ゆう動物病院

大分県宇佐市に2007年3月30日に開院した動物病院のブログです

フィラリアの予防について

2007年06月03日 | フィラリア
早いもので、もう6月になりました。
多くの方々に支えられて、ゆう動物病院は開院3ヶ月目を迎えることができました。本当にありがとうございます。


さて、皆様、フィラリアの予防はもう始めていらっしゃいますか?
フィラリアは蚊が媒介する寄生虫で、心臓の中に長さ17~28cmのそうめんのような虫が入り込んでしまいます。


1度心臓の中にフィラリアが入ってしまうと駆除が難しく、心不全やアレルギー性肺炎をおこしたり、肝臓や腎臓など多数の臓器に悪影響を及ぼします。


始めの少数の寄生では症状がなくても、その後予防をしないと毎年蚊に刺されて寄生数が増え、しだいにのどに何か詰まったような空咳をしたり、体重減少、毛づやが悪くなる、運動時に疲れ易い、腹水が溜まるなどの症状が出始めます。


また、虫体が心臓の弁に絡まってしまうと急に元気食欲がなくなり、呼吸が荒く、赤黒い尿をするようになります。このような場合は手術で心臓の弁に絡まったフィラリアを摘出する必要がありますが、心臓、肝臓、腎臓の機能が低下した状態での麻酔、手術となりますのでかなり危険を伴います。


フィラリアの予防薬は処方せん医薬品であるため、その処方には獣医師による診察が必要であり、診察なしに予防薬だけを販売することは法律上できません。また、フィラリアに感染している個体にフィラリアの予防薬を投与すると重篤な副作用が発現する場合があるため、当院では予防前の診察と血液検査をおすすめしています。


この血液検査はフィラリアの子虫であるミクロフィラリアの有無を顕微鏡で調べる方法とフィラリアの成虫が心臓にいるかを調べる抗原検査を行います。もしご希望があれば残った血液で健康診断のための血液検査を行うことも可能です。


写真は現在、当院でフィラリア抗原検査に使用している検査キットで、陽性反応が出ているところです。
Cと書かれた横に青いラインが出るのは、検査がきちんと終了したというサインで、陰性反応ではこの青いラインだけが出ます。Tと書かれた横に赤いラインが出るとフィラリア抗原陽性となり、フィラリアが心臓にいるのがわかります。


フィラリアはきちんと予防をすれば、ほぼ100%感染を防ぐことが可能です。
また、不幸にしてフィラリアに感染してしまった子でも、今以上のフィラリアの寄生を防ぐために予防は必要です。


当院では5月1日から11月下旬もしくは12月上旬までを予防期間とし、毎月の予防薬の投与をおすすめしています。


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