僕の細道

いのちを守る防災学

【題名】いのちを守る地震防災学
【著者】林春夫
【出版社】岩波書店
【ISBN】4000050486
【価格】2,200円
【内容】地震はわずか数分のできごと。本当の試練は、ゆれのおさまったその瞬間から始まる。地震による破壊だけでなく、被災後の問題にも備えるのが、真の地震防災。神戸の経験から生まれた、震災に立ち向かうための知恵と方法を伝授。
【感想】新潟県中越地震が発災する前に読み終えていた本です。阪神・淡路大震災を基に地震災害について、様々な角度からその影響を書いています。被災者のケアの仕方などは、非常に勉強になると思います。お薦めです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

社会の防災力
阪神・淡路大震災とは、災害の呼称であり、それを引き起こした兵庫県南部地震とは、区別されます。震災とは、私たちの社会の防災力を上回る強い地震外力に襲われた結果として起こる災害

ーーーーーー
防災の戦略を練る

1.災害の教訓を、他の地域の人びとや、次の世代の人たちに語り継ぐこと
2.小・中規模災害からの教訓をしっかり学びとること
3.将来を予測して備えること

ーーーー
社会の防災力を高める
1.災害に対する抵抗力を高める
2.災害に対する回復力を高める
災害に対する抵抗力と回復力は、病気に例えるとよく判ると思います。子供は免疫機能が活発なため、病気に罹っても直ぐに治ります。病気に対する回復力が高いからです。その代わり、病気にはしょっちゅう罹ります。病気に対する抵抗力が低いからです。だから、子供には、栄養のある食べ物をたくさん食べさせて、病気に罹りにくい、抵抗力のある丈夫な体にしてあげることが大切なのです。

いくら耐震性を強化しても、建物の強さには限界があります。その限界を超えるような強い地震のゆれに襲われれば、どうしても被害は出てしまいます。つまり、災害に対する抵抗力の限界を超えると、被害が生まれるのです。そのときに、ただ手をこまねいているだけでは、被害は拡大するばかりです。そこで、災害によって発生した被害と混乱を食い止め、社会の安定を
とりもどそうとする活動が必要になります。そうした活動をささえるのが人びとの力です。ただし、一人の力では不可能です。みんなが、力を合わせて活動することが必要となります。つまり、その活動を活発に、かつ効率的にできるようにすることが、「災害に対する回復力を高める」ということなのです。力を結集するには、みんあが状況に対する認識を共有し、たがいの行動を調整する必要があります。それを可能にするのが、正確な情報です。しかし、いざというときに正確な情報をみんなで共有するためには、情報を処理できる仕掛けと処理した実績が必要です。そう考えると、「災害に対する回復力」おてゃ、「情報を共有し、処理する力」であるとも
えるのです。

ーーーーーーーーーー
被災者は誰か?
1.命を落とす
2.財産を失う
3.毎日の生活に支障が出る
4.心の平静を失う

ーーーーーー
被災者たちの時間感覚
第一段階:応急対応期
地震災害で命の危険がもっとも高いのは、地震が発生してから、最初の数分間です。その最初の数分間をしのいでからの数時間は、家族をはじめ、親しい人の安否を確かめたりすることで、被災者は大忙しになります。さらに数日間は電気、水道、ガスは途絶えた生活を
余儀なくされ、食料品や水の確保に追われることになります。ライフラインが復旧しても、家が壊れてしまった人は、避難所に残るか、その後は仮設住宅で生活せざるえなくなります。
応急対応期のあいだ、被災地の状況はめまぐるしく変わります。昨日起こった問題は、今日はまた違った問題となって現れ、明日はさらに違った問題となって直面することになります。このような状況のなかで、被災者たちはめまぐるしく変わる環境に少しでも順応すべく、事態を理解しようと懸命になります。そのため、被災者たちの意識や注意は、まわりの環境の変化にとても敏感になっていくのです。これは、ガイドブックなしに、未知の国に飛び込んでしまったようなものです。地震発生直後の被災者たちは見るもの、聞くもの、全てに驚く旅行者と似た体験をします。

