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桜ヶ丘小学校4年2組の新任教師、岡野。まじめだが優柔不断で、生徒とうまく信頼関係を築けないばかりか、モンスターペアレントにも悩まされる日々。夫が海外に単身赴任中の雅美は3歳の娘・あやねとふたり暮らし。ママ友とはソツなく付き合い、良いママを演じていたが、自宅であやねとふたりきになると、つい手を上げてしまう。独居老人のあきこは、スーパーでお金を払わず店を出てきたところを店員の櫻井に呼び止められ、認知症への恐怖に襲われていく。それぞれに悩みや不安を抱えたとある町の住人たち。
WOWOW ★★★☆
見ていて本当に辛い映画でした。特に尾野真千子の「虐待母」は最高に怖かったです。
テーマは現代日本のどこにでもあり、毎日のようにニュースで聞くような「独居老人」「認知症」「自閉症」「虐待」「モンペ&学級崩壊」・・・物語の構成上、同じ町の中で起こる話ですが、もちろん我々の日常にも当たり前のように狭い地域内で起こっている話です。
私は立場上、子どもたちに関するいろいろな問題を聞きますが、実際はこの映画よりも「ありえない」話も多く、決して大げさな表現ではありません。
この映画も前半でいろんな問題を提示し、後半でそれらはもちろん解決することはないのですが、「すこしはまし」な展開になります。これもなかなかリアルな演出でどのような問題でも決して解決はしないんですね。昭和の時代の映画なら最後は「大団円」で終わるものですが、「現状よりもすこしだけまし」というこの映画の展開のほうが有り得る話だと思いました。
高良健吾演じる若い先生をみていると、多くの小学校の先生が彼のような感じで、彼らもいろいろな問題に直面しだんだん「先生」になっていくわけです。ただ、現代の若い先生たちは「先生」になる前に心を病んでしまい、教職をやめる人たちも多いわけで。長年子ども会や主任児童委員などで学校側と接する機会が多い私は先生たちの抱える問題が年々とても増えていくことを感じます。
尾野真千子演じる虐待に悩む母親も、彼女を理解してくれる人の出現によって「現状よりもすこしだけまし」な精神状態になります。自分自身の悩みを吐ける相手、聞いてくれる相手をいかに早く出会えることができるかということが大切な気がしました。
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