
徳島県阿南市水井町(すいい)
若杉山遺跡(国史跡 若杉山辰砂採掘遺跡)。出土品は国の重要文化財に指定。
弥生時代終末~古墳時代初頭。
辰砂は、赤色顔料の「朱」の原料で、石杵や石臼などの石器を用いて
これを朱に加工する工程を若杉山遺跡で行っていたことが分かった。
全国的にみても辰砂を採掘する遺跡として唯一のもの。
水銀朱は古墳時代前期などに古墳の埋葬主体に大量に使用される。
若杉山遺跡で産出した水銀朱も各地の古墳築造時に運び出されて
いったものと想定され、古墳時代の広範囲な流通を知る上でも非常に重要な遺跡である。
坑道跡とみられる横穴や露天採掘場所などが確認されている。
魏志倭人伝の邪馬台国の山の記述から、若杉山遺跡が有力候補として、
徳島に卑弥呼がいた説が一部で浮上している。映画の「少女H」でも、この場所が登場していた。