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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

セゾン投信「第6期運用報告会」その1

2013-01-29 18:25:57 | 直販投信

今日はメディア・FP向けのセゾン投信「第6期運用報告会」がありました。

内容は
●「第6期運用報告(2つのファンド)」と運用方針についての報告(瀬下ポートフォリオマネジャー)
●今期の振り返りと次ステージの事業戦略(中野社長)
●スタッフ紹介

です。順番は逆になりますが、先に中野社長が語った事業戦略についてポイントのみまとめました。

●セゾン投信の一番の強みは顧客構成。30代が34.2%、40台が28.6%。40代以下が4分の3を占める。コツコツ積み立ても多い。

●純資産総額が約650億円になった。単年度黒字化がそこまでみえてきた。
●経営が安定するのは700億円を超えたあたり。

●新しいお客様を、1万人ペース/年間にあげていきたい。将来的に8万人くらいの規模になると、今後、思いきった戦略が打てるようになる。たとえば、運用管理費用(信託報酬)の引き下げに向けて動けるようになる。米国バンガードのように将来的にはそうしたこともやっていきたい。
●また、コストを下げるだけではなく、運用チームの拡充、サービスの拡充(たとえばWeb)などにも取り組みたい。

●直販にこだわってきたが、新しい販路も考えていきたい。セゾン投信のカルチャーにシンパシーを感じてくれる販路があれば、排除することはない。
●確定拠出年金で、(資産を)育てるという役割を果たしていけないかということも考えている。

●長期投資のコアである投信を2本作ったが、将来的にはサテライトのファンドも考えたい。

<質疑応答>

-401kにどう参入するのか?
・(企業型)確定拠出年金の(運営管理機関)は大手の寡占。べらぼうに高いみかじめ料をとる。そこに入るのではなく、別の観点から考えていきたい

-日本版ISAに対しての評価・対応は?
・(非課税期間が)5年であり、中途半端。ただ、制度はないよりはいい。
・ISA口座については逡巡している。いまの段階では「やります」とも「やりません」ともいえない。システム開発にかなりの負担がかかるからだ。

(続く)


三菱UFJ投信の意見交換会に参加しました

2013-01-24 19:44:15 | 投信

昨日は、三菱UFJ投信さん主催の意見交換会がありました。
三菱UFJ投信さんがeMAXIS(イーマクシス)シリーズを使ったある企画について、率直に意見を出してください、ということだったのですが…、
会場に到着すると、マネー誌や金融専門誌などのメディア、投信評価会社、ネット証券、ファイナンシャルプランナー、投信ブロガーさんなど、そうそうたるメンバーが参加されていました。 

最初に、後藤俊夫社長からのご挨拶。
・eMAXISシリーズは
①明確なコンセプトをもとう(→幅広い品揃えの廉価な商品を提供)
②投資家とのコミュニケーションを取る(→HPの見直し、ゴメスからNo1の評価、ブロガーミーティング、次に出す商品を投資家によるアンケートで決定など)を心がけた。
・2012年現在、シリーズ合計で残高は450億円。右肩上がりに増えている
(注;残高が多いのは新興国株式161億円、先進国株式86億円。逆にバランス型は波乗り3億円、8資産均等6億円と少ない)
・これからも投資家目線の商品提供を心掛けたい

大手運用会社のトップが、こうして投信に関わる人たちに直接語りかけるのは大変珍しいことだと思います(後藤社長、ご挨拶だけでなく、その後の意見交換会にもずっと参加されて、時には質問も投げかけてらっしゃいました)。

その後、担当の方から「eMAXIS これまでの取り組みと今後の展開」についての説明があり、その後ディスカッションに。企画についてだけでなく、「なぜ日本に投資が根づかないのか?」といった議論も行われ、

・作り手の顔が見えない
・もっと投資についてポジティブな面を伝えられないか
・いきなりアセット・アロケーションはむずかしい。生活資金、使うお金、残ったお金を投資に回すといったあたりから説明が必要
・投信は制度を活用(DC、日本版ISA)した普及を考えるべき
・今は少額から積立投資できる。化粧品の試供品のようにまずはお試しをしてもらいたい
等など、幅広い意見がでました。

