僕の詩集

「人間・人生・生きる」をテーマに、色々な角度から人間を描写し、格言詩を目指しております。
読みやすく解りやすい詩です。

僕の詩集No.1285【 絵画と詩 ( 2 ) 】

2017-04-16 09:50:02 | 
   絵画と詩 ( 2 )

          にのみや あきら


デパートの展示コーナーで
耳にしたことのない名前の画家の
絵を観た
印象派の絵で
写実的で素晴らしかった
絵には
五十万、六十万、百万円などの
値段が付いていた
売約済みの札も目立った
複製かと思って係員に尋ねた
原画だった
丹精込めて描いた絵を
手放すのだ
心を切り売りしているようなもの
自分の分身との別離

詩にはそんなことはない
詩集を出しても
買ってもらった人に
読んでもらうが
楽しんでもらうだけで
作者と作品との別離はない
画家はどんな思いで
手放すのだろう
心は奪われるが
金が入るからいいのか
でも悲しい現象
詩を創る者には
理解できない

詩もある意味では
同じかもしれない
読まれると読者に
詩の心を奪われてしまう
でも画家のそれとは違う
同じ芸術でこうも違う
手元になにも残らない絵画の方が
心を供与してしまう絵画の方が
本当の芸術なのだろうか
コメント
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