ゆう動物病院

大分県宇佐市に2007年3月30日に開院した動物病院のブログです

犬パルボウィルス感染症について

2007年06月16日 | Weblog
宇佐で犬パルボウィルス感染症が流行の兆しをみせているようです。

今週に入ってから昨日までで嘔吐と下痢、食欲不振で当院を受診された4頭のわんちゃんの便から犬パルボウィルス抗原が検出され、犬パルボウィルス感染症と診断しました。


犬パルボウィルス感染症は主に生後6週齢から6ヶ月齢の子犬に激しい嘔吐や下痢、食欲不振をおこす伝染病です。このウイルスは細胞分裂が活発な腸粘膜や骨髄の細胞に感染し、これらの組織を破壊します。感染したわんちゃんは感染後、約6~10日で嘔吐や下痢(粘膜便、血便、水様便)などの症状をあらわし始めます。


急速な脱水による循環血流量の減少、白血球減少やそれに伴う細菌感染により症状が出始めてから2日で亡くなることもあります。入院して点滴や抗生剤の投与など積極的な治療により生存率は上昇しますが、それでも死亡率は約30%といわれている怖い病気です。


このウィルスは感染力が強く、環境中でも数ヶ月安定して存在します。感染したわんちゃんの便には大量のウィルス粒子が含まれており、その便で汚染された物により容易に伝播するため、混合ワクチンの接種による予防が唯一有効な予防法です。


混合ワクチンを接種したことがない子や最後に混合ワクチンを接種してから1年以上経っているわんちゃんには6種や9種などの混合ワクチンを接種して怖い伝染病から守ってあげて下さい。


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