具体的な企画については、今回の意見も踏まえて後日正式に発表されるようです。決まりましたらお知らせしたいと思います。

投信の場合、(直販を除いて)販売会社を通して投信を購入するため、どうしても、受益者(投資家)にとっては作り手(運用会社)が、作り手にとっては投資家がみえないという状況があります。いろいろ制約はあるとは思いますが、「作り手がみえる」「(投資した)お金の行き先がわかる」ような工夫って、もっとできるのではないかと思うのです。今回のように受益者、運用会社、そして販売会社がみんなで知恵を出し合えば、ヒントが見つかるかもしれません。それぞれの立場から「いい商品を育てていこう」という意識を持つことが大切なのだと改めて感じた意見交換会でした。


お知らせ

2013-01-22 23:49:13 | 近況

最近の活動およびこれからの予定についてまとめてお知らせ致します。

●1/18(金);『一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門』(ダイヤモンド社)が発売になりました。
⇒タイトル通り、投資信託の入門書です。投資信託は少額(通常は1万円、積み立てなら500円~)で分散投資できる金融商品なのですが、株式に比べてわかりにくい、とっつきにくいと感じる方が多いようです。種類や本数がとても多いこと、専門用語がたくさん出てくること、そしてしくみがわかりにくいというのがその理由です。そこで、投信に興味をもったり、購入を考えたりしている方が本書を読めば「ひと通り基礎知識が身につく」ように、図やイラストをふんだんに使って、できるだけ分かりやすく執筆したつもりです。

●2/8(金);『金融機関がぜったい教えてくれない 年利15%でふやす資産運用術』(かんき出版)の出版記念セミナーを行います。
→1/9に発売された著書(⇒内容は「個人型確定拠出年金」についてまとめた本です)。本で書ききれなかったことも含めて、お話したいと思います。
→詳細・お申込はこちら

●2/16(土);宮城県仙台市の仙台シルバーセンターで「Date FM的 銀杏坂投資専門学校 課外セミナー」と題したイベントに出演します(証券知識普及プロジェクト/Date fm主催)。
→第1部『自分らしい人生設計とお金とのつきあい方』安藤美冬さん/第2部『10年後にハッピーになれる!今日からはじめる投資入門』→竹川/来場者参加型トークショー『ためになる投資のイロハ』
→詳細・お申込はこちら

*3月末まで毎週木曜日16時~16時15分まで「Date fm的 銀杏坂投資専門学校」という番組に出演しています。投資未経験者、初心者向けの番組です。東北にお住まいの方はぜひお聴きください。

●3/2(土);「横浜サカエ塾」創立記念セミナーの第2回目で講師を務めます。テーマは「1時間でわかる! 資産形成入門」です。
→横浜サカエ塾は辛口コメントでお馴染みの(笑)後田亨さんが代表を務めている(社)バトンが運営しています。私は創立記念セミナーの第2回を担当致します。セミナー後半は後田さんとのトークセッションです。第一回は満席だそうですが、第3回の家計の見直し相談センター、八ツ井慶子さんの「増税時代の家計見直し」も面白そうですね!

横浜サカエ塾 トップページ→こちら
セミナーの詳細・お申込はこちら


お陰さまで増刷が決まりました

2013-01-09 15:30:59 | ニュース

1/9に『金融機関がぜったい教えたくない 年利15%でふやす資産運用術』(かんき出版)が正式発売になりました。

本書はおもに個人型確定拠出年金に(個人型DC)ついて記したものです。個人型確定拠出年金は、企業年金制度のない会社員や自営業・フリーランスの方が加入できる制度です。会社員や自営業の方が”節税機能”付きで貯蓄や投資ができる制度・商品はそうそうありません。個人型DCや企業型DCを利用して、個人が掛け金を支払うと、自分の老後のために積み立てをしながら、所得税や住民税を大幅に減らす効果があります。節税効果を考えるとこれほど有利な商品はありません。 公的年金不安からやみくもに節約に走ったり、金融機関で”年金向け”をうたった商品を購入したりする方が多いのが現状ですが、その前に、こうした税制的に有利な制度・商品を知って、活用していただきたいと思っています。

