人様にご指導させて頂くと云う職業に携わって何年も経ちますが、これに関して「慣れ」と云う言葉は皆無ですね。
私の場合は、0からご指導させて頂く事。
0と云う数字には「まっさら」と云うイメージがございますが、そうではないんです。
特に成人した方達は永年培っていらしたご自分の字のスタイルをお持ちです。
それを壊して頂く事から始まるのです。
1番難しいひらがな。
50音からのお勉強。
例えば、ある生徒さんはどうしても「あ」と云う文字が書けない。。。
頭では分かっていても、いざ、筆や万年筆(うちの書道館ではペン字の場合、万年筆は必須です)を持った時、思う様に書けないのです。
授業時間、そのたった一文字の為に、生徒さんは全神経を集中し取り組む事になります。
私の指導で時間内に納得出来る形にならなかった場合、何に問題があるのか、その生徒さんと同じ様に何度も何度も書いてみます。
そうすると、不思議ですね、原因・問題点がハッキリと見えてくるのです。
授業中にご理解頂けなかったのは指導者の私の責任。
探偵ではありませんが(笑)何故書けないのか原因究明をし、そして確実に解明しなければいけないのです。
解明する迄、1週間かかる事もございます。
それが解決した時、1番の笑顔を下さるのは当人の生徒さん。
そんな時は指導者冥利に尽きますね(^_^)/
指導とはまず、「当然」「当たり前」と云う言葉を消し去る事。
指導者とは、生徒さんと同じ目線迄戻る立場の者。
私は日々この様な気持ちで精進しております。
そしてもう一つ大切な事。
それは生徒さん達から学びを頂く気持ち。
これがなければ、指導は出来ません(^_^)/