好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 フリッチャイ/ベルリンフィル/聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊 他

2017-10-09 08:38:33 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…フリッチャイ
演奏…ベルリンフィル
合唱…聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊 他
好み度…4.5(5点満点)

出だしの強奏から緊張感に満ちた敬虔漂う響きが力強くも美しい。
テンポは自然に動かされ、一音一音に情が込められているかのようであり、一種切実感のような緊張感と美しさと力強さに満ちている。
低弦、高弦、木管、金管が随所に力強く残響も美しく現れ、あるいは力強く下支えをし、活力ある中に敬虔な響きをつくっているようにも感じる。
他の演奏よりは少ししっかりめに奏される第3楽章は、晴れやかに天上をゆくかのように美しい。
合唱はキビキビアクセントをつけた謳い方で、女声の声が強めに出て重さやスケール感というよりはしっかりした活力とともに機能的に明るく爽やかに歌い上げ、これは全体的にやや速めのテンポをとったこの楽章全体の印象ともいえるように思う。歓喜の歌はキビキビと速めに少しあっけないようでもあるが、少し後の、静けさの中から立ち上がる静かな合唱はハッとさせられるような音であり大変印象深い。フィナーレは堂々というタイプでなく明るく熱く熱狂を感じさせるような〆。
艶と張りが印象的な響きの中にときに敬虔さを帯びる激しさや力感を感じさせつつ、活力と、終楽章は明るさに満ちた、しかし深みと張り詰めた空気感を持った、名盤と呼ばれるに相応しい盤である。


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