極私的映画論+α

+αは・・・日記です(^^;
最近はすっかり+αばかりになってしまいました(笑)

海街diary (2015) 127分

2015-06-14 17:05:25 | 日本映画(映画館)
海街diary コミック 1-6巻セット (フラワーコミックス)
吉田 秋生
小学館



 鎌倉の古い家に暮らす幸、佳乃、千佳の香田三姉妹。父は不倫の末に15年前に家を出て行き、その後、母も再婚してしまい、今この家に住むのは3人だけ。ある日、その父の訃報が3人のもとに届く。父の不倫相手も既に他界しており、今は3人目の結婚相手と山形で暮らしていた。葬儀に参加した三姉妹は、そこで腹違いの妹すずと出会う。父が亡くなった今、中学生のすずにとってこの山形で身寄りと呼べるのは血のつながりのない義母だけ。気丈に振る舞うすずだったが、肩身の狭い思いをしているのははた目にも明らか。すずの今後を心配した幸は、別れ際に“鎌倉で一緒に暮らさない?”と提案する。


 映画館 ★★★★


 その物語の設定と言い、舞台になる鎌倉あたりの風景と言い、是枝監督の2008年の佳作「歩いても歩いても」と見比べてみることをお薦めしたいです。もちろんこの「海街diary」は吉田秋生のコミックが原作なのですが、どちらも映画が始まる前にめちゃ重大な事件が起こってから始まるという点ではよく似ています。「歩いても歩いても」は15年前に海で溺れた近所の子供を助けるために亡くなった長男の法事で始まり、「海街diary」は15年前に妻と娘3人を捨てて出て行った父親の訃報で葬式に参列するというところから始まります。

 是枝監督はこうした家庭の悲劇やそれに伴う法事を絡めるのが好き(?)みたいで・・・って言うと、誤解を受けそうですが、我々の日常が「ケ」ならば、葬儀や法事などはいわば「ハレの日」ってことになり、映画やドラマの世界だけではなく我々の一般的な生活でもなにかしら「事件」は起こるものです。伊丹十三監督の初監督作品「お葬式」などは全編「ハレ」なわけです。

 四姉妹のキャラクター設定が素晴らしく、「細雪」・・・って言っても私は1983年の東宝映画でしか知りませんが、平成版「細雪」と言っても過言ではないと思います。原作では「すず」が主人公のようですが、この映画でもやはり「すず」が主人公で、綾瀬はるか演じる長女も主人公でいいと思います。この二人だけ父親と15年の月日を過ごしているわけです。劇中三女が私よりもずっとすずちゃんのほうがお父さんとの時間が長いよね」なんて言ってましたが、三女は4,5年父親と過ごしただけてことですね。

 四姉妹・・・綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずの配役も素晴らしいですが、脇を固めてるのがなんとまぁ贅沢なキャストか(笑)樹木希林、大竹しのぶ、風吹ジュン、堤真一、加瀬亮、リリー・フランキー、キムラ緑子・・・すごすぎます(笑)また、是枝監督作品「奇跡」で兄とともに主演だった「まえだまえだ」の弟、前田旺志郎も広瀬すずのBF役としてなかなかいい演技を見せてくれてました。実年齢では2歳広瀬すずの方が歳上なので、どうみても姉と弟にしか見えませんが、中学3年生の頃までは小さな男子っていうのは普通に有りますし。

 ちょっと気になったのがずっとソフトフォーカスがかかったような映像だったこと。映写機のピントが甘かったのかな?(笑)監督の好みかとは思います。

 ちょっとあちこちで宣伝が多すぎた感じがしますが、素晴らしい映画だと思います。
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二人の市川監督 (PineWood)
2015-11-28 17:34:54
映画(海街diary)を昨日、早稲田松竹で(歩いても歩いても)と併せて見ました。前者は四季の移ろいや女優の綺麗さなどで市川崑監督の名作(細雪)を思い出しました。後者の子役の上手さや孤立感、老人の孤独や拘り、死を見詰めるところや音楽の用い方などで市川準監督作品を連想しました。アジア映画の豊穣という事がよく言われますが、後者で蝶々が死者の蘇りのシンボルとして現れたり、ペ・ドウナ主演の(空気人形)でも花弁がシンボリックに舞い上がったりとスピリチュアルなシーンがありました。目に見えない死のイメージの表出として小津安二郎監督作品の大木、麦畑、洗濯物、不在の部屋、家族が集合した記念写真などもあって、成瀬・千葉監督作品或はアントニオーニ監督作品などとも比較出来るのだろう。
Unknown (しんちゃん)
2015-11-28 21:10:11
 PineWoodさん
その二本立て、なかなか贅沢ですね。私が本文に書いたようなことを感じていた映画館があったということで嬉しいです。
私も年齢を重ねていくうちに、日本映画の良さがわかってきました。

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