入口では沢山の行列ができ、次々の大きなテントに吸い込まれる。
薄暗がりの中に設置された階段席へ座ると、舞台がこんなに小さかったのだと驚いた。やはり、子どもの頃の記憶なんて当てにならないな。
オープニングは女性たちの華麗なダンスから始まった。
子どもは、ポップコーンを片手に繰り広げられるショーに目を見張る。四頭のシマウマのホースダンスに喜び。キリンに餌を与えたりするアメイジングサファリショーでは、ヨダレが長い糸のように垂れ下がり、カクテル光線で光り、観客たちも大笑い。
釣りロープショーでは、皆が上を見上げて拍手を送る。日本の古典曲芸である椅子の曲芸や張り綱の芸などは、伝統を継承していくという日本人が頑張っていた。合間には、サーカスのお約束であるピエロたちの笑いが観客たちを和ませてくれるのだった。
10分間の休憩の後、二部が始まり、獣の匂いとともにライオン、トラ、ヒョウが檻の中に現れ、10頭の猛獣が鞭の動きで調教師の指示に従う様は、観客たちの目を引きつけた。
イリュージョンマジックは近くでも見ていても、どこに仕掛けがあるのか判らず、客席からは感嘆の声が聞こえる。この日から始まった象の芸もあり。スリル満点の巨大車輪の芸。アップテンポのBGMで踊るフラフープダンス。丸い檻の中を2台が走り回るオートバイショーは2ストエンジンの音がテント内に響き渡る。最後は、次々と飛び交う空中ブランコショーで締めくくった。
木下大サーカスは100年を越える歴史を持つという。
厭きのこないエンターテーメントを維持し続けるのはたいへな努力だろう。
テレビ画面の中でなく、音、匂い、空気をダイレクトに体験できる劇場空間の思い出は、子どもたちの記憶に残っていくだろう。
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