アニリール・セルカンの研究不正・詐欺事件

東大助教で、自称 宇宙飛行士候補のアニリールセルカン(松村秀一研究室)の経歴詐称・業績捏造・研究盗用の追及ブログ 

東芝エレベータ 「未来エレベーターコンテスト」 への通報

2009-10-02 | アニリール・セルカン
Subject: 「未来エレベーターコンテスト」の審査員 アニリール・セルカン氏について
To: fevcont@ecraft.co.jp
CC: souhei@atelierimamu.com, info@atelierimamu.com, holonomy@aa.bb-east.ne.jp, anzengaku@gma
il.com, *****@***.keio.ac.jp, y3-kobayashi@nri.co.jp


東芝エレベータ株式会社
「FUTURE DESIGN 2009未来エレベーターコンテスト」事務局
担当:斎藤・清水様
Cc:  コンテスト審査員: 今村創平様、NPO法人安全学研究所理事 辛島恵美子様、慶応義塾大学環境
情報学部准教授 田中浩也様、株式会社野村総合研究所 小林庸至様


清秋の候、ますますご発展のことお慶び申し上げます。
突然で申し訳ありませんが、御社主催の以下の行事について、僭越ながらご注意を喚起申し上げたく一筆啓上する次第です。
http://www.toshiba-elevator.co.jp/elv/newsnavi/volumes/contest/2009summary.html
主催: 東芝エレベータ株式会社
「FUTURE DESIGN 2009未来エレベーターコンテスト」


予定講師のうちの一人、アニリール・セルカン氏は「トルコ人初のNASA宇宙飛行士候補」とされており、御社ホームページ内の上記コンテストの審査員紹介ページ(http://www.toshiba-elevator.co.jp/el
v/newsnavi/volumes/contest/2009judge.html
)においても、そのように紹介されています。しかし、残念ながら、最近になってその肩書きに重大な疑念が生じております。アニリール・セルカン氏の著書には、「2004年にNASA宇宙飛行士候補に選ばれた」という記述がありますが、これには以下のような深刻な疑問点があります。

(1) NASAの公式ホームページには、米国内外のいままでのNASA宇宙飛行士および宇宙飛行士候補が掲載されていますが、この中にアニリール・セルカン氏の名前はありません。
http://www.jsc.nasa.gov/Bios/astrobio.html (米国人宇宙飛行士)
http://www.jsc.nasa.gov/Bios/astrobio_international.html  (非米国人宇宙飛行士)
http://www.jsc.nasa.gov/Bios/ascanbio.html (宇宙飛行士候補)
  
(2)アニリール・セルカン氏の著書「ポケットの中の宇宙」や、和歌山大学での講演会ホームページ等に、「(アニリール・セルカン氏が)2004年に宇宙飛行士候補に選ばれたときの写真」とされるものが掲載されています。しかし、
(a) そもそも、通例として、宇宙服姿での写真は具体的な飛行計画が決まってから公表されます。宇宙飛行士候補に選ばれた時点で宇宙服姿の写真がNASAから公表されることはありません。
(b) 宇宙服の型が古いです。1999年以降は、肩と腕の継ぎ目のない新しいモデルが使用されています。
(c) NASAのロゴ(記章)が古いデザインのものです。このデザインは、1992年以降原則として利用されていません。
(d) 胸の「ミッションパッチ」は飛行計画ごとにデザインされるものですが、アニリール・セルカ
ン氏の写真に見られるのは1992年のミッション STS-49のものです。
(e) 各国からNASA宇宙飛行士に選ばれた場合、宇宙服の腕には宇宙飛行士が国籍を持つ国の国旗がつけられますが、アニリール・セルカン氏の写真ではトルコ国旗ではなく米国国旗(星条旗)となっています。
(f) 以上より「アニリール・セルカン氏の宇宙服写真」は1992年の別人の写真を元にした捏造である可能性が示唆されます。実際に、問題の写真と細部まで酷似した別人(宇宙飛行士 Richard J. Hieb氏)の写真がNASA公式ホームページに掲載されています。
詳しくは、参考リンク http://blog.goo.ne.jp/11jigen/e/16c6e1dc8be266e854d4d7a841abfb61 をご覧下さい。

