先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
https://www.youtube.com/watch?v=0us2dlzJ5jw

詩「須賀爺」根岸正吉 プロレタリア詩集

2023年08月30日 07時00分00秒 | プロレタリア詩集

⁂感想
 今、会社や工場で働く者、非正規労働者、派遣労働者、外国人労働者・・への差別、低賃金、長時間労働、過酷な労働、残業代未払い、不当解雇、セクハラ、パワハラなど違法行為の横行は一向に減ることはない。そして職場には性格の悪い、労働者の誰からも憎まれている上司「須賀爺」がいる。どこの職場でも例外なく「須賀爺」がいる。「須賀爺」はたまたまいるのではない。差別と搾取の資本主義社会における職場には必ずいる。100年前からいて今もいる。

 この憎い「須賀爺」に出会ったらどうしたらいいのか。毎日毎日泣き寝入りして我慢して働き続けるのか。ケンカして会社を辞めるのか。労働者にはこの二つの道しか選択肢はない。否、第三の道がある。うつ病になるほど苦しんで耐えなくても、生活を犠牲にして会社を退職しなくてもいい第三の道がある。まともな良心的労働組合だ。東部労組では、職場の労働者が立ち上がって悪人職制を追い出したケースは幾つもある。女性たちが立ち上がってパワハラ・セクハラ上司を放逐させた職場もある
 日々「須賀爺」に苦しめられている皆さん!  第三の道をぜひ選んで欲しい。


須賀爺
根岸正吉(N正吉)

須賀爺

須賀爺の面の憎さよ。
あの
額に寄する残忍の皺よ。
冷酷のまなざしよ。
憎らしき靨《えくぼ》よ頬っぺたの穴よ。

須賀爺の面の憎くさよ。
今日も亦|緯糸《よこいと》をたぐりしと叱りし。
解雇するぞとおどかせし。
そんなに叱るなよ。罵(のの)しるなよ。
おれは慣れないのだ。
機台の前に立つさえ怖いのだ。
あの杼《ひ》の音|箴《おさ》打つ音にも驚くのだよ。

須賀爺の面の憎さよ。
おれのみが憎むのではない。
みんなだ。
時間が十二時を打っても機械が止まっても
汽笛の鳴らぬ間《うち》は
飯食いにやらぬと出口に立ち塞がる。
あの面の憎くさよ

(『新社会』1916年6月号にN正吉名で発表 1920年5月日本評論社刊『どん底で歌う』)

*根岸正吉(ねぎし しょうきち)
https://kotobank.jp/word/%E6%A0%B9%E5%B2%B8%E6%AD%A3%E5%90%89-1099889
1892-1922 詩人,社会運動家。
1892年(明治25年)生まれ。社会主義運動に共鳴し、工場ではたらきながらN.正吉の名で「新社会」などに詩を発表。1920年(大正9年)日本社会主義同盟の結成に参加した。1922年11月12日死去。31歳。群馬県出身。伊勢崎工業卒。詩集に「どん底で歌ふ」(共著)。



最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
マルテンサイト千年 (グローバルサムライ)
2024-05-06 19:32:38
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタインの理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。