僕の詩集

「人間・人生・生きる」をテーマに、多彩な角度から人間を描写し、格言詩を目指しております。
読みやすく解りやすい詩です。

僕の詩集 No.4 【 天国と地獄 】

2015-05-31 05:55:54 | 
   天国と地獄

         にのみや あきら

疲れ切った僕が
骨と皮だけの僕が
煎餅蒲団に横たわっている

僕の人生もここまで
もうこの世の終わりだ
この疲れが取れない限り
会社に行く気はしない
こんな疲れでは
何をする気力もない
僕も年だ
働くのもこの辺でお仕舞い
重苦しい悪霊が
走馬灯のように駆けめぐる


地獄の淵で見ていた悪夢から
目が覚める
重苦しい体調はそのまま
疲れ切った身体を洗面所へ
歯を磨き顔を洗う
疲労感が少し拭いさる
ト-ストとコーヒ-と
ハムエッグの朝食
疲労感を拭い去り
意識も体調も自分の
ものになる
不思議だ
昨夜のあの悪霊は
何だったのだろう
まだまだ僕は若い
良い仕事をするのは
これからだ
若い者に負けてたまるか
月曜日
火曜日
調子が出てくる
水曜日
木曜日
少し疲れが出る
金曜日
土曜日
疲労感が
精力が減少する
やはり僕は駄目なのか
やっとの思いで日曜日へ
滑り込む
どんなにもがいても
どんなに背伸びしても
もうこの年になれば
この周期は変えられない
ああ、あの悪霊に
また出会うのか
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕の詩集No.3【 遠 い 記 憶 】

2015-05-30 22:22:38 | 
   遠 い 記 憶

       にのみや あきら

自分が何者なのか
意識さえない
父がいて
母がいる

正門からは入らず
横の垣根を壊して
引越し用の大八車を
中庭の花畑に突っ込んだ
斜めになった大八車の
荷物の中に蹲って僕は
郊外の畑に囲まれた
これから住む家を眺めた
寒さで小踊りする程ではなかったが
無性に心が弾んでいた

僕の人生の記憶はここから始まった
ほんの僅かな時間の違いなのに
たったいま後にした居宅のことは
全く覚えていない

自分が何者なのか
どんな人生を歩むのか
まだ意識すらない
ただ朝鮮の気候が
僕の心を厳しく包んでいた

僕の人生の記憶は突然ここから始まった
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕の詩集 No.2 【 記憶と時間 】

2015-05-30 13:52:44 | 
   記憶と時間

        にのみや あきら


時間が記憶を食べて行く
食べ切れないほどある記憶を
次から次へと食べて行く
美味しい記憶も
苦い記憶も
選り好みしないで食べて行く
そして二度と
吐きだすことはない


時間が記憶を奪って行く
奪っても蓄えることはしない
奪って体内で消滅させてしまう
貴重な記憶も
ねじれた記憶も
おかまいなしに消滅させてしまう
そして二度と
甦らせることはない


時間が記憶を追っかけている
逃げても逃げても追いかける
追いつかれた記憶は
体力を失い
擦り切れ
時間的感覚を失い
1ッの塊になる
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕の詩集No.1 【 青 春 】

2015-05-30 13:16:04 | 
  青 春

     にのみや あきら


君の優しさがあれば
なにもいらない

君の愛があれば
なにもいらない

僕の心は
初夏の陽炎に乗って
空高く舞上がる
七色の風船のよう

君の優しさがあれば
なにもいらない

君の愛があれば
なにもいらない

僕の人生
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする