スケッチブック

写真と文章で、日常を記録に残す

多摩川の脇役たち(そはたれそ)

2006-05-03 15:45:13 | 季節


全部で6枚貼り付けてあります。
1ボーイスカウトのテント(笑) 
2タンポポ 
3、4イヌフグリ 
5は多分カラスノエンドウ 
6は知りません。
半年ぶりにバークレー(死んだ愛犬)と歩いた散歩道を野花を探して歩いた。沢山見付けたけれど、ほとんど名前が分からない。この場合、名前を知らないとどういう心理状態になるかよく分かった。一言で表せば”もどかしい”となる。

歩き疲れてアズマヤで休んでいると、自転車に乗った老人が近寄ってきて、ためらわずしてストーンとスタンドを立てた。だれか知り人かと思って見上げたら何処にでも居そうな見知らぬご老人。彼はすかさず「良いカメラですね。いくらくらいするんですか?」と聞いてきた。瞬時に二つのことが脳裏をかすめた。その1は「やはり俺は取っつきやすい風体になったのだ」と、あと1つは「相手はカメラに興味がある人なのだな」だった。色々話していると”デジタル”という言葉を知らないし”モニター”も知らない。

九州出身で昭和16年生まれだというから、私よりかなり年下だ。背中が丸くなっているし眉毛まで白い。意を強くした私は「しばらく話し相手になってやろう」と考えた。彼は一方的に話し始めた。元大工でバブルの頃は日当3.5万円で月に110万円になったこと。帰り道が怖くて電車の中で片手はポケットから出せなかったこと。カミサンと二人で10万円の束にして、20万は生活費であとは全部定期に積んでいった。カミサンは今でも働いていて、預金は続けている。それこそ立て板に水を流す如く喋りまくったのだ。

ではあるが、人の話は良く聞くものだとつくづく思った言葉が出てきたのだ。「カミサンは家の宝だ。大事にしないと罰があたると思っている。だから、今では掃除洗濯皿洗いはもとより、炊事さえやっている。長生きして貰いたいからなあ」としみじみとした調子で言ったのだった。


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16 コメント

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Unknown (ナツシバ)
2006-05-03 17:31:50
poloさん、お久しぶりです。こんにちは。

今日も素敵な写真を見させていただきました。

野に咲く草花。小さいけど良く見たらこんなにもキレイに咲いているのですね。タンポポの綿毛なんて「ふぅ~」と一息したらすぐにでも飛んでいきそう。上の写真では綿毛が一番好きです。

ご老人の話には笑ってしまいました。笑

いろんな話が聞けて良いですね。
聞き上手 (anikobe)
2006-05-03 18:49:12
誰かと話したいと思っている人に、聞き上手であることは、優しさがあるからです。



きっとこの人は、夕飯を食べながら、いとしのかみさんに、いいカメラを持った、いい人とであったよと話していることでしょう。



いい写真ですね。

イヌノフグリを、孫が3歳ぐらいの時、

「おばあちゃん、この花の名前、ハナガサキっていううんやで。いっぺんに、いっぱいさいとるやろ」と言いました。子供の感性ってすばらしいなぁと思ったものです。
Unknown (hiro)
2006-05-03 18:53:23
poloさん こんにちは。

初めての書き込みです。

すてきな写真と文章、楽しく拝見させていただいています。老人の話、身にしみます。

6番目の野草は恐らく「ムラサキサキゴケ」ではないかと思います。

ナツシバさん、こんばんは (polo181)
2006-05-03 20:00:57
コメントを有難う。お久しぶりですね。どうして居られるか少し心配しておりました。(微笑)野に咲く花もよ~く見るととても可愛い。しかし、若いときに勉強をしなかったので、ほとんどの名前を知らない。これからは少しずつ覚えて行こうと思っています。(手遅れかも知れないが)

