ラヂオ惑星モルファス

日本語の「複数」



先日、ラジオを聞いていてとても違和感を覚えたことがありました。それは、和歌に関する番組の中で『・・・うたうた・・・・』という言葉が出た時です。多分前後の文脈からは、何首かの和歌を指していた言葉だったので『・・・歌歌・・・』と言うことらしいと思われました。
また、別の番組で、源氏物語の話しの中では『・・・まきまき・・・』という言葉が・・・一瞬何を言っているのか全く解りませんでしたが、同じように文脈からは『・・・巻巻・・・』と言うことらしい、と推測できました。
さて、そこで疑問が生じました。日本語の名詞には英語と同じ様な意味での複数形は存在しません。日本語の普通名詞は「犬」とか「和歌」など同じ性質を持つものの総体を意味する訳で、「犬」という概念を指すと言って良いでしょう。そうであれば「犬」に複数形がないのは当然かもしれません。
私の記憶では、日本語の複数形は接頭辞(諸「島」、数々の「品」など)もありますし、接尾辞(「友」達、「先生」方、「父兄」等)などで表現することも多いように感じます。その一方で畳語法という言葉を重ねることによって複数であることを示す解りやすい方法(「山やま(山々)」「人びと(人々)」「はなばな(花々)」など)があります。ただこの話法ができる名詞は限られていて、一般的に出来るとは言えないはず。「山やま」はあっても「川かわ」はありませんね。
で、最初の違和感「歌うた」という表現は本来ありえないはずです。「いくつかの歌」「数々の歌」(接尾辞にも出来る)と表現すべきではないでしょうか?
ラジオで講義していた先生の中には、東京大学の文学部の先生もいらっしゃったのですが、既に「歌うた」は当然に通用する日本語表現として認められているのでしょうか?
国語学の専門家の見解や日本語に関する統計調査結果などをしりたいな・・・と感じたことでした。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日々の随想録」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事