![]() | おやすみラフマニノフ (宝島社文庫) |
中山 七里 | |
宝島社 |
秋の演奏会を控え、第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに、プロへの切符をつかむために練習に励んでいた。しかし完全密室の空間で保管されていた、時価総額2億円のチェロ・ストラディバリウスが盗まれてしまう……。
「さよならドビュッシー」では殺人事件もありましたが今回は誰も死にません(笑)
ミステリーの部分を楽しむっていうよりも、「青春小説」を読んでいる感じです。チェロを盗んだ犯人も、比較的早い段階でおよその察しはつきます。
ただ、エンターテインメントとしては、この作品よりも「さよならドビュッシー」のほうがやはりいいと思います。決してこの作品が悪いというわけではありません。。。念のため。
っていうのも、たぶん「ドビュッシー」の方は有名なピアノ曲がたくさん出てきて私の頭のなかでその旋律が再生されるのに対し、今回の「ラフマニノフ」が私にはよくわからなかったっていう点・・・それが一番なのでしょう。
あと、「ドビュッシー」の時も感じたのですが、文章は主人公目線で書かれていると思うんですね。しかし、両作品ともその語り手(主人公)の「秘密」を読者にまったくヒントを与えない感じなんですね。そしてこのシリーズの名探偵岬洋介が暴くという感じです。クリスティの名作「アクロイド殺人事件」にも似たような感じを受けます(・・・って、一番のネタバレかな?(爆))
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