タンポポの綿毛は、私も美しいと思いました。写真に撮っても立派な絵になるんだよなぁ。再発見です。

ご老人はよほど話好きとみえて、次から次へと喋った。でも、どれも聞くに値する内容だったと思います。
anikobeさん、こんばんは (polo181)
2006-05-03 20:13:03
コメントを有難う。冒頭からお褒めの言葉で恐縮です。ご老人はだれかと話したかったのでしょう。標的を私と定めて真っ直ぐ自転車でやって来ました。

そうでしょうね、彼は奥様のために今夜は何を作ったのでしょう。おさんどんを全部一人でやっているからと言っていましたからね。

お孫さんが三歳でねえ。子供の感性には驚くべきものがあります。ハナガサキですか。群生地があって、一面に点々と花が散らばっていました。野花を探し歩いた一日でした。
hiroさん、こんばんは (polo181)
2006-05-03 20:34:43
コメントを有難う。いつも読んで下さって、大変嬉しく思います。今後とも宜しくお願い致します。

フランスが生んだ天才思想家ジャン・ジャック・ルソーは著作”エミール”の中で、「最も無学な男の話に耳を傾けなさい、そこには必ず体験に裏打ちされた真理がある」と書いています。かの老人は心底奥様を大切に思っているのでしょう。「カミサンは家の宝だ」とは普通の人は考えがつかないことでしょう。それをあっさりと言ってのける。それだけに、値打ちのある言葉だと思います。

仰るとおり、6枚目はムラサキサギゴケ(紫鷺苔)(ゴマノハグサ科、サギゴケ属)だと分かりました。http://www.japan-net.ne.jp/~nagayama/y-hanaji/yhana-page/020abc-mu.html 貴方のお陰で、一つ賢くなりました。もう忘れることはないでしょう。堤防で見る限り、非常に少ない花だと思います。
野の花は (あまもり)
2006-05-03 21:39:21
やっぱりいいですね。大好きです。

poloさんも、もどかし仲間に入り込んでしまった。

もう抜けられませんよ(笑)

6番目の野草はムラサキサギゴケなんですね。

きれいな花だなぁと思いました。

紫鷺苔なんてpoloさんにかかわりが深い名前ですね。



カミさんは家の宝と言った方。宝と言われたカミさんもきっと素晴らしい方なんでしょうね。
あまもりさん、こんばんは (polo181)
2006-05-03 21:59:17
コメントを有難う。とうとう”もどかし仲間”に入ってしまいました。これからは楽しむ範囲が広がったので、喜ばしい限りです。実は今日撮影した中で未発表のものがいっぱい残っています。黄色くて小さな花です。もどかしいなあ。ムラサキサギゴケについてはHさんに教えて貰いました。鷺は分かりますが、なぜ苔なんだろう。そこのところが分からない。まあ、ボチボチ研究します。時間は十分ありますから、分からないことは一時ペンディングで、理解のチャンスを待ちます。

いやあ、参りましたね。あんな素朴な人が重い言葉を残すなんて。ある意味で、ショックです。
野の花 (スイポテ)
2006-05-03 22:40:54
野の花、「もどかし仲間」だなんて、あまもりさんは造語の天才ですね。

私も野の花は気になります。写してもみます。

でも、小さくてうまくカメラに収まりません。

カメラの性能もですが腕もないです。それに名前がわからないから(検索も下手だし)没ばっかりです。



それから…良いお話をありがとうございました。

なんだかほんわかしました。

人を見かけで判断してはいけませんね。

スイポテさん、こんばんは (polo181)
2006-05-03 22:49:59
コメントを有難う。貴女はこと植物については右に出る人が居ないほどよくご存じです。私は弟子入りしようかなと思っているほどです。と、言えば貴女は戸惑うでしょうから、「ご指導の程宜しくお願い致します」と申し上げておきます。あまもりさんの造語や略語は天才的です。我らはもどかし仲間ですね。Uさんのようには到底成れませんが、せいぜい努力はします。

かの老人が吐いた言葉は非常に重い。と言うよりは貴重です。人は見かけでは絶対に判断できません。語り始めたときは、こちらはちょっと迷惑気味だったけれど、とんでもない収穫を得ました。

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