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WEB上のニュースや新聞などで扱われたエホバの証人のニュースを取り上げます。シリアスな話題から笑えるニュースまで。

イスラム教が優勢なレバノンで集まりあうエホバの証人たち

2012-08-13 19:35:01 | 励みとなるニュース
レバノンでは内戦が絶えず、なかなか政治的に安定しない国ですが、2012年の年鑑によると、約3600人の伝道者が65の会衆で活発に活動しています。しかし、他のイスラム国家、例えばマレーシアなどと同様、イスラム教徒を改宗される事は禁じられており、集会や奉仕の様子も日本とは多少異なっているようです。

あるアメリカ人の記者が、レバノンのエホバの証人の記念式に交わった様子がロサンゼルス・タイムスに掲載されました。今回はその記事をご紹介します。第三者から見た記念式の様子が興味深く描かれています。


■イスラム教の優勢な中東でひそかに集まるエホバの証人たち
 Los Angeles Times

白と黒のシャネルで優雅に身を包んだレバノン人の女性が立ち上がり、フィリピン人の出稼ぎの女性に席を譲ってこう言った。「どうぞ、座って下さい。私は別のいすを探してきます」

裕福な地元の人たちが、アジアからの出稼ぎ人を虐待したり搾取することが良く見られるここレバノンでは、これはちょっと珍しい光景であった。ベイルートの郊外でひそかに行なわれたエホバの証人の集まりでのことである。

最近、200人以上のエホバの証人が、首都ベイルートの北部にある立派なビルディングの地下の集会所に集まった。中は二つの部屋に分かれており、一つは英語を話す人、もう一つはシンハラ語を話すスリランカ人のためであった。

他のアラブ世界とは異なり、レバノンは他の宗教に寛容であることで知られている。しかし、それでも制限はある。特にエホバの証人のように、登録されていないかもしくは政府より公式に認知されていない宗教はなおさらである。

レバノンには15以上の王国会館があるとされている。そこに集う人たちは嫌がらせを受けたり、追放される恐れもあるが、今のところ受け入れられているようである。「私の雇い主はギリシャ正教会なんです。でも、彼女は私がエホバの証人であることが好きなんです」と若いフィリピン人女性は言う。「彼女は私が信頼出来ることを知っています。彼女は私に集会に行っていいと言ってくれるんです」

西側(自由な西洋)の国とは違い、彼女は家から家の伝道を行なうことは出来ない。アラブ諸国では、イスラム教徒に改宗を勧めることは処罰の対象となるのである。レバノンでは宗教の自由が憲法で謳われているが、政治と宗教をミックスした法律があり、地域ごとに認可された宗教共同体が、結婚・離婚・子供の保護といった個人が関係する事柄について、独立した市民裁判所で判決を下す権利を有している。

エホバの証人たちは、抑圧され静かにさせられている少数派のようだと感じていると言った。東方典礼カトリック教会の一派であるマロン派が特に彼らを攻撃しているそうである。「彼らは私たちについてうそを広めています。私たちがユダヤ教徒というのです」とアルメニア人の証人は述べた。

エホバの証人は比較的歴史の新しい宗教である。19世紀の終わりに、チャールズ・テイズ・ラッセルというアメリカ人が聖書研究のグループを作り、「シオンのものみの塔」を発行した。1931年にそのグループはエホバの証人に名前を変えた。

信者たちは、1914年に終わりの日が始まりハルマゲドンが近づいていることを信じている。彼らはたった一つの祝日を守っている。イエスの最後の晩餐、あるいは彼ら流には記念式と言われるものだ。アラブ諸国を含め、世界中で1,800万人の熱心な信者や改宗者たちが集まるとされている。ブルックリンを本部として、証人たちの活動や宗教刊行物の出版、教義を広めることなどの監督がされている。

ここベイルートでの記念式は「兄弟たち」の一人による歓迎の言葉で始まった。その後、別の成員が話をするためにステージに上った。彼は自分たちの信条について論じ、新約聖書から聖句を読んだ。それによると、ハルマゲドンの後、14万4千人の信者のみが天からイエスと共に支配するということである。

証人たちは静かに話を聞き、立って祈りをすると言われた時にはそのようにした。最後に話し手は、新しく来た人たちの家に、経験のある証人たちが訪問して聖書を教えることが出来る、と言って話を終えた。

二人のレバノン人と二人のアフリカ人の成員が無酵母パンの皿と赤ワインのグラスを取るためにホールの前方へと歩いて行った。

記念式が終わると、彼らは自分の席を立って周りの人と静かに会話していた。ガーナ人とフィリピン人の夫婦は「宿題を終わらせるために」娘を家へと急がせていた。レバノン人の男性は彼の小さな息子を肩に乗せて歩いていた。あるレバノン人の女性はフィリピン人の女性とくすくす笑いながら話をしていた。彼らのほとんどは笑顔を見せながら新しく見る顔ぶれみんなと握手をしていた。

「出来ればまた、火曜日にお会いしてお話したいですね」と若いレバノンの男性は親切にアメリカ人の初めて来た出席者(つまりこれは筆者のことであるが)に言った。「あなたはいつ来ても、ここでは歓迎されていますよ」