 これまで確定拠出年金(DC)の本といえば、専門家向けに制度を解説したものがほとんどでした。一般のかたの関心は高まりつつあるのに「個人が気軽に読める本がない」という声をたくさんいただきました。そこで、個人型DCのメリットや金融機関選び、活用法などをわかりやすく説明した本を書きたいと思った次第です。

*昨年12月22日から一部書店で先行販売を行ってきましたが、お陰様で増刷が決まりました。

ブログでご紹介いただきました。ありがとうございます!

●日本生活設計「スマートブログ」
竹川美奈子さん『年利15%で増やす資産運用術』は一家に一冊! 非課税効果が年率30%強も嘘ではない確定拠出年金徹底活用本

●後田亨オフィシャルブログ
ありそうでなかった「確定拠出年金」の本

●ほぼ日blog~通勤読書で継続力を高めよう~
【読書日記】0.4%の人が実践している運用法とは?-「年利15%でふやす資産運用術」

<2013.01.15>
●rennyの備忘録
タイトルも帯もアレレレですけど、自営業・フリーランスの方は、ご一読いかがでしょうか(会社員の方も)
(→rennyさんのご指摘はごもっともです。個人型DCのDATA収集には非常に手間がかかりましたし、よく知られていない制度なので、執筆の際にもわかりやすく説明するように心がけたつもりです。が、最後にタイトルがこうなってしまうとは…。出版社が決めたものとはいえ、私自身もその点に関しては悲しい思いでいっぱいです)。


●"いい投資"探検日誌 from 新所沢
金融機関がぜったい教えてくれない 年利15%で増やす資産運用術


投信スーパーセンターの新規口座受付停止

2013-01-05 17:21:50 | ニュース

「投信スーパーセンターの新規口座開設のお申込は、(2012年)12月28日をもちまして受付を停止いたしました」というお知らせが発表されています。口座保有者はこれまで通り取引できるようですが、新規の口座開設はできなくなります。SMBC日興証券のダイレクトコースでほぼ投信スーパーと同じ商品を取り扱うようになったので、そちらで口座開設してください、ということのようです。
詳しくはこちら

さて、投信スーパーセンターですが、当初はコーディアル・コミュニケーションズ㈱が運営していました。同社は2004年10月に設立。当初は投資教育やメディ ア、イベントプランニングなどを行う会社でした。
【プレスリリース】コーディアル・コミュニケーションズ株式会社の営業開始について

そして、2006年10月から投信販売を行う専用サイト「投信スーパーセンター」立ち上げ。スーパーマーケットのような売り場構成で投信を分類する見せ方に加え、約550商品を扱うことで話題を集めました(以前は東京や埼玉、千葉、神奈川に店舗を構えたり、移動ショップ「投信スーパーカー」を走らせたりしていましたね…懐かしい)。

しかし、2008年に、コーディアルコミュニケーションズを吸収合併する形で、投信スーパーセンターは日興コーディアル証券(当時)が引き継ぐこととなります。
【プレスリリース】日興シティホールディングス、コーディアルコミュニケーションズの事業を再編

そして、今回の決定です。投信スーパーセンターは当時はまだ珍しかった、年金積立インデックスF海外株式や年金積立インデックスF海外債券といった、低コストな運用管理費用(信託報酬)+ノーロードの海外もののインデックスファンドを取り扱うなど、ガンバっていたのですが…。ネット証券の投信の取り扱いも増えて差別化することが難しくなった面もあるでしょう。そして、大手証券の場合、店頭販売とネットの両立は……やはり難しいのがもしれませんね(野村Gの野村ファンドネット証券、ジョインベスト証券も結局はなくなってしまいました)。