練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン」展

2010-01-06 | アート
アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真は以前から好きなので、これはなんとしても見に行かないと・・・と出かけてきました。

「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン 東洋と西洋のまなざし」
東京都写真美術館
2009年11月28日(土)~2010年2月7日(日)

カルティエ=ブレッソンも木村もほぼ同じ時代に活躍し、ライカという同じカメラで被写体を追い、やがてお互いに交流を持つようになった二人なのだそうです。

今回の写真展で、二人の作品に共通するところ、二人が表現しようとしたものの個性の違い、などがよく分かります。

以前のカルティエ=ブレッソンの展覧会のレビューでも書きましたが、彼の作品は、フレーミング、構図、写りこんでいるものの選択がまさに「完璧」の一言。
かなり作りこんだ写真なのだろう、とは感じました。

今回木村の作品と見比べて思ったのは、木村がフレームの中に納めたかったのは、人間の暮らし、営み、生きている証・・・であったのに対して、ブレッソンは四角いフレームの中に地球上のアートを写し込みたかったのだろう、ということです。

木村の作品は、躍動感があり、猥雑な雰囲気もあり、いろんなものが写真に写り込んでいて、何が写っているのか細かく見るのも楽しいし、そんな中で時代背景、当時の社会も垣間見ることができ、基本的に人間の感情が伝わってくる写真作品が多いと思います。

ブレッソンの作品にもそのような意図が見られるものも多数ありますが、私が思うに、彼のシャッターを押す食指が動く対象物は、地上にある、面白い形、形象、意匠のようなものではなかったでしょうか?人物を撮っていても、その人物と背景が作る形、構図の面白さを優先させていたように思えます。
そして、その感覚が天才的であるからこそ、非常に緊張感のある、優れた作品をたくさん残したのだと思います。

二人の天才の作品を見て、私と同じように思う人、「いや、それは違うだろう」と思う人、いろいろいると思います。さまざまなことに思いが及ぶ、そのこと自体がすばらしい展覧会だと感じました。


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