・失見当期(地震発生~10時間)
被災者は自分の力だけで生き延びなくてはならない。組織的な災害対応ができない。
・被災地社会の成立期(10時間~100時間)
被災者の命を救う活動が中心。災害情報が入手可能になる。
 組織的な災害対応活動が始まる。
・災害ユートピア期(100時間~1000時間)
助け合いの精神が顕著になる。社会機能の回復とともに、生活の支障が徐々に改善されていく。

第二段階:復旧・復興期
混乱が収束するとともに、被災者をとりまく環境は、震災前のように安定した姿を見せはじめます。被災者たちは落ち着きを取り戻していきます。応急対応期は終り、復旧・復興期に移ります。避難所で生活していた人たちは、仮設住宅での暮らしをへて、新たに整備された公営住宅に転居したり、修復された家に帰ったり、あるいは別の街に移って、新しい生活を営むようになります。こうして、地震によって生まれた新しい状況を受け入れていく段階が始まるのです。これはいわば、目的地のはっきりしない旅をするようなもので、長く辛抱のいる日々になります。

・復旧・復興期(1000時間~)
人生と生活を再建する。破壊された街の復興。経済の立て直しが始まる。

ーーーーーーーーーーーーーー
救命共助活動

ライトレスキュー
装備のあまり必要の無い、人手があればできる救助活動。壊れた建物の下で生き埋めになった人を、近所の人たちが力を合わせて助け出す行為など。

ヘビーレスキュー
専門の装備や訓練をつんだプロが必要な救助活動。

神戸市消防局の救助事例の統計よると約1900万人が救助されました。
震災発生当日 約600万人を救出し、そのうち80%が生存。
震災二日目 約500万人を救出し、そのうち25%が生存。
震災三日目 約400万人を救出し、そのうち20%が生存。
震災四日目 約220万人を救出し、そのうち5%が生存。
(統計学的には、5%というの数字は「生存を期待できない」ことを意味している値です。)

これらのデーターより、生存救出が期待できるのは、災害発生から最初の三日間が限度である。
この三日間を災害救助に携わるプロたちは昔から「黄金の72時間」と呼んでいます。

最初の四日間で全救助事案の9割が終了します。

ーーーーーーーー
トリアージ

被災地では、限られた資源を、被災者に対して、どのように有効に分配するかが求められます。


医療救助の場合は、
1)手術室に直行させるグループ
2)手術を待機させるグループ
3)待合室などで安静にさせるグループ
4)処置をしないグループ

医師の数は限られています。助かる見込みのない人や緊急医療の必要のない人にかかりっきりになれば、生死の境をさまよっている人を死なせてしまうことになります。一人でも多くの人を助けたいと思うのなら、次々と担ぎ込まれる患者を順番に治療するのでなく、患者が病院に到着したところでふるいにかけて、どのような措置をするべきか判断し、選別せざるをえないのです。
トリアージュ教育は、医師、看護士に限らず、消防士、警察官など全ての防災関係者に求められています。組織や社会が事前に決めておき関係者たちに周知しておかないと機能しません。それが徹底されてはじめて、迅速で的確な、迷いのない判断を下すことができます。

・何を守らなければならないか
・限られた資源をどこに優先的に分配するのが適正なのか

ーーーーーー
社会機能

・ライフライン(燃料、電力、ガス、上水、下水、ゴミ処理)
・コミニュケーションの流れ(交通、通信、放送)
・物流(生活物資の提供)
・公共サービス(教育、医療、行政、治安維持)
・金融サービス

ライフラインの復旧
電気→上水道→ガス

トリアージの考えを用いると、
・不要不急のサービスは提供を中止する。
・必要不可欠のサービスは、たとえ最小限のレベルでも提供を継続する

ーーーー
避難所

広域避難敷地火災が広がらないような大きな敷地。大きな公園やグラウンドなど。

広域避難路
そこへ至るまでの主要な道路災害発生時には車両通行止めになります。

収容避難所
被災者たちが水や食料、光熱、トイレ、安息の場所を得る拠点。ライフラインが機能停止し、自分の家で生活が出来なくなっても、その人たちは被災地を離れるわけにはいきません。それゆえ、その人たちを収容して仮の生活場所が必要。日本の場合、公共施設、特に学校施設が中心となります。

