明日(7月1日)、大飯原発3号機が、再稼働のために起動されようとしていることに抗議して、首相官邸前をはじめ、各地、そして現地でも再稼働反対の行動に多くの方々が参加しています。ここ東三河でも、原発を問う取り組みを継続してきました。「さよなら原発東三河ネットワーク」が6月17日に豊橋で、そして本日(6月30日)田原で、鎌仲ひとみ監督の『内部被ばくを生き抜く』の上映会を開催(本日はアースデーたはらと共催し、鎌仲監督のトークも交えた)しました。本日は「浜岡原発の危険性を考える会」も豊橋で有田芳生講演会を開催しました。他にも、「豊橋いのちと未来を守る会」や「福島から平和と環境を考える会・東三河」改め「環境と平和を考える勉強会」の有志の方が、月1回のペースで勉強会を開催するなど、さまざまな地道な取り組みが続いています。この記事では有田芳生講演会の報告をします。
本日、午後2時から豊橋・カリオンビルで開催した有田芳生講演会は、田原の映画上映会と重なる時間帯となってしまいましたが、150名は超えていたと思われる会場満杯状態の中で成功しました。主催者あいさつの後登壇した有田さんは、ジャーナリストとして、また2年前からは参議院議員として活動してきた体験に基づいて話されました。
原発については、まず、昨晩、大飯原発の再稼働反対で首相官邸前に、十万人規模(報道によってずいぶん違いがあるが)で集まったことに触れ、国民全体が利害関係者だから、声をあげていかなくてはならない、その声に政治家が応えていくべきだ、と訴えました。有田さん自身も以前は原発について認識不足だったが、福島第一原発事故を経て、原発をいのちの課題としてとらえており、特に、平井憲夫さんという原発の現場責任者をしておられた方の原発の実態を示す発言を引用しつつ、原発の危険性を訴えました。しかし政治家は官僚主導の政治を改められないでおり、原発についても、原子力規制委員会設置法の「附則」に原子力基本法を「安全保障に資することを目的として」と改正する一句を突如入れて軍事利用の方向に主導したりすることになってきている。そういう官僚主導の政治を変えるための政権交代だったはずが、困難に直面している。しかし、人間が人間らしく、という社会を目指し、よりよいものに現実を変えていくために一緒にがんばりましょう、と呼びかけて、一時間ほどの講演を終えました。
休憩後、「おいでん!福島っ子!~2012 夏」(主催:東北応援団・東三河 共催:虹のとびら 子どもたちの未来と食を考えるしんしろネットワーク)と題して福島の子どもたちを鳳来寺近くの「旧門谷小学校」に7月31日から8月9日まで招待する催しを準備している方々が、催しへの協力を呼びかけました。そしてゲストにお招きした三上湖西市長(4月に発足した「脱原発をめざす首長会議」発起人)が登壇しました。三上市長は、地元の静岡新聞が一面で「原発推進はもはや国策になり得ない」などの「五つの提言」を発表したり、自治体の首長のアンケートで原発推進が少数派になってきたりしているが、議員・政治家は原発推進の態度を取る人も多く、首相は再稼働しようとしている。しかし少なくとも原発だけはやめないといけない。政治家に圧力をかけていこうと訴えました。そして、有田さんとどういう政党でがんばるのが良いかをめぐってトークをした後、会場からの質問にお二人が答えました。質問は、被災地の現状について、がれきの広域処理について、福島第一原発事故の責任問題について、官僚主導の政治について、拉致問題について、福島第一原発事故事故の影響について、国会議員・首長がどの程度国民・住民の意見に触れているかについて、などいろいろ出ましたが、有田さんも三上さんも、率直に問題点を示しながら、現状を何とかしていこうという姿勢で臨んでいる姿勢を示した回答をされていたのが印象的でした。
最後に主催者の閉会あいさつで、二時間半ほどの講演会は終了しましたが、今後とも原発問題へのかかわりを続けていく必要性を改めて考えさせられました。来る16日、東京では10万人集会が開催されようとしており、東海地方からも参加しようと呼びかけが種々されていますが、豊橋からも参加する動きもあります。大飯原発の再稼働を焦点にした取り組みが一過性のものとならないよう、地道な取り組みを続けていきたいと思わされました。皆さん、がんばりましょう。
<追記(7月1日)>知人から聞いたところでは、田原での映画会も多くの参加者で成功したそうです。大飯原発再稼働は強行されつつありますが、2か月しか止められなかったとしても、そうした運動の弱さも認めつつ、そこから始めていきましょう。