病気の治療には大きく、お薬による内科療法、手術による外科療法などがありますが、病気の種類によっては処方食を用いた食事療法が大変有効な場合があります。
処方食とは、心臓病や腎臓病、肝臓病などを患っている動物用に作られたフードで、当院でも多く取り扱っています。
例えば、食物アレルギーで皮膚のかゆみがある子には食物アレルギー用の処方食を使ってあげることで、かゆみを抑え、皮膚を良好に保つのに有効ですし、慢性腎臓病の子では食事を腎臓病用処方食に変えることで、変えない子よりその後の寿命が3倍長くなることがわかっています。
食事療法で大切なのは、適切な処方食を選択してあげること、適切に与えること、その後の経過をチェックすること、だと思います。
処方食は選択を誤るとかえって動物に悪影響を与えてしまうことがあるため、どの処方食にも獣医師の指示や管理を受けるように記載がしてあります。最近はインターネット等で処方食を購入されて与えている方がいらっしゃいますが、この方法では処方食の選択を誤ってしまう危険性があると思います。
次に適切に与えることですが、通常、処方食を使う場合は、食事を処方食のみにしてもらうことが必要となります。おやつを与えたり、他のフードを与えてしまうと食事療法の効果が薄れたり、なくなってしまうからです。
最後に大事なのはその後の経過をチェックすることで、これは主に動物病院での診察や検査により評価する必要があります。
処方食を適切に用いることで最大限食事療法の効果を引き出し、投与する薬の減量や中止ができたり、手術を回避することができれば、そのメリットは大変大きいと思います。