して欲しかったなあ
るるは大学生の頃
黒川紀章氏の大阪事務所で
短期間バイトをした
るるのバイト期間中に黒川紀章氏が
事務所に現れることは無かったので
残念ながらお会いしたことは無い
が大阪事務所の所長さんが
先生が大阪に来るというので
やたら緊張して
電話ばっかりかけている姿が
なぜか印象に残っていて
やっぱりすごい人なんだろう・・・と
バイト学生さんは思いました
会ってみたかったなあ
それはともかく
彼が若尾あや子に会った時
「きみの美しさはバロックだ」
というセリフで口説いたと言う
知事選やら選挙後のテレビ出演でも
面白トーク全開で
イメージしていた感じとの
ギャップがかえって面白くて
常人には計り知れない
やっぱりすごい人なんだ・・・と
あらためて思ったのです
もっと生きて時代を騒がせてほしかったのに
残念です
ところで若尾あや子はバロックなのか?
どうかはおいといて
バロックは語源をポルトガル語の
Barocco(歪んだ真珠)に持ち
おもにイタリア、フランスを中心とする
17、18世紀の美術や建築の様式
バロック様式のことだけど
彫刻や絵画あるいは家具なんかのデザインが
総合芸術として捉えられているってところが特徴でもあって
ある意味フュージョンな感覚なんだと思うわけです
だけど建築を中心に据えていて
時代的には教会権力と絶対王制によって造られた
装飾過多な宗教建築や宮殿の様式を総称していて
一般的に荘厳なグロテスクなまでの豪華絢爛さ
のようにとらえられていると思う
そのフュージョンな特徴のなかで
あまり取り上げられないというか
意味が違うよと
言われるかもしれないが
人口楽園オランジェリー発達の話だ
19世紀には公共のウィンターガーデン(温室)
が熱帯植物園として登場するが
バロックの宮殿にはこのオランジェリーなる
柑橘系(オレンジ・ざくろ・月桂樹など)の
越冬用の建物があった
貴族やお金持ち達は工業化の進む中
異国の果樹や花といった植物を輸入して
栽培して我が庭に楽園を造り出そうとした
つまり外部空間の庭(それも異国情緒の)を
建築の一部にあるいは別棟としてつくる
これこそバロックの真髄じゃないの?
とかってに思っている
光差す建物の中に生い茂る緑、花々、果実
池や噴水や彫刻のあいだに憩いの広場や長椅子
外部空間と内部空間のフュージョンだ
外なんか?内なんか?どっちやねん
である
開閉式のオランジェリーは
1626年にドイツじゃすでにあったという
地面にレールを引いて上屋をスライドさせて
開放させると外部となる
すごいぜドイツッランド
人間は時代を超えて楽園を求める
象徴的に言いたいならば『美しい国』よりも
『幸福な国』を造らなけゃならんだろう
人は自然を愛しながら自然を破壊してきた
そして自然を恐れながら自然を模倣してきた
結局人間は自然に勝つことは出来ない
人が自然を愛する程に自然に愛されることはないだろう
無邪気なものに勝てる術などないからだ
邪気だらけの人間にとって幸福への方法論といえば
手に届くところに楽園を造る
そのくらいしかない
「一家に一つオランジェリー」
である
そして自給自足するのだ
各家庭に温室があって
できるだけ食べられる植物を植える
近所の人たちとは違う種のものをつくり
交換し合えばコミュニケーションも図れて
ベリィグッドでしょ
国が農業に力を入れれないなら
個人で自給率向上じゃ~
特にこれからの建売住宅とマンションには
必ず開放式温室を付けてくれ
自宅を建てるって人も好きにつけてくれ
バロックの精神とは
「ふくらます」ってことじゃない?
違う
るるは勝手にそう思っている
バロックで女をくどいた建築家の訃報に
バロックを考えてみたりした
そして今から日本製オレンジ
温州みかんを食すのだ