これらより、アニリール・セルカン氏の主張する「トルコ人初のNASA宇宙飛行士候補」という経歴は捏造の疑いが極めて強いと言えます。このような疑惑のあるままで同氏を審査員として採用することは、御社の信用にも関わることですので、是非適切な対応をお願い致します。もしこの経歴が捏造であった場合、氏の「NASA宇宙飛行士候補」と言う経歴を信じてコンテストに応募される大学および大学院、高等専門学校、専門学校の在学生の多数の方々に対して取り返しのつかないことになってしまいます。また、アニリール・セルカン氏以外の審査員であられる今村創平氏、辛島恵美子氏、田中浩也氏、小林庸至氏、原田豊氏にもご迷惑がかかることになるのではないでしょうか。現在、東京大学・文部科学省をはじめ、関係各機関に問題を通報中ですが、調査を経て正式な発表までにはまだ時間を要し、コンテストの応募締め切り後や審査後になってしまう可能性が高いと思われます。


突然このようなお手紙を差し上げても、なかなかすぐには信じて頂けないかもしれません。その場合には、是非NASAや東京大学などの関係機関に照会して、「確かにアニリール・セルカン氏はトルコ人初のNASA宇宙飛行士候補である」と言う保証を責任を持てる方から受け取って頂くようお願い致します。もしアニリール・セルカン氏が氏の主張するように実際にNASA宇宙飛行士候補であれば、このことには何の問題もないはずです。

(参考連絡先)
松村秀一 教授(アニリール・セルカン氏所属研究室の教授)
〒113-8656 東京都文京区 本郷7-3-1 東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻 松村・藤田研究室 工
学部11号館8階
E-mail: smatsu@buildcon.t.u-tokyo.ac.jp 
Tel:03-5841-6154
FAX:03-5841-8518
東京大学大学院 工学系研究科長
保立和夫 教授
E-mail: hotate@sagnac.t.u-tokyo.ac.jp
Public Communications Office
NASA Headquarters
Suite 5K39
Washington, DC 20546-0001
(202) 358-0001 (Office)
(202) 358-4338 (Fax)
public-inquiries@hq.nasa.gov (E-mail)

さらに、2006年にセルカン氏が著書『宇宙エレベーター』(大和書房出版)で発表した「ATA宇宙エレベーター計画」は、1999年にNASAのMarshall Space Flight Centerで開かれたワークショップで発表された ”LEO space elevator concept”に、コンセプト(全長4000km、先端の高度150km)、概念図ともに酷似しており、剽窃が疑われています。(具体的には、http://blog.goo.ne.jp/11jigen/e/532ac2b85fb95b76fed6a4d8485a4059をご覧ください。)
この疑惑は、アニリール・セルカン氏の審査員としての採用について再検討して頂く十分な理由になるものと考えます。

アニリール・セルカン氏には、上述の宇宙飛行士候補にまつわる疑惑や、「ATA宇宙エレベーター計画」に関する剽窃・盗用疑惑の他、著書や論文における多数の盗作・盗用疑惑なども明らかになっております。例えば、アニリール・セルカン氏は「宇宙物理学者」であり11次元宇宙の研究で受賞したことになっており、御社のホームページ(http://compe.japandesign.ne.jp/ap/01/arc/future_design2009/
においても、アニリール・セルカン氏を「宇宙物理学者」として紹介されていますが、氏を著者とする物理学に関する論文は一編も発表されていません 。 また、東京大学、およびJAXAのホームページ等で公表されていたセルカン氏の業績リストに掲載されていた物理学の論文は、現実には存在しない架空のものです。(詳細については、http://blog.goo.ne.jp/11jigen/e/b60bba756833648cbcc98e4d5a96e2fbをご参照ください。)
また、ご参考までに、2009年10月17日に台湾(台北)にてデザイン関係の大きなイベント「TEDx Taipei」が開催され、アニリール・セルカン氏も招待講演者として予定されていました。しかし、同氏の経歴に関する疑惑が世話人の知るところとなり、イベント直前にアニリール・セルカン氏の招待は急遽取り消されました。
参考:当日の講演者とプログラム
http://tedxtaipei.com/ 
事前のアナウンス
http://blog.yam.com/loveseadiving/article/24246058 )

さらに、2009年11月5日に宮城大学地域連携シンポジウムで予定されていたアニリール・セルカン氏の講演についても、疑惑の通報が寄せられた後に取り消されました。
参考:取消変更後のシンポジウムポスター
https://docs.google.com/fileview?id=0B7jqEieedztSMjU3Mzg0MmEtNWJkNS00NmU0LWI1NTktNTFiNDNjYmQ1MDVl&hl=en事前のアナウンス 
http://www.pref.miyagi.jp/kohou/kenseidayori/200910/information/moyooshi.htm

以上、御検討と適切な御対応を心よりお願い申し上げます。

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