避難所では被災者に対して食事を提供してよいことになっています。その費用は災害救助法により国の負担となります。

ーーー
避難者

避難者には災害救助法が適用されます。避難者に配る弁当にかかった経費は、最終的国の負担となります。

ーーー
避難所での生活ルール

社会が機能停止し、不自由な生活を強いられる被災地では、通常以上に公平さが重んじられます。被災した人たちは自分だけ割りを食うのは困ると考えて、えこひいき、不公平に強く反発します。そのため、公平さに対してとても敏感になるのです。

神戸市長田区駒ヶ林中学校に開設された避難所運営のための
「共通理解ルール」
・犬猫など動物類は校舎内にいれない。
・校舎内は火気厳禁!タバコ、ローソン、ガスコンロ等。
・配給食糧、物資は全員に配給できるまでしない。
 どうしても配給する場合は、代表者を集めて理解と協力を得てからにする。
・消灯→夜11時(1/21から夜10時)
 教室は消灯し、廊下は点けておく。体育館、格技室は照明を落とす。
・放送→夜11時(1/21から夜10時)夜間の問い合わせは、明朝まとめてする。
・電話→受信のみとする。
 (1)誰を探して欲しいのか、住所、名前を聞く。
 (2)放送をして呼び出して「伝言」を伝えるだけです。連絡先や名前を聞く。
 (3)呼び出してもこられない場合もありますが、あしからず。
・公衆電話―発信したい人→ジョイプラザ3階、新長田駅等を紹介するだけで、
                  電話は緊急用です。
・食料等の優先順
 (1)校舎内の人
 (2)グラウンド、自動車の人
 (3)公民館、天理教、ガレージの人
 (4)近隣
・近隣の人ー最低限の配布にしておく(水、おにぎり)ー本校の人より不満が出る。
・生理用品、ミルク、オムツー救護室へ(希望者へどうぞ)
・職員室の電気はつけておくー盗難防止(グラウンドの食料等)
・トイレー1階2ヶ所。大便のみバケツの水で流す。
・記録ノートに記入
  特に救援物資の搬入と氏名。
  仕事をした人達の所属と氏名。
・救援物資は、職員室のダンボールやグランドで品種別に分類。
・全員腕章をする。
・ガーゼ交換は午前中にすませる。
・避難所を出る場合は、代表者と本部に伝えてから出る、どこに行くかも聞いておく。
・9時、15時 代表者と打ち合わせ会 健康、要望、依頼伝達
・トイレ清掃 10:00 15:00 18:00 放送
・TEL時間 6:00~11:00

収容避難所対策は公平さをどのようにして保ち、実現するかが、運営には決定的に重要となります。公平さは避難所で寝起きする人たちの間だけでなく、避難所の人と周辺の自宅で暮らす人たちとの間でも保たなくてはなりません。たがいの主張する公平さは時に矛盾し、ぶつかることもあります。避難所の運営に携わる被災者のリーダーや行政職員、学校の先生は、その矛盾と衝突をどう調整できるか、彼らのリーダーシップが問われます。

ーーーー
公平さの考え方

アマルティア・セン(ノーベル経済学賞)人間社会ではおたがい等しく扱われるものが最低一つはないと成り立たない、しかし人間にはいろいろな差異があることも否定できない、人間が持つ差異として三種類ある。

(1)資源の差
 金持ちに生まれるか、貧乏人に生まれるかといった、個人が生まれつき持っている差異。

(2)資源から結果を生み出す力の差
 個人が身につけている能力の差。

(3)行動の結果として現れる差
 なんらかの行動をしたか、しなかったかによって各人のあいだに現れる差異。

これら三つの差異をなくすことはできません。しかし、三つの差異のうち、どれか一つでも等しく扱うことができれば、他の二つの差異があっても人は納得するものである。その場合は、互いに平等でなくとも、人はその状態を公平なものであると思う事ができるのです。
「公平」と「平等」とは違う事柄なのです。
ーーー
公平さのルール

1.平等のルール
  最終的にみんなが受け取るものを等しくするという決まり。
2.衝平のルール
  各人が労力に応じた成果を受け取るという決まり。
3.ニーズのルール
  必要とする量と提供される量との比を一様にするという決まり。
4.機会均等のルール
  条件を皆に等しくすれば、結果は問わないという決まり。
5.先着順のルール
  先着順に受け取るという決まり。
6.抽選のルール
  抽選により受け取るという決まり。

