おはようがんす
もう今日は送り盆なのだ
光陰矢の如しと言う、そして一年に二回ある藪入りも忽ち終わってしまう、藪入りとは、昔口べらしで奉公に出されて子供も達も
正月の十五日十六日には故郷へ帰れるひなのだ、口減らしでなくても、商売の修行や、行儀見習いな奉公に出された子供は多い
そして苦労して一人前になってのれん分けをしてもらって独立をする
其れが商人だけではなく武家にも行儀見習いと言う奉公が有った、封建主義や徒弟制度やいろいろな 理不尽な制度があった時代の話だ
私が若い頃にも徒弟制度の残りが有って弟子に入ると薄給で何年も修業し、一人前に成ると一年間ほど礼奉公というのがあった
私達のころは一年というのではなく半年や三か月の無料奉公で有った、それでも昔の話だ
、、、、、、、、、生きている者にもそうした事があったが、死者にも奏したものがあった、羽根を持った昆虫や鳥に乗って盆のお客に一早く来る
そして其のお宅の近所や庭で待空して13日まで待つのだ、この辺では盆蜻蛉、と呼ばれている「尾平蜻蛉」に乗って来ると言われている
そして三泊四日をたのしんでまた彼の地へ帰る、帰りはゆっくり、ゆっくり帰るので「胡瓜牛」や「茄子馬」で帰る
此れが送り盆のはじまりだ、今は省略で簡素の成ってしまったが一つ一つの行事に夫夫謂われが有って古人の生活や仕来たりにわけがある
細かい話は又後日するとして今の今の話だけに仕様
先ず朝起きて朝食を済ますと盆棚を壊す
いままで棚の上に鎮座していたご先祖様を所定の仏壇に帰す
古い時代からの御位牌をすべて年に仏壇の奥から並べて来
ここんもろもろの御位牌を引っ越しする
所定の仏具をセットして通常の仏壇に復帰するのだ
盆棚に挿した花々の未だ持ちそうな花を選別して一束にして墓参りの用意をする
其の外にもう一束栽培している花々を切って来る、鹿の子百合、小葉擬寶珠、禊ぎ萩。夏水仙、高砂百合、等等を揃えて一束にする
此れに線香、瑞お団子をもって墓参に行きお客お帰り願うのだ
送り盆はとうぜん縁側の沓脱石から出て戴く、そしてもんさきで送り火を焚いてそのけむりのなかでお帰り頂くのだ
ご先祖様がお乗りになる門馬ももちろん門先に出してある
旅の途次に馬が腹が空かない様に餌も用意してある
これが当家の共同墓地だ
墓地へは通常の御参りを仕手香を焚き団子を進ぜる
改墓す前に在ったご先祖の墓の数数だ
こうして周りの新宅や親せきの墓地にも参拝して帰宅して盆の行事が終える
確かに古来通りにすることは今の時代難儀だがそれも楽しみながらすることが良いのだ
『之を知る者は之を好む者に如かず、之を好む者は之を愉しむ者に如かず」論語の一説だ
そんじゃあまたはなすべえ
遊童子
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