私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

「うちのボスはアホですの」

2009-12-25 | 6悩む
あるいは
「この団体のレベルは余り高くありませんの」
とまぁ、のっけから書いてあるような言葉の誤用がある。

残念なことに、本日、私が所属しているある団体からの文書にそれを見つけた。
その文書は
「会員各位殿」で始まっている。

「各位」は「皆々様へ」の意味であり十分に丁寧な敬語である。
「殿」は親が子へ手紙を送ったりするような際、目上の者から目下の者へ宛てられた文書に用いる。

「会員各位殿」を翻訳してみると

「会員の皆々様へご報告文書をお送りいたします。会員宛てに送ったぞっ!」
とまぁ、丁寧に書き送っているのか命令しているのか、上下関係の良く分からない文言となる。

この「各位殿」の誤用、従来からしばしば目にするのだが、役所からの通達や大手上場会社からの報告書類にはきちんと「各位」「株主各位」「関係各位」といった具合に正しく用いられ、誤用はまず見られない。

役所の下部団体や、上場会社のグループでも末端の子会社が出した文書には散見されるが。
「お客様各位」は、窮余の策?くだんの上やら下やら解りかねる「各位殿」はじめ「居住者各位様」(お住まいの皆々様!様!!とまぁ背中がむず痒い言いよう)といった「各位」に「様」を更に重ねる用法もあるようだ。

どの程度の事務方が事務をとり、常識のある人物がボスとしてきちんとチェックしているかどうかが結果として現れる訳だ。

私も事務を担っていた頃、エンジニア出身の上司が書いた原稿に、この「各位殿」を見つけ、訂正させて頂きたいと申し出たものの「各位では失礼だろう」と上司は譲らず、これを説き伏せることもできず、そのまま「各位殿」で何通かの文書を送った経験がある。

「格好悪いなぁ」「見る人が見れば教養がないと笑われてしまうが」と思いながら、事務方としては強いてそれを訂正する権限はない。


クリスマスイブにも、ニュースは流れている。
七年とか八年とかいった期間は時効によりそれ以上遡れない為だろうから、実際は十年も二十年も、ずっとなされてきたに違いない脱税行為。
富める者にしか犯せない罪だ。

そこで、秘書が犯罪者として起訴されても、その責任がボスにない訳がない。

そんなボスを選んだ衆愚が、最大級のアホと言えばそれが真実か。

日常の卑近なエラーを発見するにつけても、自分が人生を結局は委ねなくてはならないセンセー方の集団が、ぐるぐる迷走する様が情けなくてならない。

余りにヒドイ迷走ぶりに、格好悪いを通り越して気分が悪くなる。
それらの現実を黙殺することは、黙認したことになってしまうのだろうか。
そんな訳はない。
沈黙は、決して許容とイコールではない。
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2 コメント

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Unknown (TOMO)
2010-01-13 20:27:55

僕はよく
○○社長殿
っていうメールを貰います。いわゆる旧態依然とした大会社の人に、多いのですが、これって「馬鹿にされてるのかな?」と感じますね。
Unknown (管理人ねたろー)
2010-01-15 02:56:11
>TOMOさん

そうなのですね。
習慣的に「殿」をつければとりあえず体裁が整った感じがするのかな。
それとも、上から目線にどっぷりと…?

言葉は生き物故、妙な使い方が大勢になれば、いつのまにか誤用の方がスタンダードになってしまったりして…そんな風に変化していった言葉って沢山ありますものね。

本来の意味を知るものの方が、言葉の乱れをみるにつけ悩ましい気分になるもので、言葉に限らず善人ほど人の世が生きにくかったりしますから、そうしたものなのかもしれません。

でも、そんな多数派の流れにのまれてしまうのって嫌なんだなぁ。

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