公平さを実現するのに、これらのルール全てを同時に採用する必要はありません。どのルールを選ぶかは、時と場合に応じてそれぞれ適切なものがあります。そして、どのルールを選んだとしても、そのルールが厳格に守られるならば、例え差異はあっても、人はそのルールを公平なものとして受け入れることができるのです。リーダーの役割は、どのような場面でどのルールを採用するのかをきちんと皆に理解してもらい、そのルールを厳しく守らせることなのです。

ーーーー
災害復旧
文字どおり「旧に復す」、原形復帰を基本とする災害対応活動のこと。
集中豪雨で決壊した堤防を復元したり、地震で寸断された電力網を修復するなど、災害によって破壊された施設や機能を災害前の状態に戻す。

災害復興
災害前とまったく同じ施設、機能に戻すのでなく、地域が災害に見舞われる前以上の活力を備えるように、暮らしと環境を再建していく活動のこと。
1.都市の再建
2.経済の再建
3.生活の再建

私は、災害からの復興を、災害によって生まれた新しい現実を受け入れ、その制約の中で自らの人生を再建していく過程である、と考えています。長い人生の中では、自分の意に添わないできごとが起きます。しかも、それに対してじぶんはどうにもできないと思い知らされることが多々あります。私たちはそういう事態に直面するたびに、例え不承不承でも、起こった事実を受け入れ、新しい環境の下で最良の結果が得られるように努力します。大震災の被災者になるということは、間違いなくそういう事態の一つです。
 神戸の社会、経済活動は、ここ数年安定しています。被災者たちがいま
問われているのは、どんなに不愉快であってもこの現実を受け入れ、自らの人生をそれに適応せられるか、ということです。それには長い時間が必要です。実際、「まだ復興は終らない」と多くの被災者たちが感じています。復興は、新しい現実の下で生きていくことを被災者が納得できたときに完了する、ともいえます。

ーーー

住宅の再建
・建物被害の調査とり災証明の発行
・壊れた建物の公費解体
・仮設住宅の建設
・復興公営住宅の建設

り災証明(役場が発行)
 「あなたは、これこれの災害でこういう被害を受けました。」この証明が被災者であるという根拠となる。被災者に認定されると、学費の免除、仮設住宅への入居、公営住宅の家賃補助、生活復興支援金の対象者などの公的援助。民間、政府を問わず、あらゆる災害支援の根拠となる。り災証明は、建物被害調査をもと発行。

建物被害調査
 市町村の担当者が、建物の被害状況を外観から判断して、住宅地図に、全壊、半壊、一部損壊、無被害と記入していく。り災証明の判定に対し、不服をを訴える人の割合は2~3割。被害認定の仕事量の多さ、被災者の生活再建への影響力の大きさを考えると、納得のいく住宅の被害認定が最初かの段階からできるように関係者を訓練することはきわめて重要な災害対策の一つです。

公費解体
 災害によって壊れた建物の処分は、通常、所有者の責任です。がれきで公道をふさがれた場合などは、所有者の同意を得て行政がすることはありましたが、私有地内は所有者の責任で行なわれます。

仮設住宅
 災害救助法に認められた対策。
 建築基準法の要件を免除。
 使用期限は最長で2年間。
 仮設住宅に一度入ると、住人はなかなか出て行かないのが常識。
 1959年の伊勢湾台風の時、最終的に1998年解消。
 1961年の第二室戸台風の時は、1990年解に回収。
 1995年の阪神・淡路大震災の時は、2000年に回収。→災害復興公営住宅へ。
 アメリカでは、災害対策として仮設住宅を提供することをやめ、 
 一時金を支給する方式に変更している。

ーーー
仕事の確保
・緊急資金の貸し付け
・特別金融枠の設定
・利子の減免
・償還期間の延長、据え置き
兵庫県は、
 従業員を辞めさせないで、雇用を続ければ、従業員一人あたり、50万円の補助金を出した。

