先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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労働組合攻撃の武器とされたクローズド・ショップ制! 川北電気製作所の我が国初めての団体交渉権公認 1924年の労働運動 (読書メモ)

2022年06月16日 06時37分21秒 | 1924年の労働運動

労働組合攻撃の武器とされたクローズド・ショップ制! 川北電気製作所の我が国初めての団体交渉権公認   1924年の労働運動 (読書メモ)
参照 協調会史料

川北電気製作所で我が国初めての団体交渉権公認の協定!

(我が国初めての団体交渉権公認)
 1924年9月4日、大阪市の川北電気製作所は「純向上会(八木会長派)」との間で、我が国初めての団体交渉権を公認する協定を結んだ。純向上会は、「純向上会の団体交渉権確認は、日本労働運動史上特書大筆すべき一大成功である」「急進派を出し抜き見事に団体交渉権を獲得するに至ったのである。要するに歩みの鈍いとけなされた亀さんは、遂に己惚(うぬぼ)れたっぷりの兎を追い抜いてしまったのである。」と画期的な大成果として大々的に宣伝をした(上の「純向上新聞号外」)。しかし会社の本当の目的は、「労資癒着・愛国労働組合」である純向上会と手を結び、総同盟の機械工組合を壊滅させることにあった。

 川北電気製作所では、1922年(大正11年)解雇手当の制定をめぐった労働争議がおき、機械工組合員数は一時は800名を越えていた。社内では、総同盟機械工組合と八木会長系(純向上会)との対立が生まれていた。

 1924年6月、今福工場内の総同盟機械工組合員43名が結束して賃金2割増を要求した。この時以来純労働会の八木会長と会社側は秘密裡にボス交渉を繰り返した。6月20日定期昇給日に発表された昇給額はあまりにも少額回答だった。続いて6月22日、会社は43名のうちの11名を懲戒解雇にしてきた。また会社都合を理由に今福工場の労働者46名を解雇してきた。露骨な機械工組合攻撃であった。会社は、八木系(純向上会)と手を結び、今こそ機械工組合を工場内から一掃する腹であった。機械工組合数は180名と激減し、八木会長の純向上会は470名となった。

(クローズド・ショップ協定)
 会社と純向上会の間の団体交渉権公認協定の中に、採用に関しては純向上会と協議して決める、つまり「職工は純向上会員に非ざれば採用せざる事」のクローズド・ショップ協定(注1)があった。「労資癒着・愛国労働組合」の純向上会員以外の機械工組合などの労働組合員は雇わないということだ。

 現在の日本にも多くの大企業において、入社すれば、自動的に企業内の労組の組合員とされ、かつ労組を抜けると同時に会社から解雇されるというとユニオンシヨップ協定(注2)を結んでいることろは少なくない。本来労働組合員を優先して採用し労働組合員の雇用を守り、また労働者の団結を防衛する目的であったクローズド・ショップ協定とユニオンシヨップ協定を、まったく真逆のまともな労働組合を排除する武器としている会社と御用組合もある。
 今でも労働相談で、高い組合費ばかりとられて労働者のために何もしてくれない御用組合に怒り、組合を抜けたいと伝えると「だったら会社がお前をクビにするぞと脅かされた」と訴えて来る相談者も少なくない。100年前と変わらない手口ですね。 

(注1)
・クローズド・ショップ制とは
 採用時に特定の労働組合に加入している労働者のみを雇用し、脱退などで組合員の資格を失った労働者を解雇する協定。この協定は、18世紀半ばのイギリスの産業革命で労働組合が形成された際に職業別組合で多く導入された。労働組合員の採用を優先するアメリカなど産業別・職業別労働組合では一般的な協定(そのため、仕事をしたいと希望する者は、まず先に労働組合に加入しなければならない)。

(注2)
・ユニオンショップ協定とは
  ユニオンショップ協定とは、会社が労働者を雇用する場合、採用された労働者は必ず労働組合に加入しなければならず、もし、組合に加入しなかったり、組合を脱退又は除名された者については、会社はその労働者を解雇しなければならない、とする協定・制度。

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【ユニオン・ショップと御用組合】
ユニオンショップ協定や「名ばかり労働組合(御用組合)」で困っている仲間へ
東京東部労働組合
http://www.toburoso.org/unionshop.htm 

(ユニオン・ショップ協定による解雇は無効 )
  ユニオン・ショップ協定がある場合には,労働組合からの脱退者や除名者を会社が解雇することは,一般的に有効とえられています。しかし、企業内に複数の労働組合が存在し、別組合に加盟した場合,または新たに企業内に労働組合を設立した場合、ないしは社外の労働組合に加入した場合、多数組合が締結したユニオンショップ協定の効力は,判例においては,「労働者には,自らの団結権を行使するため労働組合を選択する自由」があるから,「ユニオン・ショップ協定のうち,締結組合以外の他の労働組合に加入している者及び締結組合から脱退し又は除名されたが,他の労働組合に加入し又は新たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は,右の観点からして,民法90条の規定により,これを無効と解すべきである」としています(三井倉庫港運ショップ制解雇事件・最高裁判決 平元.12.14)。
このためユニオンショップ協定を結んでも, 他組合の組合員を解雇することはできません。  

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