6月23日。この国の太平洋戦争後の平和は、沖縄の犠牲が礎となっているのは過言ではない。
沖縄、他、グアム、サイパンなどの南西諸島において、一般民衆の集団自決があった。以前、沖縄を旅した時に旧日本軍の兵士と語らうことができた。
その老兵によると、
「日本軍は占領した戦地で略奪、強姦など酷い仕打ちをしてきた。私も、その一人です。米軍に占領されたら同様な行為がされるという脅迫の思いがあった。だから、民衆に自決を促した」
と言う。
古来より、日本、中国、欧州、世界の戦いでは、足軽など下級兵士が敵の城郭を崩すことから始まり、敵軍の将の首を落とすことにより、勝敗を決めていた。下級兵士は、力によって軍に帰属していたわけではない。食えない人民が食と職を求め、軍に入っていった。
今のイラク戦争統治後におけるアメリカ軍も、ヒスパニック系や貧民層によって構成されている。第二次世界大戦時でも、移民した日系アメリカ人などのアジア系兵士が戦地へ旅立っていたことからも判る。
古代の戦争では、戦いに勝利すると、その占領地を数日間、下級兵士たちに開放させ、略奪、強姦など黙認し、高揚した気持ちを沈めていた。それらを報償にしていた時代もあり、それを求めて下級兵士は戦った。近代戦争においても、少なからずそのような行為は続いている。旧日本軍も例外ではないと思う。だからこそ、彼らは恐怖し、負けると悟った時に、同じ国に住む同族の人々にも、刃(やいば)を向けたのであろう。
この国に住む私達は、悲しい出来事があったことを忘れてはいけない。
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