ーーーー
生活の再建
1.住まい
・戸建住宅の再建(建て替え、修理)
・集合住宅の再建(建て替え、修理)
・復興公営住宅への転居
・民間賃貸住宅への転居
2.人とのつながり
・近所の人、親戚縁者、友人、会社の同僚、ボランティア(頼りすぎるとトラブルが発生する)
3.まち
街の復興には、施設や住宅が再建させるだけでなく、街をどのように利用するかという、ソフト開発も重要。
4.備え
・災害とその後の生活に耐えられる体力をつけておくこと。
・日頃、家庭で災害を話題にして備えておくこと。
・街全体での取り組み
・情報伝達の仕組みの整備
5.心と体
 一般に、ストレスによる心身変調は時間とともに軽減される。高年齢者ほど災害によるストレスの割合は高い。(自分には、失ったものをとり戻す時間がないと思うため)
6.暮し向き
  被災により、生活は暗転、預貯金の切り崩し、生活費の切り詰めでしのぐ人が殆ど。外食できるようになるのは復興の証し。
7.行政との関わり
行政サービスの「精度」「分野」「公平」が求められる。行政が不得意な分野は、ボランティアや各種団体に任せれば補える。行政が全て担う主体である必要はないといわれる。 
 
生活再建とは、被災者が震災前のように自立した生活をとり戻せるように被災者を支援すること。生活再建の主体は、あくまでも被災者自身である。

ーーーー
ゆっくり復興していく勇気を持つ

1)震災が雄、活動が活発になった。
2)サイン差異が雄、活動が一時的に落ち込んだが、のちに回復した。
3)震災後、活動が低下している。
4)震災後、活動が大きく落ち込み、震災前の水準に戻れない。

問題
1)のパターンは、喜ばしい影響のように思われますが、むしろこの
影響の仕方こそ、復興の難しさが凝縮されています。震災が雄に活況を呈した業種の代表は、建設業と耐久消費財の販売業です。震災後、被災地には大きな建設ブームが起きました。阪神地域の住宅建設は成熟市場で、需要は安定していました。そこに25万棟もの建物が一挙に破壊されたことで、莫大な更新需要が生じたのです。約10年分の建設需要が一斉集中的に発生しました。
 当然、被災地内だけではとてもそれだけの需要を賄えません。全国各地から建設業種が集中しました。こうした膨大な仕事をわずか数年で処理することでもっとも儲けたのは、東京と大阪です。とくに本社が東京にある大手建設業者です。そして神戸で儲けたお金で払う税金は、みんな東京都に行くのです。 東京や大阪からの応援業者が神戸を去っていくころには、向こう10年分の建替え需要まで完全に満たされてしまいました。ブームがあれば、必ずその反動が来ます。地元の建設業者にはもはや仕事がありません。いま、神戸の建設業はたいへんな不況に
陥っています。
 建設ブームは、早く復興したい、早く元どおりにしたいという被災者の気持ちの反映でもあります。しかし、長い目で見ると、自分で自分の首を絞めることになるのを、この例は教えてくれます。

ーーーー
これからの自身防災のあり方

1)プレート境界型の巨大地震が発生。プレート内型の直下地震は発生しない。
2)都市の直下でプレート内地震が発生。壊滅的な被害を受ける。何年か後に、プレート境界型の巨大地震が発生。広域の激甚災害に発展する。
3)プレート境界型の巨大地震が発生。広い範囲が大きな被害を受ける。
何年か後に、プレート内型の直下地震が発生。いくつかの都市が壊滅的被害を受ける。
・一名たりとも死者を出さない。
・地震発生後の災害対応に必要な社会機能に被害が出ないようにする。
・防げなかった被害の機能回復、復旧、復興に必要な対策を整え、それに要する費用の負担者を明確にする(その仕組みをプレート内型の直下地震にも適用する)

ーーー

業務継続計画
コンピューターシステムなどへの技術的な対応だけでなく、施設、人的資源の配置や動員、対応プロセスなど、業務の全てを包括的に検討して作成しておく。

ーーー
自助七割、互助二割、公助一割

1)自助の促進
地域防災に高い意欲と能力を示す人材を育成し、その地域の地震防災リーダー役とする。
2)市民の参画
地震防災の施策は行政だけですすめず、1)のリーダー役の人達と協働して決定し、実行する。
3)アイディアと人材の提供を主とした施策
 市民参画的な地震防災を指導できる行政職員を育成、活用する。

自助
・地震で全壊しないような住宅を建てること
・地震にあっても働く場が失われないように、企業に業務形態を変えさせていくこと
・心身ともにい健康でいること
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「防災・災害(ボランティア)」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
1998年
1997年
1996年
人気記事