今を生きるためのBlog

東京在住、現在28歳のBlog。仕事で関係する中国、米国公認会計士の話題をはじめ、日々の思いを綴っています。

中国海洋石油がユノカル買収を断念

2005年08月03日 | 経営
米石油大手ユノカルに買収を提案中国海洋石油(CNOOC)は、買収を断念したと発表。
CNOOCは6月、ユノカルに対してシェブロンを大きく上回る185億ドルで買収を提案した。しかし先週、米国議会が買収阻止条項を含むエネルギー法案を可決したことから、買収断念に追い込まれたという。米国議会の反発にあったことが最大の要因だった。これでユノカルはシェブロンが買収することになるだろう。

報道によると、CNOOCはゴールドマンサックス、JPモルガン・チェースなどとアドバイザー契約を結び、米国議会に強い人脈を持つPR会社とも契約したという。いわば米国の金融業界最大手と手を結んでも米国議会の中国脅威論を覆すことが出来なかったということになる。よくよく考えてみると変な話だなぁ。

企業の買収を巡る攻防に米国議会の政治的な思惑が入り込むのは腑に落ちない。しかし今回の一連の騒動は、①石油という国家戦略に関わる資源の争奪戦が背景にあったこと、②CNOOCが中国政府の支援を受ける国有企業であることなどを考慮すれば米国議会が反発するのは仕方ないことなのだろう。中国政府としては今回の買収を通して資源と油田開発技術を同時に手に入れたかった。企業買収を巡る米中の政治的対立が表面化した事例だと個人的には思います。

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